Novel Core、“時代のアイコン”を目指す上で芽生えた覚悟 SKY-HIやBMSGメンバーとの信頼関係が育んだ成長
1st EP『iCoN』をリリースしたNovel Core。SKY-HIの立ち上げたマネジメント/レーベル「BMSG」に所属し、2020年にメジャーデビュー。『A GREAT FOOL』、『No Pressure』と矢継ぎ早にアルバムをリリースし、そのクリエイションに対する貪欲さを作品としても証明した。並行して昨年は2度の全国ツアーを行い、今年1月21日に行われた、YouTubeでも配信されている豊洲PITでのライブ『Novel Core ONEMAN LIVE - Untitled -』においては、来年1月17日の日本武道館ワンマン公演を発表。その成長速度の速さと圧倒的な求心力を提示した。とどまることを知らない進化を続ける彼に、新作『iCoN』に込められた意味、そして「現在の存在地点」を聞いた。(高木"JET"晋一郎)
もう盗めるものは全部盗んでやろうと
ーーまず2022年を振り返りながらお話をお伺いできればと思います。昨年は全国ツアー『A GREAT FOOL TOUR 2022』『No Pressure TOUR 2022』を開催されましたが、その手応えを教えてください。
Novel Core:一回一回のライブを通して、手応えがどんどん大きくなっていった感触がありますね。去年一年は、本当にいろんな現場に出させてもらうことができたし、ライブ制作チームやバックバンドというチーム全体で、毎回やりがいや課題を見つけながら、成長することができた、実りの多い一年だったと思います。僕自身、ライブ自体をちゃんとやり始めたのが2020年なんですが、そのタイミングでちょうどコロナ禍に入ってしまって。だからフェスなどを含めても、おそらく今までトータルで100本できているかどうかぐらいなんですよね。経験としてはまだまだだなと思うと同時に、どのライブも新鮮に感じています。そして、それにはお客さんの存在も本当に大きいですね。ライブは「コミュニケーション」であり、ファンの方たちや、自分のライブを観てくれる人たちと共鳴することで、初めて自分の作品が完成すると思うんです。だからどんどんライブが自分にとってすごく重要なものになっていますね。
ーー1年の中で二度の全国ツアー、そして『No Pressure TOUR 2022』はバンド形式でのライブになりましたね。
Novel Core:アプローチの転換も含めて、1年間という短いタームの中で、飛躍的に伸びることができた実感があるし、自分を伸ばす機会に恵まれたのは本当にありがたいことですね。フェスで言えば例えば『SUMMER SONIC 2022』。パンパンにお客さんが入ってくださったあの日の感動的な光景は、すごく自信に繋がりました。同時に、あの日は僕も所属するBMSGのメンバーである、BE:FIRSTがメインステージに登場したんですが、彼らのファンの方も、僕のステージを見に来てくれたり。そういう経験も大きかったですね。
ーーライブの規模自体も一年でかなり大きくなりました。
Novel Core:でも、お客さんとの距離感は変わらないどころか、むしろ近くなってる気がします。最初のツアー『A GREAT FOOL TOUR 2022』は、キャパ200ぐらいのハコを回る全国ツアーだったんですが、そこで全国各地のファンの人に初めて直接会いに行くことで、いろんなものを得ることができたんですね。続く『No Pressure TOUR 2022』では、Zepp規模(3000人規模)の会場を5カ所回ったんですけど、規模は大きくなったのに、むしろ「近くなった」と感じましたね。
ーーその要因は?
Novel Core:意識かもしれないですね。日高(光啓/SKY-HI)さんから「1対1000じゃなくて、1対1を1000回繰り返すような感覚で、ライブやクリエイションと向き合ってほしい」と言われていて、その意識のもとにライブをすることで、お客さんとの距離も近く感じるようになったのかなって。
ーーライブの演出にも関わられていますが、回数を重ねる中で意識には変化はありましたか?
Novel Core:“引き算”を意識するようになりましたね。例えばMCパートを極端に削ったり。
ーーそのアプローチに至った理由は?
Novel Core:フェスへの出演が大きいのかもしれないですね。フェスでは音が止まっている時間をできる限り短くしないと、偶然に通りかかったお客さんは掴めないと感じたし、自分のテンションとしても、音が止まらないライブ構成の方が、皆さんに見せられるものが多いのかなって。だから引き算のライブを最近はずっと意識しています。
ーー対バンやフェスへの参加の中で、影響を受けたことは?
Novel Core:一緒にフェスに参加したアーティスト全員から影響を受けていますね。もう盗めるものは全部盗んでやろうと。言っても、見習い1年生なんで(笑)。
ーーメジャー以前のキャリアがあるから忘れがちですが、Coreさんはまだメジャーデビューから1年強しか経っていないんですよね。
Novel Core:そうなんですよ(笑)。でも、草の根からやっていく感覚はずっと忘れずにいたいと思いますね。
ーーBMSGの設立二周年を記念して行われた『BMSG FES』はトータルで3万人を集める大規模フェスになりましたが、そのフェスにおいてCoreさんはソロアクトとしてトップバッターを飾りましたね。
Novel Core:日高さんからも「Core、ここはマジで一番大事なセクションだからね!」と言われて(笑)。
ーーなかなかのプレッシャーですね(笑)。
Novel Core:僕のライブも「バンド形式でいきたい」という話をしたら、「じゃあ俺もフルバンドでいくわ! 殴り合いしようや!」と(笑)。
ーー(笑)。でも、それはCoreさんを信用してるからですよね。実際フェスでのラストの映像も含めて、二人の強い信頼関係を感じる部分がたくさんあって。
Novel Core:THE SUPER FLYERS(SKY-HIのハウスバンド)と日高さんとは、もう10年近くタッグを組んでるわけだから、その歴戦のバンドと同じステージに上がれるというのは、すごく貴重な経験だし、本当に胸を借りるつもりで突っ込んでいきましたね。自分と自分のバンドのメンバーとも、現在の自分たちでの最大限を形にしながらも、日高さんのライブから、本当にたくさんのものを持ち帰らせてもらったと思います。そして、それが今の僕のライブに繋がって、お客さんにもそれを感じてもらえていれば嬉しいですね。