King & Prince、歴代ドラマ主題歌で併存する物語とグループの親和性 「シンデレラガール」から振り返る
King & Princeの10thシングル『TraceTrace』が9月14日にリリースされる。表題曲は永瀬廉が主演を務めるドラマ『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(日本テレビ系)の主題歌で、7月24日の初回放送で初オンエア。これまでも様々なドラマの主題歌に起用されてきたKing & Princeの楽曲について、放送を前に振り返ってみたい。
King & Princeのデビューシングル曲、2018年5月リリースの「シンデレラガール」は、平野紫耀が出演したドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系)の主題歌。同作は人気コミックおよびドラマシリーズの新章であり、デビュー曲にして一気にグループの知名度を上げた。英徳学園高等部を舞台にしたコミック原作ならではのラブコメディで平野が演じたのは、神楽木グループの御曹司でC5のリーダー・神楽木晴。最初は“庶民狩り”を推し進めていたものの、主人公の江戸川音(演・杉咲花)との出会いから少しずつ心境に変化が。御曹司ならではの役どころに、紆余曲折を経て自分の気持ちに正直になるストーリーと、ジャニーズきってのキラキラとした王子様路線。まっすぐな気持ちをぶつける同楽曲は、ドラマの世界観に見事マッチしていた。当時のデビューシングル初週売上の歴代2位をマークし、グループの代表曲と呼べる楽曲となった。
同年10月にリリースした2ndシングル表題曲「Memorial」は、ドラマ『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ系)の主題歌。本作で、髙橋海人、神宮寺勇太、岩橋玄樹がドラマ初主演を果たした思い出深い作品だ。高校のサッカー部を舞台にしたスポ根ドラマかと思いきや「漫画みたいな青春なんて、あるわけねーよ」と、やる気に欠けるメンバー。そんな彼らの日常を描いた青春コメディで、まるで同じ学校にいそうな身近さで物語の世界へ一気に引き込まれた。同楽曲もイントロから晴れた空を思わせる広がりのある曲調で、歌詞も〈この胸に誓うよ/どんな運命も 笑顔に変えると〉〈悲しみは半分 喜びは2倍に〉と前向きな気持ちにさせてくれる。MVは白いスーツ姿でのパフォーマンスシーンのほかにオフショットのようなラフな場面もあり、キラキラとした雰囲気ではあるものの、力強いメッセージが伝わる仕上がりとなっている。
2020年6月リリースの5thシングル表題曲「Mazy Night」は、ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)の主題歌のひとつ。Sexy Zoneの中島健人と平野がダブル主演を務めた作品で、異例のダブル主題歌としてSexy Zone「RUN」と共にドラマを彩った。警察学校を舞台に、中島演じる本間快と平野演じる一ノ瀬次郎がバディを組み奮闘するストーリー。当時はコロナ禍でロケ収録が休止、ドラマのスタートが4月から6月に延期と前例がない中ではあったが、番宣で視聴者に笑顔を届けていたのも思い出深い。MVでは、使命感を胸に一生懸命に突き進む彼らの姿を投影するような、力強いダンスを披露。それまでのKing & Princeのイメージを塗り替えるような、コントラストの強い世界を打ち出した。