香取慎吾、音楽活動の勢いも止まらない 新人アーティストのような柔軟性と新鮮さ

 ソロアーティスト・香取慎吾の勢いが止まらない。それを象徴しているのが、草彅剛主演ドラマ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)の主題歌となった新曲「BETTING」だ。本作は、人気グループ・SEVENTEENとのコラボ曲である。その豪華なタッグにも驚きの声が上がったが、1月17日より配信リリースされるとオリコンデイリーデジタルシングル(単曲)ランキング (1月17日付)などをはじめとした各配信チャートで1位を獲得し、10冠を達成したというニュースで話題を集めた。

 香取は、1月21日、22日に東京・有明アリーナにてソロとして初のアリーナライブ『Black Rabbit』を開催し「BETTING」をアンコールで初披露。黒いロング丈のスーツにゴールドの刺繍やボタンが輝く豪華な衣装で歌い上げると、その硬派な世界観で観客を魅了。リズミカルでありながら、重厚感のある歌声が心地よく響いた。

香取慎吾の人生初めての日に密着!【有明SNG】

 振り返ってみれば、2020年1月にリリースしたソロ初アルバム『20200101(ニワニワワイワイ)』も、2022年4月にリリースした2ndアルバム『東京SNG』も、香取は多くのアーティストとコラボレーションを果たしてきた。そのラインナップはベテランから若き才能まで、驚くほど幅広い。それも香取自ら「コラボしたい」と願って実現したというから、そのアンテナの広さには感服だ。

 また、香取のYouTubeチャンネルでは、フィーチャリングアーティストとのコメンタリー動画もアップされてきた。そこから感じられるのは、香取が自分自身をプロデューサーとして見つめつつ、各アーティストが“香取慎吾の楽曲でチャレンジしたいこと”を、大いに受け入れる姿勢だ。むしろ、塗り替えられる新しい“香取慎吾”を一緒に楽しんでいるかのようなのだ。

 例えば「Anonymous」「Catharsis」とコラボが続いているWONKと「Metropolis」について語った動画では、イントロ部分がレコーディングのときと完成時で大きく変わっていることが明かされる。「レコーディングしたときには、これはついてなかったよね。で、レコーディングが終わって“もう時間ギリです”って言って、このイントロになってきて。もう……面白かったですよ(笑)」と笑う香取。同曲が収められた『20200101』は他のフィーチャリングアーティストたちも締め切り直前まで変更したり元に戻したりを繰り返し、磨き上げてアルバムが作られたのだそうだが、なかでもWONKはその頻度が特に高かったようだ。

 「最後の最後で“また全然違う(笑)、何これ!”と思って!」と驚いたものの「もう面白くなってきて。“やりたいんだ、大好きなんだ”っていうのを強く感じて、“もう、OK!”みたいな」と全部をWONKに委ねたのだと言う。そんな香取の言葉にWONKも「熱意が伝わった」と照れくさそうに笑っていたのが印象的だった。

香取慎吾×WONK 【ニワワイコメンタリー】Metropolis (feat.WONK)

 アイドルとして芸能界の第一線を走り続けてきた香取。SEVENTEENもインタビューで「偉大な先輩」と言っていたように、そんなキャリアを誇る香取とコラボすることはある種の緊張感があるはずだ。だが、コラボ後のアーティストたちはみんな香取の気さくさに、そしてチャレンジを受け止めてくれる器の大きさに、のびのびと才能を発揮することができているように見える。

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