ZILLION、「STEP」「冗談じゃないわ」で掴んだ成長 ライブパフォーマンスにおける変化も語る

ZILLIONが掴んだ成長

 <ソニーミュージック>主催のオーディション『ONE in a Billion』から誕生した、男女8人組のダンスボーカルグループ・ZILLION。2021年にプレデビューを果たして以降、楽曲のリリースやイベント・ライブへの出演を重ねて着実に成長を遂げてきた。そんなZILLIONが、プレデビュー第4弾となる両A面シングル『STEP/冗談じゃないわ』を11月30日にリリース。楽曲について、グループについて、たっぷり語ってもらった。(高橋梓) 

「STEP」は“スーパーポジティブ”な曲

RION写真
RION

――まずは「STEP」について聞かせてください。こちらはどんな楽曲に仕上がっていますか?

リオン:全体的にすごくポジティブな楽曲で、新しいZILLIONが見えていると思います。聴いていると前向きな気持ちになれる楽曲ですね。

――「新たなグループのスタートを宣言した曲」ということですが、皆さんはどんな気持ちでこの楽曲に向き合っていますか?

カシン:この曲を初めて聴いた時、スタッフさんから僕らへのメッセージかなと思うくらい歌詞の内容が響きました。ちょうど8人体制に変わって、「このメンバーで頑張っていくぞ!」と決めた時だったので、前向きな曲で元気をもらえました。このポジティブさを聴く方にも伝えられたらいいなと思っています。

モカ:私も自分の心にすごく刺さりました。歌詞一つひとつが「今のZILLIONだな」、「自分の思いだな」って。出だしの歌詞なんかもそうですよね。〈どーやってもうまくいかない〉こともあるけど、一歩一歩頑張ろうっていう宣言をする曲。全部が全部思うように進まないことがあっても、ポジティブな方向に向かっている今のZILLIONにぴったりだと思います。

ZILLION / STEP (Official MV)

――ZILLIONの今が反映されているからこそ、歌にも気持ちがこもっていそうです。

ルナ:聴いている人が前向きになれるような声色は意識しました。どうしたら元気になってもらえるかなって考えながらレコーディングしたり。いろんな声色で歌ってみて、ディレクターさんと一緒に「どれが曲に合うかな」、「こういう方向性でいってみようか」と考えていくのがすごく楽しかったです。それと、ケイジがラップしているパートで全員で〈Gully boy〉と歌う箇所があるんですけど、そこでもそれぞれいろんな歌い方を試していました。他のメンバーがレコーディングしたものも聴かせてもらったんですけど、「みんな違ってみんないい」って感じで(笑)。面白かったです。

LUNA写真
ルナ

――ルナさん的に一番刺さったのは誰の〈Gully boy〉でしたか?

ルナ:えー、自分(笑)! 最初は恥ずかしかったんですけど、恥ずかしさを捨てて思うがままにやってみたら案外うまくできました。

タイラ:あとはみんなで円になって歩きながら歌って練習したのも面白かったよね。自分たちでテンションを上げる方法を見つけながら、楽しく練習しています。

カオラ:私、めちゃくちゃ自分の気持ちが反映できた箇所があるんですよ。歌い出しの〈どーやってもうまくいかない〉なんですけど。自分自身、「何やってるんだろう……」っていう、うまくいかない状況になることがすごく多くて……。例えば、電車の時間を間違えたり、物をなくしたり、余裕を持って行動してたはずがいつの間にかギリギリになってたり。だからこそ感情を込めて歌うことができました(笑)。それと、〈でも少しは夢見たい〉の部分も。うまくいかないこともある私だけど大きな夢を掴むために進もうって決心しているので、感情を込めやすかったです。

ワタル:僕はサビの〈未完成なリズムで今を奏でよう〉っていうところが好き。

カシン:俺も同じ!

ワタル・カシン:イエーイ(ハイタッチ)!

ワタル:完成はまだしていないけど、今のありのままの自分でいいというか。

カシン:大肯定された気分だよね。

ワタル:そうそう、自信が持てるんですよ。もちろん不安な部分もあるけど、今のままの自分を出そうと思って自信を持って歌っています。レコーディングでは、頭は動かさずに首から下だけノリノリに踊りながらRECしました(笑)。

WATARU写真
ワタル

ケイジ:やってたね(笑)。僕は〈everybody, What's going on?〉から始まるラップを担当させてもらっています。そこはガラッと雰囲気が変わるパートなので、気合いが入りますね。

カシン:ケイジってさ、サビのポジティブな感じを自分の言葉で言う時は恥ずかしがるけど、ラップだと自分を表現できるよね。そういう意味でも、思い入れが強そう!

ケイジ:あぁ〜、あるかも(笑)。

カシン:恥ずかしがり屋さん!

リオン:2サビの〈それでいいよ〉は、私1人で歌っているんですけど、そこは気持ちを込めました。それまでは〈それでいいよ(↑)〉って音が上がるんですけど、ここだけは語りかけるように音が下がっていて。自分に対しても、みんなに対しても「それでいいんだよ」って話しかけるような気持ちで歌っています。

ワタル:本当に全肯定の曲だよね。スーパーポジティブな曲!

MOKA写真
モカ

――レコーディングの時に印象に残っていることもたくさんありそうですね。

リオン:さっきワタルが言っていたように、最後のコーラス部分は、首から下だけみんなでノリノリに踊りながら録って楽しかったです。

カオラ:私も! 最初は緊張していてそのまま歌っていたんですよ。で、リズムに乗ってやってみてって言われて、踊りながら歌ってみたら「そっちの方がいいじゃん」ってなって。

――リズムを取りながらレコーディングするのがポイントなんですね。

カシン:「STEP」のリズム自体が、今までの曲よりも難しくて。まず自分たちの体で表現できないと歌には反映されないリズムだったんです。みんなリズムを意識しながら常に練習していたから、レコーディングでも踊るメンバーが多かったんじゃないかな。

ケイジ:それこそ円になって歩いてリズムを取ったり。

カシン:16ビートをキープしつつダンスをして、それを歌にも残しました。僕は幼い頃からロックダンスをやっていて、70〜80年代のファンクとか、ブラックミュージックをよく聴いていたんです。「STEP」はまさにそういったリズムが強いのでその部分は大丈夫だったんですけど、ニューミュージックの要素も入っていて。あまり触れてこなかったからこそ、ニューミュージック感を歌に反映するのが難しかったですね。

タイラ:私は最近レコードにハマってるんですよ。スタッフさんにモータウンは聴いてみるべきだよって教えてもらって、マーヴィン・ゲイなんかを聴き始めていたんです。そんな時に自分たちの楽曲でもモータウンサウンドに触れることができて、吸収したノリを出せたのが嬉しかったですね。リスペクトも込めて、ZILLIONなりのモータウンサウンドが届くといいなと思っています。

タイラ写真
タイラ

――タイラさんの一押しはありますか?

タイラ:The Jackson 5の「I'll be there」。何回聴いても泣けます。いわゆるモータウンとはちょっと違うノリではあるんですけど、私自身のルーツにも通ずる部分があるので「I'll be there」のようなノリも受け継いで活かしていけたらいいなと思っています。

リオン:私は逆にこういった曲調に触れるのが初めてだったので、表現がすごく難しかったです。でもオシャレだし、歌っても踊っても楽しいし、もっともっと触れたいと思いました。

――さらに、ダンスにも見どころが詰まっていますよね。

ワタル:マネしたくなるようなキャッチーな振りが大胆に取り入れられています。

カオラ:サビの〈1,2,3,4,5〉の部分は数字を手で表しているんですけど、それが一つひとつかわいいポーズになっているんです。そこが楽しいので、ぜひマネしていただけたら! 〈それでいいよ〉の部分ではグッドポーズもあるし、ポップでかわいい振りです。

――皆さんにとって難易度はいかがでしたか?

リオン:振り自体がとても難しいわけではないんですけど、それよりも全員で合わせるのが難しくて。ずっと16ビートを刻みながらリズムキープしなきゃいけなかったので……。

ワタル:なかなかみんなのニュアンスが揃わなかったりね。

カオラ:シンプルだからこそ大変でしたね。

モカ:でも、こういったノリだからこそ、踊り始めるだけですごく楽しい。目があってニコニコするとか、私たちが持っているポジティブさが全面に出せるのかなって。

カシン:練習中ずっと楽しかったよね。

ケイジ写真
ケイジ

ワタル:レトロな感じにZILLIONらしさが混ざることで、ニュー・レトロな世界観を表現できたと思います。

リオン:みんな普段からうるさいくらいに賑やかなんですよ(笑)。この楽曲はそういうZILLIONらしい賑やかさが加わることで、より良い形で表現できているのかなって。

ワタル:そうそう。振りをぴったり合わせてはいるんですけど、ラップパートは特に振りが決まっていないんです。自由に手の振りをやってみたり、お互い見合ってハイタッチしたり、めっちゃかっこよくしている人もいれば、ちょっとふざけてる人もいて。そういうのもZILLIONらしいよね。個性がわかると思います。

ケイジ:僕は歌もダンスも好きですけど、今まで自分がやってきたことを一番色濃く出せるのがラップ。感情豊かにできるパートなので、ちょっとした振りにも自分らしさがでているかもしれないです。

ワタル:ラップをしていないメンバーが、ラップしている人を引き立てるような構成になっているしね。

カシン:そう考えると、「STEP」のラップはキリングパートになっているのかもしれません。

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