目の前で“人の心が溶けている”のが見えた思い出のライブ

ーーさて、この記事が出る頃には全国5大都市を巡るワンマンツアー『TOMOO 1st LIVE TOUR 2022-2023 "BEAT"』もスタートしています。ワンマン『YOU YOU』『Estuary』を経た今、TOMOOさんはライブについてどんな意識を持っていますか？

TOMOO：以前のような「発表会マインド」ではなくなってきたなというのを実感しています。長らくそんな感じだったんですよね、自分が準備してきたものを転ばずにやれるかどうか？　とか、それをどう審査されるのだろうか？　みたいな気後れがずっとあって。そういう状態の時に「ライブ、楽しかったですか？」と聞かれても、減点方式で振り返っている自分がいるんですよ。「楽しいとかじゃないんです！」って。

ーーはははは。

TOMOO：「今日もやってしまった……」「また（心を）解放できなかった」みたいにずっと思っていて。私が歌ったり音楽を奏でたりするようになったスタートがお客さんすらいない自分の部屋での配信から始まったので、いつまで経っても……例えお客さんが目の前にいたとしても、自分の頭の中から抜け出せなかったのかもしれない。でも今年に入って『YOU YOU』や『Estuary』では、そうじゃなくなってきたんです。

ーーようやく素直に楽しめるようになってきたと。

TOMOO：初めての土地でワンマンライブをするなんて、もう少し前だったら「いやいやいや、そんなジャッジされる時間が何度もあるのは辛い！」と思ったかもしれないですけど（笑）、『Estuary』が終わったときはシンプルに楽しかったんですよね。「暑かったなあ」「幸せだったなあ」みたいな、シンプルな言葉や感想だけが残る感じ。なので、今回のツアーはオープンな気持ちで迎えられる予感がしていますね。全部完璧に用意して、全部頭の中で完成していることをそのまま披露する、というのを成功させることが全てではないというマインドに、ようやくなれそうです。

　やっぱりどんなにお客さんが優しくて、どんなにお客さんが私の音楽を喜んでくれていても、私が心を閉じていたら、ただ寒いままの実感で終わってしまう。私の中に、お客さんがどうだったかとか、じんわりとした心の温かさとかが残らないわけで。でも『Estuary』ではそれが残ったので、そこを軸にライブをしていけるような予感がしている……感じであります！

ーー（笑）。ちなみに、これまでのライブで特に印象に残っているものを挙げるとすると、どれになりそうですか？

TOMOO：10年近くやってきて、心から「良いライブができた」と思えたのって17歳の時のライブなんですよ。当時の校則ではライブハウスに出演することも禁止されていたんですけど。もう時効ですよね（笑）。ちょうど最初のコンテストに出演し終わったばかりで、割と大きな大会だったんですけど思うような結果を出せなかったというか、周囲の期待に応えることができなくて。でも、気持ち的にはものすごく解放されていたんですよね。

ーーずっと「縛られている」という感覚を持っていたTOMOOさんにとっては珍しく。

TOMOO：はい。それこそ自分の中では「人生で一番」というくらい。そのコンテストで競い合っていた、「怖いな」と思っていた他のアーティストとも仲良くなり、彼らと共演する形で「楽しむためのライブ」に弾き語りで出たんです。そのときがなぜかフロアライブで、お客さんと全く同じ目線で演奏したんですよね。そこには地べたに座って見ている人もいれば、立って見ている人もいて。私の隣にも後ろにもお客さんがいるという状態だったのですが、演奏中にあらゆることを思い出して、その場にいる人たち全てへの感謝と親しみと愛情しかなくなったんです。

　別に泣かせようなんて思っていなかったし、ただ素直に歌っただけなんですけど、自分の「心」にブレーキをかけるものや、隔たりみたいなものが一切なくなり、全てを歌に乗せてお客さんの心に直に届けられている感触があったんです。「あ、目の前で人の心が溶けているのが見える！」って。実際、目の前の人がボロボロ泣いているのを目の当たりにしたし、確かにお互いに泣いてしまってもおかしくない感覚だったなあ、って時々思い出すんです。絶対的な信頼感というか、全く「恐れ」がない状態というか。『Estuary』のときは、あの感覚にまた近づけたような気がしているんです。

ーーツアー最終日の1月15日には、 NHKホールでのワンマンライブ公演の情報解禁がされるそうですね。

TOMOO：私、初めて観たライブがNHKホールのアンジェラ・アキさんだったんですよ。ライブの告知を父がたまたまラジオで聞いてメモしておいてくれて、「まだ買えるみたいだよ。行っておいで」と背中を押してくれたのがきっかけだったんです。まだ中学生だったのですが、その時のことを今もはっきり覚えていますね。アンジェラ・アキさんはほぼ弾き語りのステージだったんですけど、自分はどうなるだろう……全編弾き語りにはならないと思いますが、とにかく常に頭の片隅で意識していた特別な場所でライブができるのをとても嬉しく思っています。しかもその日、誕生日なんですよ！　って、どうでもいい情報でしたね（笑）。

インタビュー写真をすべて見る

■リリース情報
Major 3rd Digital Single 「Cinderella」
2023年1月13日（金）リリース
配信サイト：https://tomoo.lnk.to/Cinderella

■ライブ情報
『TOMOO LIVE TOUR 2023 "Walk on the Keys"』
2023年6月3日（土）NHK大阪ホール
2023年6月28日（水）東京・NHKホール

▼チケット料金
指定席 6,500円（税込）

▼チケット販売
オフィシャル最速先行
1月15日（日）20:00 〜 1月22日（日）23:59
受付：https://l-tike.com/st1/tomoo

■関連リンク
HP：https://www.tomoo.jp/
Twitter：https://twitter.com/Tomoo_628
Instagram：https://www.instagram.com/tomoo_ssw/
YouTube：https://youtube.com/@tomoo_628

TOMOO サイン入りポスタープレゼント

TOMOOのサイン入りポスターを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitterか公式Instagramをフォロー＆本記事のツイート、または応募ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※色紙はランダムでの発送となります。指定はできません。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります（転売、オークション・フリマアプリ出品含む）。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。 

リアルサウンド 公式Twitter
リアルサウンド 公式Instagram

＜締切：2023年1月30日（月）＞

＜衣装クレジット＞
カーディガン ￥19,800／AMBERGLEAM、ハイネック ￥3,600／Unitage、パンツ ￥31,900／RUMCHE