BE:FIRST MANATO、グループのパフォーマンス底上げするマルチプレイヤー “音楽愛”を礎とした頼もしい存在感

 BE:FIRSTのMANATOと言えば、1stアルバム『BE:1』収録の「BF is...」や、BMSG所属アーティスト&トレーニー全員が参加した新曲「New Chapter」といった楽曲で歌い出しなどの重要なパートを任されることも多く、頼もしい存在感を放つメンバーだ。“双子”と称されるほど深い絆で結ばれるSOTAにも「“音楽との距離の近さ”でかっこよさを表すことができる才能を持っている」(※1)と評される彼が、これまでどのようにBE:FIRSTのパフォーマンスを押し上げてきたのか分析したい。

BMSG ALLSTARS / New Chapter

 まず注目したいのは、彼の音楽力とそれを形成した背景だ。歌とダンスの基礎力はオーディション時から目を引くものだったが、国内のダンススクールでのレッスン参加はもちろんのこと、小学校卒業後には歌とダンスと英語を学びにニューヨークへ留学した経験もあるという(※2)。早い時期から世界を視野に入れ、本場の音楽に触れた時間は、彼の音楽人生の豊かな土壌を築いたことだろう。グローバルな音楽的感性が生んだR&BやHIPHOPへの知見、さらにその後の転換期となったというSIRUPやiriといった日本のアーティスト達との出会いも、現在の彼のクリエイティブ活動に生きている。特にSOTAとレーベルメイトであるAile The Shotaとのユニット・Show Minor Savageの「No Cap Navy」には、R&BやUS音楽に傾倒してきた彼らの嗜好が濃く反映されている。最近では、メンバーの影響でK-POPもよく聴くと話しており、一層広がっていくMANATOの音楽観が、今後グループに何をもたらすのかが一つの鍵となりそうだ。

[THE FIRST 本編] #19-1 / 最終審査 (クリエイティブNEO)

 次に、「口から音源」とも言われる歌唱力の高さに着目したい。第一声で確実に決めてくる音感の良さや本番への強さ、そしてステージ終盤でも安定感のある歌声がグループのパフォーマンスの要となっているように思う。野外フェスなどの音響は、屋内に比べるとどうしてもコンディション面で厳しい部分もあるが、彼の歌声は歌う環境に左右されない。また、9月23日放送の『MUSIC BLOOD』(日本テレビ系)で「New Chapter」を披露した際にも、走りがちなパートでのリズムコントロール力や、〈お前の欲しがった未来の向こう側に〉という間延びしがちなパートにおける表現力も頭ひとつ抜けていると感じた。これはレイドバックの技術を基礎に置いたR&Bを好む中で培われたものではないかと考えられる。

 さらに、幅広い音楽に精通しているからこそ、ラップパートもお手の物。楽曲によってその時々でポジションを変えながら、全体的な精度を高められるマルチプレイヤーであると言えるだろう。しかしその裏には、多くの挫折や苦悩があったことも忘れてはならない。並大抵の努力ではここまで辿り着けなかったであろう歩みからも、音楽を愛し続けてきた彼の一面を再確認できる。

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