KinKi Kids、ジャニーズのあり方を更新し続けた25年 その功績をデビュー記念日に振り返る

 本日7月21日にCDデビュー25周年を迎えたKinKi Kids。記念日に向けて『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)や『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)などでは次々と特集が組まれ、連日お祭りムードが続いてきた。さらに、彼らの学び舎とも言える音楽番組『LOVE LOVE あいしてる』(フジテレビ系)も出演者&スタッフの総意で今夜5年ぶりに復活する。

 また、Yahoo!検索で「KinKi Kids」と入力すると、CDデビュー25周年仕様バナーが出現。オリジナルクイズに挑戦すると、その得点に応じて本人出演のスペシャルムービーを楽しめるなど、WEB上でも様々な企画で盛り上がりを見せている。さらにYouTube公式チャンネルも開設され、記念日の瞬間を2人と一緒に迎える生配信も注目を集めた。

 これほどまでにKinKi Kidsの節目が大々的に祝福されるのは、それだけ彼らの25年が多くの人生に深く刻まれているからではないだろうか。彼らの活躍はジャニーズアイドルたちにとっても大きな影響を及ぼした。なぜなら、KinKi Kidsの歩みがジャニーズアイドルのあり方を更新し続けてきたからだ。

ジャニー喜多川に認められた関西生まれの逸材

 KinKi Kidsが最初に与えたインパクトは、初の関西出身ジャニーズアイドルだったこと。ジャニー喜多川氏が「100年に1度の逸材」と呼んだ2人は、ジャニーズとして初めてデュオという形態が採用されたことも新鮮だった。当初「KANZAI BOYA」と名付けられ、後にKinKi Kidsと名前を改められた2人。事務所の社長に向かって「そんなに変わってないやん」とツッコミを入れられるところも含めて、彼ららしさが感じられるエピソードだ。

 実は「YOUやっちゃいなよ」でおなじみのジャニー喜多川氏の口調が広く知られるようになったのは、堂本剛がモノマネをしたことがひとつの要因だと言われている。お笑い文化が根付く関西ならではのノリから生まれた、「イジっていいんだ」という空気感。その度胸と愛嬌を併せ持つ関西ジャニーズJr.という新たな文化の礎となったように思う。もしKinKi Kidsがいなければ、あとに続く関ジャニ∞、ジャニーズWEST、なにわ男子らも今とは違う形になっていたかもしれない。

 そんな彼らがジャニーズJr.時代にバックについたのがSMAP。アイドルとして届けられるエンタメは、歌やダンスにとどまらない。SMAPの背中を見てそう学んだKinKi Kidsは、特に可愛がられていた中居正広と共演するたびにお互い愛あるイジりを披露していた。

 どうしたら観る人を楽しませることができるか。そうしたKinKi Kidsのエンタメ精神は、先輩の背中を最も近くで見たきたからこそ芽生えたのではないだろうか。

KinKi Kidsよ、プロデューサーであれ

 「できることを全力で」、それがジャニー喜多川氏の教えのひとつだったというKinKi Kids。堂本光一が様々な資格を取得していった『ピカイチ』、堂本剛が何ページにも渡る長ゼリフと格闘した『金田一少年の事件簿』(いずれも日本テレビ系)など、2人の勤勉さがあればこそ成立した伝説的な番組も少なくない。当時を振り返ると「もうやりたくない」とぼやくのだから、よほど過酷な現場だったと想像する。だが、それゆえに視聴者にとっては「またいつか観たい」と思うほど記憶に残るものとなった。

 また『LOVE LOVE あいしてる』は、吉田拓郎をはじめとするミュージシャンのレジェンドたちに指導を受けながら、2人が音楽の素養を身につけていく過程がそのまま届けられた貴重な番組だった。最初はギターのコードを抑えるのに必死になっていた彼らが、いつしか楽曲制作まで手がけられるようになっていったのを頼もしく感じたものだ。

 一方で、デビュー前から続くラジオ『KinKi Kids どんなもんヤ!』(文化放送)は、テレビ番組ロケで飲酒した堂本光一が酔っ払った状態のまま出演したこともあるほど、アイドルとは思えないゆるさで届けられる。

 ストイックに結果を出す場面も、クスッとしてしまうような人間味溢れる瞬間も、時には弱さを見せることさえも……生き様がそのままショーになる。まるでジャニー喜多川氏のモットーである「Show Must Go On」(=どんなことがあってもショーを続けなければならない)を地で行くKinKi Kids。だからこそ、早期に「YOUたちはプロデューサーだよ」とセルフプロデュースするスタンスを勧めたのだろう。

 「堂本剛にしかできないことをやりなさい」と、ジャニーズとして初めて自ら作詞・作曲をした楽曲でソロデビューを果たし、「YOUの好きにやりなさい」と堂本光一にはミュージカル『SHOCK』シリーズで主演のみならず脚本・演出・音楽を任せたという。同時にKinKi Kidsとしても共作曲「愛のかたまり」が代表するように、彼ら自身の手でいくつもの名曲を生み出してきた。

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