claquepotが昨年12月に初のフルアルバム『the test』を完成させた。このアルバムはこれまでに配信リリースしてきた楽曲をほぼ網羅したベストアルバム的な内容で、最新曲から始まり、リリース日の新しい曲から古い曲へと進んでいく、claquepotの歴史を遡るような作品だ。このアルバムを携えたツアー『claquepot live tour 2023 -the test-』は、アルバムの最後に収録されている「home sweet home」から始まり、16曲目に最新曲「blue print feat. Novel Core」を披露するという、過去から現在、そして未来へとつながるセットリストで展開された。曲順ひとつにもギミックを凝らすのがclaquepotらしい。

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　そんなこだわりの詰まった『claquepot live tour 2023 -the test-』の横浜公演が行われた1月24日。大寒波が全国を襲った。しかし、KT Zepp YOKOHAMAは熱く、そして温かい空気に包まれていた。

　開演時刻ちょうどに場内が暗転すると、アルバムの1曲目「blue print feat. Novel Core」のイントロと同時に、バンドメンバーのShu（Gt）、山本連（Ba）、舩本泰斗（Key）、神田リョウ（Dr）がステージへ。最後にclaquepotが登場すると、「横浜の皆さん、調子どうですか？」とフロアの様子を確かめる。その次にバンドメンバー一人ずつにも調子を尋ね、さらには照明スタッフにも。歌う前からずいぶんアットホームな雰囲気だなと思って聞いていると、直後にその理由が明らかになる。「改めて言いましょう。ここが俺の……“home sweet home”」と声を上げ、「home sweet home」でライブをスタートさせたのだ。軽やかなリズムに乗せフロアからは自然と温かなクラップが発生し、claquepotは明るい歌声を聴かせる。気の置けないスタッフとバンドメンバーと、信頼し合ったファンに囲まれて作り出すライブ。まさにここは“home sweet home”だ。

　穏やかなムードが広がる中、claquepotは「2曲目からブチ上げていこうかなと思うんですけど」と言うと「choreo」「pointless」とアップテンポなナンバーを連投。豊潤なバンドアレンジも心地よく、claquepot自身がさすがのリズム感で体を揺らせば、観客もclaquepotと同じ手振りをしたり、リズムに身を委ねたりと全身で音楽を受け止める。「ahead」ではアウトロで〈進め〉のフレーズを合唱したり、バンドメンバーのソロパートを設けるなど、ファンやバンドメンバーとともに空間を作り上げていく。さらにclaquepotは歌うだけでは飽き足らず、サンプリングパッドを叩く場面もあり、彼自身が誰よりもこの空間を楽しんでいる様子が端々から伝わってくる。

　ステージ上はいたってシンプルな構造。claquepotの横に1台のサイネージが置かれ、曲が変わるたびにclaquepotが画面をスワイプすると演奏曲のジャケットが表示される。ライブならではの一体感や迫力を味わいながら、同時に一人で聴いているときの感覚も思い出させてくれる。その楽曲に紐づいた思い出や匂いまで想起させそうな演出だ。