Jr.EXILEが集結した圧巻のエンタテインメント 3年ぶり開催『BATTLE OF TOKYO』、4日間の名シーンを徹底総括
最終日は爆笑必至のファッションショー&レアな浴衣姿も披露
最終日、4日目の『BATTLE OF SUMMER』は、夏曲メドレーからスタート。甚兵衛を身に纏ったBALLISTIK BOYZが、潮風を感じる「WAVIN'」を歌いながらゆったりと外周ステージを回ると、さいたまスーパーアリーナは一気に夏ムードに包まれた。続くFANTASTICSは「Flying Fish」を軽やかに歌いながら、太陽のようなビッグスマイルの瀬口黎弥を中心に、カメラに向かって思い思いにアピール。センターステージに登場したTHE RAMPAGEは「WELCOME 2 PARADISE」で無邪気に笑い合う。甚兵衛姿の16人が踊る様はまるで盆踊りのようで、鈴木昂秀のダンスをみんなで真似したり、RIKUが岩谷翔吾にマイクを向けて歌わせたりと実に賑やかだ。Jr.EXILEの長男としてどっしりと構えた印象のGENERATIONSは、甚兵衛姿が妙にいかつい数原龍友が「僕だけ、みんなとなんか違くない? 恐くない!?」とおどける場面もありながら、笑いを流し去るほどの爽やかな美声で「Brand New Story」を熱唱。大輪の花火をバックに、ボーカル2人がしっとりと歌い上げた「secret base ~君がくれたもの~」(ZONEのカバー)も、かけがえのない夏の思い出となったことだろう。
「『BATTLE OF SUMMER』、盛り上がってますかー!?」という陣のハイテンションな呼びかけから始まった、謎多きバトルステージの後半戦は、ファッション対決ならぬ、夏服の着こなしセンスをチェックするファッションショーが開催された。第1弾の『夏祭りは、これで決める! 浴衣対決!!』には、片寄涼太&吉野北人、木村慧人&瀬口黎弥、川村壱馬&長谷川慎、海沼流星&深堀未来&松井利樹が参戦。最初に現れた“王子コンビ”の片寄涼太がふいに吉野北人のほっぺにキスをすると、会場に激震が走る。木村慧人と、グッズの“超天晴黎弥扇子(ちょうあっぱれいやせんす)”を持参した瀬口黎弥は、シックな色味の浴衣姿に反して、ギャルピースで陽気に登場。陣曰く、THE RAMPAGE随一の人気コンビだという“かずまこ”はキメ顔で寄り添い、「いやぁ、夏ですね。みなさん、楽しんでますか? 俺もすっごく楽しいです」(川村壱馬)とにっこり。海沼流星&深堀未来&松井利樹も三者三様の浴衣でランウェイを歩き、3万人もの熱い視線を全身に浴びた。
しかし、第2弾の『夏のビーチは、これで決める! 水着対決!!』からはまたしても想定外の展開に突入する。このブロックでは白濱亜嵐、八木勇征、武知海青、日髙竜太という“脱ぎたがりたち”のカッコいい水着姿が見られる予定だったが、トップバッターの白濱亜嵐は、露出皆無の“あまちゃんファッション(伊勢エビ持参)”でステージに登場。武知海青は、ジャージの背中に「ROWDY水泳部 全国制覇」と殴り書きした競泳選手スタイルで、北島康介ばりの「ちょー気持ちいい……」を披露。日髙竜太はサーフボードを片手に現れ、大喜利のような仕上がりに。そのため、唯一企画意図通りの格好で現れた“マッスルプリンス”八木勇征が、パーカーの下に忍ばせた肉体美を解放すると、待ってました! とばかりの拍手が湧き起こる。ファッションショーという性質上、明確な勝敗はつけないはずだったが、「テーマは大樹くんの好きな色のサーフパンツです」とコメントする八木勇征の手を上げながら、佐藤大樹が「完璧でしょ、ウチの勇征!」「優勝だよ!」とドヤ顔で叫んだ。
第3弾の『真夏のデートは、これで決める! 夏服対決!!』も、“大阪のおばはん”になりきった中務裕太と阪神ファンコーデの奥田力也の“大阪被り”など、笑いに走るメンバーが続出した。同じ地元愛でも、岡山産デニムのセットアップを着こなした山本彰吾とは方向性がかなり違い、その振り幅に驚かされる。神谷健太は“TikTokにたまに出てくるヤリラフィー”になりきり、アロハシャツにサングラスを身につけた砂田将宏はまさに夏男といった風貌。一見オールブラックのペアコーデでオシャレに見せていたFANTASTICSの中島颯太と澤本夏輝(澤本はヨウジヤマモト社のGroundYと『BATTLE OF TOKYO』のコラボシャツを着用)だが、中島が実は真冬の服装というボケを投入しており、カメラを手に「(デートで撮った写真を)10年後も一緒に見ような」と客席に語りかける。さらに、小森隼が「玲於がいないんだよ。玲於!?」と呼びかけると、那須川天心が『THE MATCH 2022』で着用していた衣装に身を包んだ佐野玲於が、格闘家さながらのポーズでセンターステージに入場。終始笑いの絶えないファッションショーだったが、佐野の後を追うようにゲストとして現れた那須川本人の「緊張してますけど、なんかあったら全員倒せるので(笑)」という最強の一言が、真の『BATTLE OF TOKYO』の幕開けを告げた瞬間でもあった。
そんな『BATTLE OF SUMMER』を締め括るのは、浦川翔平と与那嶺瑠唯が振付をしたという盆踊り「超東京音頭」。メンバーたちは時折振付を間違え、照れ笑いを浮かべながらも、楽しそうに外周ステージを踊り歩く。コロナ禍でやっと実現した幸せなひとときを噛みしめながら。
さて、ここからは再び本編へ。見た物や人を解析し、他者のスキルさえも自分のものにできるというJIGGY BOYSの「スキャニング」能力を使い、4チームはEXILEをスキャニング。EXILEのデビュー20周年を記念した企画『EXILE TRIBUTE』から、「Touch The Sky」(BALLISTIK BOYZ)、「Each Other's Way ~旅の途中~」(FANTASTICS)、「No Limit」(THE RAMPAGE)、「SUPER SHINE」(GENERATIONS)を届けていく。2日目のMCでRIKUが話していたように、かつてEXILEに憧れてアーティストになることを夢見ていたJr.EXILEたちが、ラップパートなどのオリジナル要素を加えてブラッシュアップしたEXILEの名曲をパフォーマンスする姿には、なんとも感慨深いものがある。その勇姿に様々な想いが駆けめぐる中、最後は「Summer drops」「SUMMER HYPE」「Fandango」「AGEHA」でヒートアップ。本来の立ち位置がわからなくなるほど自由に盛り上がるメンバーの笑顔と、そんなメンバーの想いに応えるように激しくリズムを刻むフラッグが、3時間半に渡る公演のフィナーレを彩った。
数原龍友の進行のもと、毎日各グループから1人ずつ感想を述べてきた、最後のMCタイム。初日には砂田将宏が「この3年間で成長したBALLISTIK BOYZを見てもらいたいという想いで、パフォーマンスさせていただきました」と語り、2日目にはWEESAが「PSYCHIC FEVERは3年前の『BATTLE OF TOKYO』で発表されたグループなので、こうしてたくさんのお客さんと素敵な先輩方の前でパフォーマンスできて幸せです」と声を弾ませる。『iCON Z』第二章開幕が発表された3日目のMCでは、担当メンバーが挑戦者たちへエールを贈る中、数原の“推しメン”だという吉野北人が「夢に向かって頑張ってる人たちってカッコいいなって思いました。自分たちも夢に向かって走り続けて、輝き続けていけたらと思います」と宣言した。なお最終日には、初日に「龍はダメでしょ?」とマイクを向けられ、照れながらダメポーズをしていた龍が「ありがとう~!」と感謝を叫ぶという、見事な伏線回収も。片寄涼太も「それ、みんな思ってた!」と力強く頷いていたが、そこに沸き起こった温かな拍手が、45名のメンバーと3万人もの観客の心を今一度強く結びつけた。
ラストは、壮大なプロジェクトのエンディングにふさわしいミディアムバラード「UNTITLED FUTURE」を初披露。順番に歌い繋ぐフレーズに想いを馳せながら、仲間や観客と互いに微笑みを交わしながら、ゆったりと手を振るメンバーの姿が眩しい。……そう、いくつものバトルの先には、“Love, Dream, Happiness”を象徴するような光景が待っていたのだ。始動ライブ『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』を行った3年前、こんな未来が来ると予測できなかったように、この先の未来にもまだ名はない。だが、彼らなら、きっと明るい未来に連れて行ってくれる。そう確信した、最高の4日間だった。
※1:https://realsound.jp/2022/07/post-1082181.html