Kroi、より多くの人に向けて音楽を発信 『telegraph』で発揮された5人のポップセンスとプレイヤビリティ

Kroi『telegraph』インタビュー

プレイヤーとしての新たなアプローチも

ーーアルバムの新曲で、メンバーのみなさんが「新しいアプローチができた」と感じている楽曲は?

内田:「Not Forever」のフェードアウトの処理は、自分でも「聴いたことないな」と思いますね。バンドの音が小さくなって、ガットギターのバッキングとソロだけを残してるんですよ。最初はリバーブがかかってるんだけど、だんだんドライな音になっていくのも面白くて。

千葉:説明だとよくわからないかもしれないけど、聴いてもらえたらわかります。ミックスチェックのときにふざけてやったことなんですけど、ゲラゲラ笑っているうちに「これでいこう」ってなっちゃって。

関:間奏のギターソロの音量もめちゃくちゃデカイしね。

千葉:1番のサビの後ですね。サビのボーカルよりもギターのほうがデカいって面白いじゃないですか。

内田:そうだよね(笑)。

千葉:特に音楽的な意図があるわけじゃないんですけど。

ーーそういうディテールが楽曲の印象を決めたりしますからね。

内田:そうですよね。ちょっとした違和感とか、特異な部分がフックになるというか、その楽曲の持ち味になるので。それをどう作るかは、楽曲を制作しているときにいつも頭の片隅にありますね。

ーーしかも「Not Forever」のような極端なミックス、プロのエンジニアだったらやらないでしょうし。

千葉:絶対やらないでしょうね。プロのエンジニアの方が「ギターソロ、ボーカルよりデカくしてみたんだけど」なんて言い出したら、ビックリする(笑)。メンバー内でやっているからこそ成立しているんだと思いますよ、やっぱり。“良くも悪くも”ですけど、基本、この5人のなかでやっているアプローチなので。

関:確かにメンバーのなかで何かが起きることは多いかも。「Drippin' Desert」「Go through」で初めて5弦ベースを使ったんですけど、それもメンバー全員で同じライブを観に行ったことがきっかけなんですよ。

内田:そうだった(笑)。

関:怜央の誕生日(5月16日)にコリー・ヘンリーのライブをビルボード東京で観たんですけど……。

ーー仲いいですね。

長谷部:全員が好きなアーティストなので。

関:ベーシストのジョシュ・イーズリーが5弦ベースを弾いていて、それがめちゃくちゃカッコよくて。それまではどんなに「5弦のほうがいいんじゃない?」と言われても、「ベースは4弦だ」って言い張ってたんですけど、ライブの次の日にすぐ5弦を買って。アンプもマネしようと思ってます(笑)。

長谷部:関さん、5弦ベースがマジで似合うんですよ。

関:身体がデカいからね(笑)。

ーーサンダーキャットのライブに行ってたら、6弦ベースを買ってたかも(笑)。

関:益田は同じ日にサンダーキャットも観てるんですよ。

益田:ハシゴしました(笑)。神々の演奏を続けて観て、疲れましたね……。

関:(笑)。最近も「みんなでもっとライブを観よう」って言ってて。

内田:うん、海外のアーティストを観るのは大事。やっと来日公演も増えてきたし。

ーー長谷部さんが今回のアルバムでトライしたことは?

内田:モズライト(ギター)を弾いた曲でしょ。

長谷部:「Funky GUNSLINGER」ですね。この曲はデモから西部劇のイメージがあって、「ギターソロも西部劇っぽさを出してほしい」と言われて。西部劇のサントラを聴いて、自分なりに分析しながらソロのフレーズを考えたんですけど、納得できる演奏ができたかなと。

内田:100点のヤツが来ましたね。俺のなかの西部劇っぽいサウンドは、 The Venturesの「Apache」なんです。The Venturesと言えばモズライトのギターなので、ぜひ使ってほしくて。

長谷部:たまたまギターテックの方が持ってたんですけど、弾いた瞬間に「すげえ!」ってビックリして。モズライトにしか出せない音があるし、買おうと思ってます。フレーズもギタリスト然としていて、気に入ってますね。

内田:あなたにとっての“ギタリスト然”だけどね(笑)。

関:一般的ではない(笑)。

千葉:確かに。めちゃくちゃいいソロだけどね。

長谷部:もともとジョン・フルシアンテやスティーヴィー・レイ・ヴォーンが好きで。自分のルーツをKroiの音楽に入れ込めたのもよかったなって。

ーー20代前半でレイ・ヴォーン好きって、かなり渋いですね。そういう趣味が合う人、周りにいます?

長谷部:いますよ。怜央とか益田さんとか。

内田:だから一緒にバンドやってます(笑)。

常に斬新なアイデアや面白いことを取り込んでいきたい

Kroi(写真=渡会春加)
Kroi(写真=渡会春加)
Kroi(写真=渡会春加)
Kroi(写真=渡会春加)
内田怜央
千葉大樹
関将典
長谷部悠生
益田英知
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内田怜央
千葉大樹
関将典
長谷部悠生
益田英知
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ーー内田さんのボーカル表現も向上していると思いますが、歌に対する意識にも変化があったんでしょうか?

内田:最近考えるようになりましたね。(歌は)自分にとって曲を聴かせるための手段で、楽曲やセクションに合わせるスタイルはずっと変わってなくて。メロディラインに合う歌唱、表現方法を常に考えているし、何枚も作品を出しているうちに歌い方も少しずつ広がってきているのかなと。なので自分の声質、ボイスというものは確定していないんですよね。

ーー軸になるような歌い方、唱法はなくてもいい、と?

内田:そうですね。むしろ軸はないほうがいいと思ってるんですよ。スタイルを決めないで、常に斬新なアイデアや面白いことを取り込んでいきたいので。まあ、考えすぎてよくわからなくなってるところもあるんですけど(笑)。あと、新しいボーカル像、バンド像に挑戦していきたい気持ちもあるんですよ。周りのバンドを見ていても、凝り固まってるんじゃないかな? と思うこともあって。自分たちはできるだけ柔軟にやっていきたいなと。

ーーバンドという形式をアップデートさせたい、と?

内田:そうですね。もっと多種多様な形があっていいというか。どんなジャンルでもそうだと思うんですけど、同じようなコンテンツが飽和状態になっている気がしていて。よく聴くとそれぞれ違ってるんだけど、リスナーの側は聴き分けられないんじゃないかなと。そのなかで際立つためには、できるだけ幅を狭めない、凝り固まらないことが大事だし、そこはこれからもがんばっていきたいと思ってます。

ーーなるほど。幅広い層に認知されるヒット曲を出したいという気持ちもあります?

内田:もちろん。行けるところまで行きたいというスタンスでやっているので。……まあ、ファンのみなさんがKroiにヒット曲を求めているかどうかはわからないんですけど。

関:ヒットはあったほうがいいでしょ。ミュージシャンとして活動させてもらっている以上、後世に語り継がれるような曲を作りたいと思っていて。売れるためのトリガーではなく、自分たちの子どもの世代にも普通に聴いてもらえるような曲を残せたら嬉しいじゃないですか。……まだキャリア4年目のバンドが、こんな話をするのもどうかと思いますけど(笑)。

ーーより多くの人に届けたいというスタンスは、『telegraph』というアルバムタイトルにもつながりそうですね。

関:そうですね。今回も自分がアイデアを出させてもらったんですけど、「telegraph」は電信、モールス信号のことなんです。モールス信号は世界的な共通言語になっていて、基本、どんな場所にいる人とも意思の疎通ができる。自分たちも音楽という共通言語を持っているし、ここから世界中に発信して、コミュニケーションを取っていきたいと思っています。

Kroi 2nd Album "telegraph" [Album Preview]

 

■リリース情報
2ndアルバム『telegraph』
2022年7月27日(水)発売
購入はこちら
配信はこちら
特設サイト

CD+Blu-ray/PCCA000006145/4,950円(tax in)
CD+DVD/PCCA000006146/4,950円(tax in)
CD Only/PCCA000006147/2,970円(tax in)

<収録内容>
1 Drippin' Desert
2 Funky GUNSLINGER
3 Pixie (「国際ファッション専門職大学」TV CMソング)
4 Not Forever
5 Juden (「ダイハツROCKY e:smart」CMソング)
6 banana
7 熱海
8 Airport
9 Small World (テレビ東京 ドラマ24「しろめし修行僧」OPテーマ)
10 Correction」 (「WOWOWアーバンスポーツ」テーマソング)
11 Go through
12 Never Ending Story
13 WATAGUMO

<DVD/Blu-ray 収録内容>
Kroi Live Tour 2022「Survive」from 2022.05.25 Zepp DiverCity
1. Small World
2. Mr. Foundation
3. sanso
4. Balmy Life
5. Juden
6. selva
7. Page
8. flight
9. 侵攻
10. Monster Play
11. Pixie
12. Never Ending Story
13. Polyester
14. 帰路
15. Custard
16. Network
17. Shincha
18. HORN
19. WATAGUMO
20. Fire Brain
21. Suck a Lemmon

Bonus Track
“Kroi Live Tour 2022「Survive」”Behind The Scenes”

<封入特典>
① 2022年8月12日(金)開催
“Kroi FREE LIVE「TAKE OFF」@Zepp Haneda” 抽選応募券&配信アーカイブ視聴チケット(アーカイブ期間.2022.09.12迄)
② 2023年1月8日(日)開催
”Kroi Live Tour 2022「BROADCAST」”追加公演LINE CUBE SHIBUYA公演最速先行抽選応募券

<CDショップ特典>
・TOWER RECORDS全店(オンライン含む):クリアファイル
・HMV全店(HMV&BOOKS online含む):マグネット
・TSUTAYA RECORDS(TSUTAYAオンライン予約分含む)コルクコースター
・Amazon:メガジャケ
・楽天ブックス:アクリルキーホルダー
・ファミリーマート受け取り限定特典(楽天ブックスサイト内で購入可能):シューレース
・セブンネット:モバイルスタンドキーホルダー
・Kroi応援店:スマホサイズステッカー

■ツアー情報
『Kroi Live Tour 2022 "BROADCAST"』
9月4日(日)神奈川・Yokohama Bay Hall
9月9日(金)埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
9月22日(木)栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
9月23日(金祝)宮城・仙台 Rensa
9月25日(日)北海道・札幌 PENNY LANE 24
10月1日(土)香川・高松 DIME
10月2日(日)愛知・名古屋 THE BOTTOM LINE
10月7日(金)京都・京都磔磔
10月8日(土)兵庫・神戸 チキンジョージ
10月10日(月)広島・広島 CLUB QUATTRO
10月14日(金)福岡・福岡 DRUM LOGOS
10月16日(日)熊本・熊本 B.9 V1
10月23日(日)新潟・新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
10月29日(土)茨城・水戸 LIGHT HOUSE
10月30日(日)千葉・柏 PALOOZA
11月3日(木祝)大阪・なんば Hatch
11月16日(水)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)

2023年
1月8日(日)東京・ LINE CUBE SHIBUYA

TICKETS前売4,500円(+DRINK)

■関連リンク
HP:https://kroi.net
ECサイト:https://store.kroi.net
Twitter:https://twitter.com/KroiOfficial
Instagram:https://www.instagram.com/kroi_official/
Kroi official YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCc9CJVSnJx5WTq8E9T4bIoA

サイン入りチェキプレゼント

Kroiのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

Kroiチェキ
リアルサウンド公式Twitterか公式Instagramをフォロー&本記事のツイート、または応募ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となります。指定はできません。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。

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<締切:8月12日(金)>

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