Sexy Zone、ドラマ主題歌収録シングルがチャート首位 従来の楽曲スタイルと異なる表情見せる一枚に

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2022-09-19/

 9月19日付のオリコン週間シングルランキングによると、Sexy Zoneの『Trust Me, Trust You.』が212,527枚で1位を記録した。その後、Kep1erの『<FLY-UP>』が68,316枚で2位、乃木坂46の『好きというのはロックだぜ!』が40,931枚で3位と続き、Sexy Zoneが2位以下に大きな差をつける週となった。

 『Trust Me, Trust You.』は通算22作目のシングルで、表題曲は菊池風磨が出演するドラマ『トモダチゲームR4』(テレビ朝日系)の主題歌。本楽曲を書き下ろした平井 大は「どの様な時代であっても希望を持っていたい」というメッセージを込めたという。

 サウンド面に着目すると、低音が響くずっしりとしたリズムの上を、終始シンセの音が表拍で鳴っている。このシンセは一聴するに淡々とした印象を受けるが、見方を変えれば、少々不規則なビートの上でもブレずにいようという固い意志を感じとることもできる。不安定な世の中あるいは時代といった大きな存在に対して、芯を持って勇敢に立ち向かっていくようなイメージのサウンドだ。

 終盤になるとキックとハットの刻みが一段と激しさを増し、菊池が繰り出すラップも熱を帯びていく。コード進行やサウンドの厚みではなく、リズムの変化やボーカルワークによって盛り上がりを生むこの曲の構造は、従来のSexy Zoneの楽曲スタイルとは一線を画すものである。

Sexy Zone 「Trust Me, Trust You.」 (YouTube Ver.)

 一方で、カップリング曲の「Sleepless」は佐藤勝利主演のドラマ『赤いナースコール』(テレビ東京系)のオープニングテーマ。ひずんだギターリフのループ、怪しげなベースライン、ガラスのコップが割れるような音など、病院を舞台にしたミステリーであるこのドラマに相応しい不穏な夜を想起させる音作りが印象深い。

 曲を通して一つの楽器とボーカル一人だけの時間が多く、それによって曲全体に閉塞感が充満している。とりわけ後半でピアノと歌声のみになる10間秒ほどのパートは、その閉じた世界の中でついに孤独感が極まる瞬間だ。しかし、そこで歌われる〈あの空の先で/新しい朝が/僕らを呼んでる/Gotta try again〉というフレーズは前向きで、絶望的でありながらも希望的であるという、何とも不思議な感慨のある曲である。ある意味、表題曲の歌う「いつでも希望を持とう」的なメッセージと近いものがあるが、この曲が描く世界の方がいくらか状況が悪くリアリティがあり、稀代のポップグループである彼らが歌うことに大きな意義を感じる。一見地味ではあるが、この曲のテンション〜ニュアンスに共感する人は多そうだ。

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