syudou、さらなる“加速”を予感させた初の有観客ライブ 孤独を脱した音楽活動への幸せ
ライブは終盤。「へべれけジャンキー」と「コールボーイ」で再度アクセルを踏み込んだ。客席からは自然と手拍子が起き、また腕を掲げる者もいた。
歌い終えるとsyudouは「改めて感謝することばかりです」と話し始めた。
「音楽を最初は一人で始めたわけです。僕は自分ができることしかできなくて、誰かが必要とすることを見つけてやるとか、誰かが喜ぶことをしてあげることが苦手なタイプで。そんな僕でも自分がやれることを一つひとつ見つけてやってきたら、その先に今日のような素晴らしい景色が広がっていて。これが何よりも続けてきて良かったということの証明だと思ってます」
そしてこうも続けた。
「一人で始めた音楽活動ですが、今は目の前の皆さん、そしてスタッフ、イラストや動画を作ってくださる方がいます。一人で始めたけど今は一人じゃない。孤独じゃないんだなと。今は本当に幸せです」
この言葉に、客席からは温かい拍手が送られた。当初はバンド活動を断念したsyudouだったが、ボカロPとして個人での音楽活動を長く続けてきたことで多くの人々と出会い、今では大きなホールを埋め尽くすまでに成長した。
最後は「取扱注意」と「ギャンブル」でラストスパートをかけた。会場の空気もそれに呼応するようにヒートアップ。怒涛の勢いで駆け抜けるステージに、大量のお札(通称 syudouマネー)が舞い散った。
アンコールは「笑え」でスタート。この曲はsyudouが会社員時代に抱えていた人生についての迷いが込められているという。
「もし皆さんの中で打ち込んでるものがある方は、自分のペースでいいので続けてみてください。きっと楽しい人生になると思います。僕は今、皆さんのおかげで楽しい人生を歩めています」
決して無理に自分を良く見せようとしない彼だからこそ、この言葉には説得力がある。多くの人がこの言葉に勇気づけられたことだろう。そして「爆笑」を披露してライブは終演。鳴り止まない拍手の中を颯爽と駆け抜けていった。
本格的にシンガーソングライターとしての活動を始めたsyudou。彼の勢いは今後もまだまだ“加速”していきそうだ。