NEWSメンバー分析 第3回:小山慶一郎、相手に寄り添うコミュニケーション力 メンバーとファンを繋ぐ深い愛
8月17日に、12枚目のアルバム『音楽』をリリースしたNEWS。8月27日からは、『NEWS LIVE TOUR 2022 音楽』もスタートし、改めて3人が持つ個性がクローズアップされている。そんなNEWSの3人について、今の彼らの取り組みを中心に振り返りつつ、メンバー1人ひとりが持つ魅力に迫りたい。第3回は小山慶一郎。
小山と言えば、やはりキャスターを長年務めていたこともあり、トーク力に長けている印象が強い。2019年からレギュラー出演中の『バラいろダンディ』(TOKYO MX)では現在月曜コメンテーターを担当し、2021年からは『よんチャンTV』(毎日放送)でも月曜コメンテーターを務めている。いずれも生放送の情報バラエティ番組で、小山が培ってきた瞬発力のあるコメント能力が存分に生かされている。また、2021年から『内村のツボる動画』(テレビ東京系)でレギュラーMCを務めるなど、番組において進行全体を見ながらコメントを発していく能力の高さで、新たな仕事を獲得している。
最近の小山は、キャンプが趣味、という新たな一面を見せ始めている。6月2日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)でも、私物のキャンプ道具や実際のキャンプの様子などを披露。以前放送していた加藤シゲアキとの番組『NEWSな2人』(TBS系)の企画「コヤシゲ山を買う」でアウトドアへの興味を見せていた小山だが、その趣味は加速し、ここ数年で市民権を得たグランピングなどに代表されるおしゃれなキャンプにハマっている様子が見てとれる。その趣味を生かして、9月5日深夜に特別番組『NEWS小山のおしゃキャン!どう?』(フジテレビ※関東ローカル)が放送された。Kis-My-Ft2の二階堂高嗣をゲストに迎え、「こんなに頑張らないで、テレビに出ていいのかっていうくらい」とリラックスした素の表情を垣間見ることができた。
小山のトークにおける上手さは、彼の性格を反映しているとも言える。単独で何かを語ると言うよりは、相手がいる中で、その対話能力で上手さを発揮できるタイプである。小山のコミュニケーションの特徴として、相手の意見を聞いた上で、その発言を受けて言葉を発することができる点が挙げられる。インタビュー能力の高さと言ってもよい。相手が言いたいこと、思っていることに寄り添う点で、小山は非常に長けている。おそらく、テレビ番組に限らず、日常的にこうした相手とのコミュニケーションを楽しめる気持ちがあるのだろう。そして同時に、これまでの勉強や経験で培ってきた知識や情報をしっかりと持っているため、小山がコミュニケーションの輪に入ることで安心して見ることができる。小山の活動の幅が確実に広がってきたのは、こうした理由もあるだろう。
このような小山の特徴は、今のNEWSにおいても遺憾なく発揮されている。先日発売されたアルバム『音楽』初回盤B収録の「“NEWS”と“音楽” -Interview & Human Documentary-」では、小山がメンバーの増田貴久と加藤シゲアキそれぞれに1対1で行ったインタビューが収録されている。この企画の中で、増田と加藤それぞれの、作品に対する取り組み方や、音楽に対する考え方、そして3人になったNEWSに対する思いを、小山が存分に引き出している。インタビューの内容自体も見どころが多いが、小山のインタビュースキルも目を見張るものがある。緊張の解き方、話題の振り方、核心への迫り方、相手への共感、どれもが実に巧みで、そして自然だ。もちろん、20年近く活動を共にしてきた仲間ゆえの安心感はあるだろう。しかしその中で小山は、相手が身内に限りなく近いメンバーであっても、明確な目的意識を持ってインタビューを行っていることがわかる。こうしたプロフェッショナルな姿勢から察するに、このような対話能力が彼自身の最も重要なコアスキルである自覚があるのだろう。