MAISONdes、『うる星やつら』EDテーマがバイラル好調 トリッキーな楽曲を乗りこなす、聴きどころ満載な花譜のボーカル

 Spotifyの「Daily Viral Songs (Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの2023年1月4日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:比叡山延暦寺梵鐘「除夜の鐘」
2位:宮城喜代子、二世青木鈴慕「春の海」
3位:結束バンド「ギターと孤独と蒼い惑星」
4位:10-FEET「第ゼロ感」
5位:結束バンド「青春コンプレックス」
6位:結束バンド「カラカラ」
7位:結束バンド「あのバンド」
8位:結束バンド「なにが悪い」
9位:MAISONdes「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」
10位:SZA「Kill Bill」

 今週は、9位にランクインしているMAISONdes「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」を取り上げる。本曲は2022年10月からスタートしたテレビアニメ『うる星やつら』(フジテレビ系)の第1クールのエンディングテーマに起用されている。同曲は21位でデイリーバイラルチャートに初登場して以降、1月4日の時点で52日間同チャートにランクインし続けるロングヒットを記録中だ。

 現在、アニメ『うる星やつら』で2クールに渡り、オープニングテーマとエンディングテーマを担当しているMAISONdesは、アーティストやクリエイターが集まる架空のアパートをコンセプトにした音楽プロジェクト。2021年に〈そういやさ そういやさ〉という祭囃子を思わせる印象的なフレーズを歌った「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」を大ヒットさせた。

 『うる星やつら』は、漫画家・高橋留美子の初の週間連載作品(1978年~1987年)で、『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』などに並び、彼女の代表作品のひとつである。1981年に初めてテレビアニメ化されてからは、同作品のアイコンである“鬼っ娘”美少女ラムの「〇〇だっちゃ」という台詞や、“鬼族の子”テンちゃんの愛らしさも相まって、10代や20代だけでなく小学生まで巻き込む大ブームとなった。

 「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」のバイラルチャートアクションは、前述した初登場以降、20位台~10位台を行ったり来たりする形だったが、ここにきてトップ10内に入ってきた。これは、ちょうどアニメで第1クールから第2クールへと移行する年末年始、第1クール終盤に人気キャラクターのテンちゃんが登場するなど、重要人物がある程度出揃って2クール目への期待値が上がったことで、エンディングテーマへの注目度もより高まったからなのではないかと思う。さらには、TikTokで「#トウキョウシャンディランデヴたい」というハッシュタグのつく“歌ってみた/踊ってみた動画”がヒットしており、同曲のフックである〈冗談じゃあないわ〉というフレーズが動画投稿者に強烈なインパクトを与えているようで、アカペラで歌う動画も多いのが興味深い。

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