SixTONES、アルバム『声』が2023年第1週チャート首位に リリースを重ねてはっきりした音楽的な“らしさ”

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2023-01-16/

 2023年1月16日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはSixTONESのニューアルバム『声』で、推定売上枚数は517,203枚だった。年末年始を挟んだ2023年第1週のチャートということで、トップ10圏内には初登場は『声』だけ。たとえば2位は先ごろ最終回を迎えた人気アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』で主人公らが結成する劇中バンド、結束バンドのセルフタイトル作だった。発売2週目で19,790枚を売り上げている。

 例年、年始のタイミングでは、大晦日の『NHK紅白歌合戦』の影響が感じられることが多い。発売からしばらく経った作品が再度売上を伸ばすタイミングにもなったりするのだ。トップ10のなかで『紅白』出場者を列挙すると、SixTONES、松任谷由実、桑田佳祐、Snow Manの4組。SixTONESは発売初週だし、松任谷由実のベストアルバムは堅調に売上を伸ばしてきたロングセラー。という具合にこれまでの順位の推移をチェックする限り、桑田佳祐とSnow Manはこのタイミングで再浮上したと言えるかもしれない。昨年の年始は一昨年の『紅白』に初出場だった藤井風が、勢いそのままに存在感を放っていたが、今年はそこまで劇的な例はなさそうだ。

 さて、今回取り上げるのは首位のSixTONES『声』。1stアルバム『1ST』、続く『CITY』と1年ごとにリリースを重ね、SixTONESのアルバムは年始の風物詩になりつつある。前作『CITY』はバラエティに富んだ粒ぞろいの楽曲だけではなく、そうした楽曲たちをどううまくひとつのコンセプトと一緒に聴かせるかという点でも工夫があった作品だった(一日の時間帯にわけてキャラクターの違う楽曲を配置し、インタールードを設ける構成がとてもよかった)。今作『声』は冒頭の「Overture -VOICE-」で、「声」にフォーカスするコンセプトをメッセージの面でもサウンドの面でも力強く提示する。アルバムを通じて、ほかにこれといって「声」を強調するギミックがあるわけではないものの、自ずと6人の「声」に意識が向く。

 エネルギッシュな「Boom-Pow-Wow!」や、キャッチーなメロディとスムースな歌声が心地よい「Good Luck!」のインパクトもあって、全体的に明るく華やかな第一印象だったが、聴き通してみるとそれは早合点。陰りのある性急な16ビートを聴かせる「共鳴」や、ファンキーなR&Bテイストの「人人人」、レイドバックしたビートに少しルーズなボーカルが噛み合う「Chillin' with you」、タイトルどおりのアグレッシブさで圧倒する「Outrageous」等々、豊かな曲調のそこかしこに、これまでの楽曲と地続きのSixTONESらしさが感じられる作品だ。というか、リリースを重ねて3枚目のアルバムで、音楽的な「らしさ」の輪郭がよりはっきりしてきた、というべきか。

SixTONES – Boom-Pow-Wow! [YouTube ver.]
SixTONES – Good Luck! [YouTube ver.]
SixTONES – 共鳴 [YouTube ver.]

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