矢吹奈子、指原莉乃のスカウトからHKT48の大黒柱に至るまで IZ*ONEでの経験を経た卒業の決断
矢吹も同書内で、2018年にテレビ番組『ワイドナショー』へ出演したときのことを振り返り、「それまでは、バラエティに出る前に必ず、さしこちゃんに『どういうことを言ったらいいかな?』と聞いて頼っていたので、このままではダメだなって。だからHKT48のメンバーの誰にも『今日、収録あるよ』と言いませんでした」と明かしている。彼女自身、いつまでも指原の背中ばかり追いかけていては次のステージへ進めないと自覚していたのだろう。「指原チルドレン」のままではいけないとーー。
矢吹の良さは、そうやって現実と向き合った上で、自分を追い込んで実力を高めていくところだろう。同書では15歳の頃「いつもなこみくでいると、2人ともまだ幼いから、どうしても子どもっぽさが目立って見えちゃうなって。だから早く大人になりたいと思っていた時期でした」と現実を冷静かつ鋭くとらえていたと言い、さらに自身の性格に関しては「厳しくされたほうが成長できるタイプだと思っています。韓国でも弱音を吐かなかったし、泣きもしなかったので、みんなから『強い』と言われました」と語っている。
現在の自分には何が足りていないのか。どういう行動が必要なのか。客観的な視点もまじえながら、矢吹は「矢吹奈子」というアイドルを育て上げてきたのだ。
新しい「矢吹奈子」への期待
矢吹は、活動初期からHKT48の中心的存在だった。そしてIZ*ONEの専任活動を終え、2021年5月にグループへ復帰して以降は大黒柱としてメンバーを引っ張った。2021年6月には宮脇咲良、12月には村重杏奈というグループのキーパーソンが抜けたことで、その責任感は増したはず。さらに前述したように、昨今はメンバーの卒業が相次いでいるだけに、今回の卒業発表は迷いに迷った決断だったと思われる。
卒業発表時「長い道のりになるかもしれないけど、女優として名を残せるように努力していきたい」と今後について語っていた。たしかにHKT48復帰後、ドラマ『顔だけ先生』(2021年/フジテレビ)、『コンビニ★ヒーローズ〜あなたのSOSいただきました!!〜』(第1話出演/2022年/関西テレビ)、映画『向田理髪店』(2022年)など出演作が増えつつある。書籍『日経エンタテインメント! HKT48 10周年Special』(2022年/日経BP)のインタビューでも、「今は演技のお仕事がすごく楽しいので、まだまだ頑張っていきたいし、以前、ナレーションをさせていただいたこともあるので、声を使ったお仕事もできたらいいなって。やりたいこともたくさんあるんです」とこれからの目標を明確に口にしていた。向上心の高い矢吹だからこそ、そうやって夢がふくらんだことで、さらに前に進みたくなったのだろう。
卒業公演は、2023年春を予定している。ちょうどグループ活動10年目にあたるタイミングだ。その節目を機に、矢吹自身が新しい「矢吹奈子」を見たくなったのかもしれない。
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