Brave Girls契約終了、MOMOLAND解散……“バズ”を経て活動し続ける難しさ 中小事務所所属グループが成功する鍵は?

 ここ最近、ランキング外からチャートインする“チャート逆走”が話題になったBrave Girlsの契約終了やジュイのダンスでも注目されたMOMOLANDの解散といったニュースが続いている。チャート逆走や“チッケム”(推しカメラ)などで一時的にバズを起こしたり、話題を集めることができても、そこから人気を保ち続け、活動し続ける難しさを改めて感じる出来事かもしれない。そこで、バズを経て活動する難しさについて、歌手・作詞家・作曲家のほか、イベントMCなど多岐にわたり活動するNICE73に話を聞いた。

「MOMOLANDとBrave Girlsはちょっとケースが違うかもしれません。MOMOLANDはそもそもオーディションからできたグループで、その中でジュイさんが注目されて。その後も活躍していたのですが、フィリピンなどですごく人気があったので、そちらにシフトチェンジするタイミングがありました。一方で所属事務所(MLDエンターテインメント)の金銭状況があまり良くなかったのもあるし、ちょっと雲行きが怪しくなっていった部分はあったかもしれません。もちろんテレビにも出ていましたが、あのバズを生かしきれなかったのかなと。

 Brave Girlsのチャート逆走はイレギュラーなことで、これは私の勝手な予想ですが、メンバーの間では活動は契約期間までと決めていたんじゃないかな? と。その中で(デビュー済みのガールズグループによるカムバックサバイバル番組)『QUEENDOM』にも出たのかもしれません。キャリアもある程度ありますし、認知されたらグループにこだわらなくても、この世界でやっていく道がある。だから彼女たちはすごく綺麗な終わり方だったというか、事務所に恩を返した感じがしますね」

 こうした事例を見るとHYBEやSM、YG、JYPといった大手事務所以外では、バズというチャンスが訪れてもそれを利用して活動し続けるのは難しい部分もあるように感じるが、中小事務所所属グループで成功している例はあるのだろうか?

「バズをうまく活用して継続的に活動できているグループとしては、Billlieが思い浮かびます。TSUKIさんのチッケムをきっかけに、韓国の音楽番組やバラエティにも出演したりと、お茶の間でも認知度があると思います。SMエンターテインメントの傘下ではありますが、MYSTIC STORYという中小事務所に所属しています。

 同じく中小事務所であるSTARSHIPエンターテインメント所属のIVEも、目を見張る活躍ぶりですよね。もちろん元IZ*ONEのメンバーが所属しているというのはありますが、小さな子どもからお年寄りの方まで認知されて愛されている。個人的にはみんなが「Tell me」を踊っていた、Wonder Girlsを思い出しました。彼女たちはアメリカに舵を切ってからうまくいかなかったために、解散してしまった部分があった気がしていて。だからIVEに関してもこの後どう舵を切るかでまた変わってくるのかな、とは思います。

 男性で言うと、DKZがうまくいっているケースのように思います。ドラマ『セマンティックエラー』を通じてジェチャンが注目され、楽曲もヒット。加入した新メンバー3人にも恵まれていて、改名前のDONGKIZ時代のファンも応援したくなるようなグループとして着実に活動している。小〜中規模の事務所ができる最大限のことを今やっているように思います。彼らのように、今はたとえバズっても博打に出ず、堅実にやる傾向があるかもしれないですね。そして、最近はバズ自体がやや落ち着いたようにも思います。国内のチャートではトロット(演歌)が強くて、K-POPでバズったのはIVEとNewJeansくらいでしょうか」

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