風男塾、レジェンドメンバー 青明寺浦正&愛刃健水とコラボも デビュー15周年祝したベスト盤発売記念イベント
男装ユニットのパイオニアとして2007年から活動している風男塾が、今年9月24日にデビュー15周年に突入。9月21日、アイドルの聖地と名高い池袋サンシャインシティ噴水広場にて、ベストアルバム『風男塾 15th Anniversary Best』発売記念のスペシャルイベントを行った(ニコニコ生放送でも配信)。1部・2部を合わせて1500人もの観客が駆けつけた本イベントのうち、2部には15周年のPR大使に就任したレジェンドメンバー・青明寺浦正と愛刃健水も参戦。本稿では、時を越えたコラボレーションが実現した2部の模様をレポートする。
平日の夕方にも関わらず、ステージ前だけでなく、2階・3階まで大勢の風王(風男塾ファンの総称)に囲まれた“健水”広場(本人談)……いや、噴水広場。スタッフのアナウンスに煽られ、ますます興奮が高まる中、現メンバー7人(柚希関汰、英城凛空、葉崎アラン、天堂太陽、胡桃沢鼓太郎、凰紫丈源、赤星良宗)がステージに登場。初期の風王も見慣れているであろう制服姿で、刀を振りかざしながら披露した1曲目は、2007年に発表したデビュー曲「男坂」だった。長身で舞台映えする凛空・丈源による台詞パートを挟みつつ、勇ましい歌声を響かせる7人と、それに呼応するようにリズムを刻むペンライトの一体感が、たまたま通りがかった一般客さえも巻き込んでいく。のびのびと振る舞う先輩3人の存在感はもちろんのこと、5月に加入した新メンバーも今夏の怒濤のイベント出演でかなり鍛えられたようで、安定したパフォーマンスで観客の心を掴んでいた。
「波~!こんにち波! 俺たち、風男塾です!」
お決まりの挨拶から始まった最初のMCでは、自己紹介で今の風男塾をアピール。告知担当の凛空が「アルバム収録曲の『my home town』は、47都道府県+1ソウルバージョンを歌わせていただいているんですけれども、なんとこの15周年、47都道府県に行きたいと思います!」と絶叫すると、予期せぬ発表に大きな拍手が沸き起こった。そしてそのまま、カッコよく2曲目へ。……と思いきや、今回が噴水広場デビューだという丈源が立ち位置を誤る“おとぼけハプニング”で笑いを誘う。この一幕も、後のアニバーサリーイヤーで振り返る“初々しい思い出”になるのだろうか。それでも、再度仕切り直し、腰の入ったダンスが印象的な「男装レボリューション」が始まると、クールな表情を見せるメンバーたち。いつもはやんちゃな笑顔が眩しい太陽が〈「お願いです。お嬢様。僕だけを見てください。」〉と観客に手を差し伸べたり、あざと可愛い姿に定評のある鼓太郎が、慣れない様子で〈「骨まで愛してる」〉と叫んだりと、嬉しいギャップが人気曲を彩っていく。穏やかな表情で〈さぁ おいで〉とエスコートするのは、今やリーダー的存在となっている最年長・関汰。煽り担当のアランがエモーショナルなフェイクで繋ぎ、〈レボリューション〉と締め括る展開も目を見張るものがあった。
往年の名曲たちに続いて披露したのは、今年、現体制になって初めて発表した“始まりの歌”である「Hello Hello」。コミカルなステップと大声のコールで元気いっぱいの風男塾を届けると、観客エリアにも笑顔が広がっていく。良宗が〈きっと出会えるから〉と歌っているように、この瞬間、風男塾を知った人もいたことだろう。7人はそこで生まれた新たな出会いに、手をヒラヒラさせながら“Hello”を告げ、レジェンドメンバーが控えるトークパートにバトンを渡した。
「風王よ!心の準備はできてるか!」「いざ、出陣!」
イベント中盤、盛大な煽りを受け、制服姿の浦正と健水がステージに現れた。その瞬間、現場は抑えきれない歓声と「おかえり」の拍手に包まれる。メンバーが卒業したら会えなくなるという“男装ユニットの宿命”を背負って足を運んだ風王の中には、思わぬ再会に涙を浮かべる人もいたようだ。だが、冒頭から浦正は「1部を上から観てたんですよ! “レスくれ、レスくれ”って手を振ったら、多分誰かわからずにメンバーが手を振ってくれた(笑)」とトークを飛ばし、健水や現メンバーに「浦正くん、全然変わらないですね!」と褒められると、「これが36歳の制服ですよ!」とボケ倒す。2021年まで最年長メンバーとして風男塾を引っ張ってきたムードメーカー・健水も、5年半ぶりの表舞台となった先輩・浦正の前ではやや押され気味といった様子だったが、高身長揃いの現メンバーとの共演に備えて「じつはインソール2cm入れてるんすよ」と暴露。浦正と健水が171cmの丈源を挟むという奇跡の3ショットを前に、会場も配信のコメント欄も大いに盛り上がっていた。