花譜、すとぷりが冠番組で地上波に進出 テレビ業界がインターネット活動者に向ける視線の変化
2019年1月18日にスタートして以降、VTuberやバーチャルタレントをこれまで長きにわたってフックアップしてきた『超人女子戦士 ガリベンガーV』(テレビ朝日系)も、2022年10月15日からはこれまでの深夜放送から土曜の夕方帯に移動、『謎解き戦士!ガリベンガーV』へと番組名を変え、全国放送へとステップアップを果たした。
バイきんぐの小峠英二による切れ味あるツッコミと電脳少女シロによるフワフワした会話が魅力となっている教養バラエティ番組。ゲストもホロライブ・にじさんじ・774 inc.といった事務所所属のVTuber/バーチャルタレントからVSingerに至るまでシーン全域からフックアップしてきたこともあり、VTuberファンからの信頼もひと際に厚い番組だ。引き続き、新たなファンを生み出すきっかけにもなりそうだ。
音楽系番組としては、バンダイナムコミュージックライブによる『アニメノウタ』(TOKYO MXほか)が10月7日から新たに放送を開始している。金曜25時からの5分番組であり、MCはミライアカリが務めている。
3DCGを駆使した特製のバーチャルステージから毎週アーティストがパフォーマンスを披露するという番組内容で、初回ゲストの影山ヒロノブを皮切りに、栗林みな実、Nowlu、熊田茜音と、<ランティス>に所属するシンガーが中心に出演している。
<ランティス>はMCを務めるミライアカリだけでなく、にじさんじの樋口楓、叶らも所属し、<ユニバーサル ミュージック>とともにVTuberのアーティスト活動の基盤となっているレーベルでもある。彼らが番組枠を用意するというあたりに、「VTuberに対する前向きな姿勢・好評価」がうかがい知れる。
インプレス研究所が発表している「動画配信ビジネス調査報告書2022」によれば、2020年と比較してテレビ視聴者が減退傾向にあり、逆に有料/無料の動画配信サービスならびに動画共有サービスを視聴する人は増加しているという。
その中心にいるのは、10代から20代の若者である。彼らをすこしでもテレビ番組へと振り向かせるための施策として、VTuberを中心に据えた新番組の制作に乗り出しているというわけだ。
VTuber/バーチャルタレントといったインターネット中心の活動者からみれば、ネット以外の活動できるフィールドやファン層を獲得できる新たなチャンスである。もしもこの新番組に強い支持があつまり、良い結果が出せるようになれば、VTuber/バーチャルタレントらにより大きな新展開が望めるかもしれない。
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