キャリアアーティストから新人まで続々参入 “TikTok型ブランディング”に必要なことは?

 最近の事例で注目なのは、水曜日のカンパネラ「エジソン」。2015年にデビューを飾った水曜日のカンパネラはボーカルのコムアイの鮮烈なキャラクターとも相まって独自のポジションを築くが、ここ何年かは、楽曲ヒットで爪痕を残すことに苦労していたと思う。そんな中、昨年コムアイが脱退、本来なら活動継続のピンチなのだが、採った選択肢は二代目ボーカル詩羽の起用。彼女のキャラクターの魅力もあり、新生第2弾シングルとなるこの曲で見事TikTokでバズることに成功し、現在サブスクチャート上位の一角に食い込んでいる。彼女たちの公式アカウントをみると、単なるプロモーション動画だけでなく、様々なアプローチでこの中毒性のある楽曲と詩羽のキャラクターが伝わる動画がアップされ続けている。楽曲とアーティストプロモーションの二本立てがしっかり実現しこの快進撃に繋がっているのだ。

@wed_camp #水曜日のカンパネラ #wednesdaycampanella #エジソン #edison @utaha_0809 ♬ エジソン (version 1) - 水曜日のカンパネラ

 このようにTikTok公式アカウント開設ラッシュは、今後も続くと思われる。そこであらためて問われるのは、アーティストブランディングの概念とその変容である。従来型のアーティストブランディングは、何をしないか、何を見せないかの「引き算」の概念が作用したが、TikTok型ブランディングはバズるきっかけとなり得るあらゆるパターンを試していくトライ&エラーの「足し算」の気構えが重要だ。

 各アーティストが変化を余儀なくされるなか、変わるもの、変わないものをしっかり捉えて、戦略をたてていかなければならない。

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