LE SSERAFIMメンバー分析第3回:KAZUHA、バレエの実力がダンスの武器に K-POP界に巻き起こす新しい風

K-POPダンスとバレエの融合で吹き込む新しい風

 当然だが、バレエとポップスのダンスは踊り方が異なる。バレエから転向する場合、多方面の筋肉を使うポップスのダンスへの適応に苦労することも多いようだが、KAZUHAの場合、LE SSERAFIMのパフォーマンスに違和感なく溶け込んでいる。

[MPD직캠] 르세라핌 카즈하 직캠 4K 'Blue Flame' (LE SSERAFIM KAZUHA FanCam) | @MCOUNTDOWN_2022.5.5

 むしろ、バレエで鍛えた全身の筋肉や体幹と、手の先まで細やかに意識の行き届いた美しい所作はしなやかで、どこを切り取っても美しいダンスを生み出した。KAZUHAのチッケム再生数が伸びやすいのは、彼女のダンスに多くのファンが惹きつけられた証だと言えよう。

[MPD직캠] 르세라핌 카즈하 직캠 4K 'FEARLESS' (LE SSERAFIM KAZUHA FanCam) | @MCOUNTDOWN_2022.5.26

 韓国の芸能雑誌『topclass』によれば、LE SSERAFIMのパフォーマンスディレクターを務めるパク・ソヨンは、パフォーマンスの構成時にメンバーの個性を最大限引き上げることを心がけたという(※3)。デビューミニアルバムに収録された「Blue Flame」では、KAZUHAの特技を活かすため、足を高く持ち上げた後にターンする、バレエのような振付を組み込んだ。パク・ソヨンは「KAZUHAの強みであるバレエを捨てるのはもったいない」と、長年のバレエのキャリアを基盤として、K-POPの踊り方を吸収してほしいと同インタビューの中で語っている。

 KAZUHA自身もその点は意識しているようで、「バレエとK-POPをうまく融合させ、できるだけかっこよく踊りたかった」と努力を重ねた様子をインタビューで語っている(※1)。

 また、ダンスだけでなく、流暢な英語で発せられるラップも未経験とは思えない完成度だ。低めの音域で、やわらかくクリアな声が特徴のKAZUHAが、今後どのように歌唱面で楽曲に参加するのか、注目したいポイントである。

 高いパフォーマンス力を持つKAZUHAは、LE SSERAFIMのメンバーからも期待を寄せられている。SAKURAは日本で放送されたラジオ『今夜、咲良の木の下で』(bayfm)で、「15年間バレエをやってきたズハ(KAZUHA)だからこそ、見せられるパフォーマンスがある。私たちの振付の中で、新しい風をK-POP界に吹かせたんじゃないか」と語った。リーダーのKIM CHAEWONも、公式YouTube動画の中で「とても期待できるメンバー」とKAZUHAを評価している。

We’re LE SSERAFIM l 너무 귀여워서 10분 동안 광대가 안 내려옴🥰💕

 「これから全世界にいるファンと会いたい」「他のメンバーのように、作詞にも貪欲に挑戦したい」と、今後の活動への意欲をにじませているKAZUHA(※2、※4)。高いスキルを持つ彼女が、グループの中でさまざまな経験を積んだ先、さらにどのような成長を遂げるのか。期待が高まる。

※1: https://magazine.weverse.io/article/view?lang=ko&num=400
※2: https://www.elle.co.kr/article/68563  筆者訳
※3: http://topclass.chosun.com/news/articleView.html?idxno=30239  筆者訳
※4:https://www.cosmopolitan.co.kr/article/68090 筆者訳

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