OMSB、一人のラッパーとしてのただならぬ気迫 “自分の普通をやる毎日”に向けて燃料を入れた2度目のワンマン

OMSB『KROOVI'23』レポ

 「Scream」に続き「OMSBから君へ」。空を見上げながらラップを打ち上げ、ハンズアップするオーディエンスに向けて「揺れろ!」と呼び掛ける。フロアに波を起こしてから「LASTBBOYOMSB」では天に向かって二本指。

 本編最後は「Standalone | Stallone」からの「World Tour」という流れだ。ラップと入れ替わりざまにブラスのキメが入ってエンディング、ステージ上からOMSBとHi'Specのふたりが退場する。「今日めっちゃ自信あるよ。それだけのことやったと思ってるよ」というMCがカマシでないことはよく理解できた。

 ほどなくしてアルバム『ALONE』のアートワークが掲げられる。そしてOMSBが戻ってきて「祈り | Welcome Back」を披露。ここでようやく気付いたが、今回のセットリストは前回のワンマン最後の曲で出発し、最初の曲でアンコールの幕開けになっているようだ。

 DJ KRUSHの楽曲に客演した「ロムロムの滝」のあと、この日のラストMCへ。

「もっと次へ行かなきゃいけないし、自分を磨かなきゃいけないと改めて思う日々です。ガン見されて感謝。こうやって来てくれることが当たり前だと思ってないから。これから精進するから。これからも観に来てほしいと思ってます。本当に感謝しかない」

 そこから「波の歌」、そして「大衆」。OMSBの気迫はだんだんと現実を見据えているようだった。そうだ、熱狂的な今晩のライブが終わったらまた日常がやってくる。また曲を作り自分と向き合い、家族との生活が待っている。それはオーディエンスも同じ。だがOMSBから得たエナジーが燃料になるはずだ。気付けば心のハイオクは満タンである。

 そして誰もが〈誰にもなれないし、自分の普通をやる毎日〉に戻っていった。

※1:https://realsound.jp/tech/2023/03/post-1276774.html

OMSB

■セットリスト
01.Childish Wu
02.Naruhodo
03.New Jack
04.Lose Myself
05.Nowhere
06.黒帯
07.Gami Holla Bullshit
08.One More Say Boom Bap
09.Kingdom (Homeless)
10.Hush
11.Vision Quest
12.Joke
13.Ride Or Die
14.Memento Mori
15.CLOWN
16.Think Good
17.Scream
18.OMSBから君へ
19.LASTBBOYOMSB
20.Standalone | Stallone
21.World Tour

En1.祈り | Welcome Back
En2.ロムロムの滝
En3.波の歌
En4.大衆

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