花譜、MIYAVIと体現する「Beyond META」 日本武道館ライブ、冠ラジオ、アニメタイアップ……高校卒業後に見せる快進撃

花譜、MIYAVIと体現する「Beyond META」

 今年3月に高校を卒業し、高校卒業記念ライブ『僕らためいきひとつで大人になれるんだ。』を経て、物理的な上京を果たしたバーチャルシンガー・花譜。花譜自身のライフステージの変化により、今年度からその活動も一気に拡張されることとなった。冠ラジオ開始、日本武道館ライブ開催決定、アニメタイアップと、絶え間なく新しいニュースを届け続けている花譜の近況についてまとめた。

 まずは、花譜がリアルのアーティスト&コンポーザーと組んで楽曲を制作するコラボレーション企画『組曲』。これまで大森靖子やくじらからの楽曲提供や、声優・佐倉綾音とのデュエットなど、幅広いジャンルのアーティストとのコラボを果たしてきた。その第8弾となるのが、MIYAVIとのコラボ曲「Beyond META」。エレクトリックギターを指で弾く独自のスラップ奏法で注目を集め、国内外での様々なコラボや俳優活動、8度のワールドツアーを開催するなど、「サムライギタリスト」として世界規模で活躍するアーティストであるMIYAVI。

【組曲】花譜×MIYAVI #99「Beyond META」【オリジナルMV】

 そんなMIYAVIが花譜に提供したのは、やはりギターの存在感が圧巻のディスコファンク。曲の印象について、花譜が「ミラーボールが天井の方でぐるぐるしてて、お互いの顔が紫とか黄色とか、色んな色にぼやけたまま一緒に踊ってるような怪しげで美しくて光がはじけているシーンを想像しました!!」(※1)とコメントしているように、強い光が絶えず明滅するようなエッジの効いた楽曲になっている。繊細さや透明感のある歌声のイメージの強い花譜だが、この曲ではアグレッシブな歌唱を披露。特に、元々特徴的な声色が放つ超高音のしゃくりが、耳に残るアクセントになって楽曲を印象づけている。

 また、MIYAVI自身も3Dアバターとなり、花譜と「共演」しているMVも見どころ。これまでの『組曲』の中でも、実体の佐倉綾音や たなか などと共演することはあったが、コラボアーティスト側がアバターになってバーチャルの世界に入るのはこれが初めて。花譜の楽曲への印象そのままに、光と陰影で彩られた世界の中、花譜とMIYAVIが相対しながら曲を奏でている様子はまさに「Beyond META」な光景だ。

 楽曲タイトルも象徴的だ。直訳するなら「メタを越えていく」という感じだろうか。それは、花譜自身の中でも大きなテーマになってきたものだ。バーチャルシンガーで実体を持たない花譜は、それが現実において結局何者なのか? どれほどの実際的な力を持つのか? を常に自らに問い、問われ続けている存在。これまでの楽曲の中でも、例えば「魔女」の〈仮想世界で舞っている/証明を待ってる〉、「モンタージュ」の〈本当の正体を曝け出したいよ/暴れちゃいたいよ/どっちが私かわからないんだ〉など、端々にそれを滲ませてきた。「Beyond META」の中でも、〈画面を越えて次のステップへ〉という象徴的な歌詞がある。バーチャルの住人である花譜が、いよいよ現実世界へ影響力を増していることを感じさせる1曲だ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる