日向坂46、『Happy Smile Tour』で迎えた変革のタイミング 四期生のライブ初参加、挑戦的な演出でも広がる可能性
以降はユニット曲や期別曲を交えながら、グループの持つ多様性やさまざまなカラーを展開していく。影山優佳、金村美玖、富田、上村による「その他大勢タイプ」、佐々木美玲、東村芽依、河田陽菜、松田好花による「10秒天使」で音楽的な広がりを見せたかと思えば、三期生による「ゴーフルと君」で弾けたパフォーマンスを提示し、デビューシングル曲「キュン」を挟んで一期生「真夜中の懺悔大会」、二期生「恋した魚は空を飛ぶ」でそれぞれ圧倒的なパフォーマンスで観る者を魅了する。さらに、「アディショナルタイム」で一糸乱れぬダンスを披露したかと思えば、続く「ってか」ではアリーナを囲む回廊に散ったメンバーが目の前で迫力あるダンスを繰り出し、一瞬たりとも目が離せない。
そして、クライマックスとして披露されるのが最新シングル曲「月と星が踊るMidnight」。ライブ冒頭の演出で青白い月が砕かれ、ダークな世界へと飛び込んだ日向坂46が徐々に“Happy Smile”を取り戻し、この曲で煌びやかな星空に浮かんだ新たな“月”を浮かべる……そんなストーリーが想像に難しくないこのライブを最高潮に導くに相応しい「月と星が踊るMidnight」では、センターの齊藤京子を筆頭に力強い歌と息の合ったダンスで唯一無二の世界を構築。その幸せに満ち溢れた空気を引き継ぐように披露された「知らないうちに愛されていた」で、会場の一体感をピークにまで高めてライブ本編を終えた。
アンコールは、佐々木美玲をセンターに据えた「アザトカワイイ」から元気いっぱいにスタート。会場内が再びハッピーオーラに包み込まれると、続くMCでは齊藤がツアー初日でセンター曲「月と星が踊るMidnight」を初披露したことに触れつつ「このツアーは私にとってすごく大切な思い出になりました。これからもいろんな歌番組で歌えるように頑張りたいと思います」とポジティブなコメントを寄せる。続けて佐々木美玲が「(ツアー中)メンバーが欠けたりしたこともあったんですけど、こうやって千秋楽は誰ひとり欠けることなく、そして四期生も加わり、大きなグループになってすごくうれしい気持ちでいっぱいです」と感慨深げに話すと、佐々木久美は「私は皆さんが作ってくれる、“あれ”が大好きなんですよね」と次に披露する楽曲について触れる。すると、客席のペンライトが瞬時に虹色に染まり、「今回は私たちも一緒に、皆さんの“虹”に参加させてください」と「JOYFUL LOVE」を会場がひとつになって作り上げていった。曲中、虹色のペンライトがウェーブを作る場面もあり、さらに会場の一体感が増していく。そして、グループを象徴するような1曲「日向坂」で約2カ月にわたり続いた全国ツアーを完走した。
ライブの見せ方で新たな試みを用いるという挑戦的な演出と、四期生加入による可能性の提示など、グループが変革のタイミングを迎えたことを感じさせた今回の『Happy Smile Tour 2022』。観る者をハッピーで笑顔にさせるという軸はそのままに、この先どんな進化を遂げるのか。年末に控えた恒例のクリスマスライブ『ひなくり2022』でその片鱗を感じることができるかもしれない。
■セットリスト
日向坂46『Happy Smile Tour 2022』
2022年11月13日(日)国立代々木競技場第一体育館
00. Overture
01. My fans
02. NO WAR in the future 2020
03. キツネ
04. 耳に落ちる涙
05. 君のため何ができるだろう
06. 僕なんか
07. 飛行機雲ができる理由
08. 君しか勝たん
09. ブルーベリー&ラズベリー
10. その他大勢タイプ
11. 10秒天使
12. ゴーフルと君
13. キュン
14. 真夜中の懺悔大会
15. 恋した魚は空を飛ぶ
16. アディショナルタイム
17. ってか
18. 月と星が踊るMidnight
19. 知らないうちに愛されていた
<アンコール>
20. アザトカワイイ
21. JOYFUL LOVE
22. 日向坂
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