香取慎吾、初YouTube生配信も“新たな遊び場”に ハプニングと共に楽しんだ、NAKAMAとの心地よい時間

 香取慎吾が、また新たな遊び場を広げた。6月24日、『香取慎吾 東京SNG京都特別公演開催記念生配信!』と題して、初のYouTube生配信を行なったのだ。

 これまでの長いキャリアにおいて、いくつものテレビ番組の生放送を経験してきた香取。出向いた先で臨機応変な対応が求められるロケ番組もまた得意分野のひとつ。さらに現在も毎月第1日曜日に、7.2時間の生放送番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、※通称『ななにー』)を続けており、ライブならではの身のこなしはお手の物だ。

 そんな香取がSNSでの生配信という場所を、どのように遊んでいくのか。期待に胸を膨らませて配信開始時間を待ったが、まさに生配信の魅力が満載となった。

初生配信はオープニングからハプニング続き

 約2年ぶりのリリースとなった2ndアルバム『東京SNG』を引っさげ、コンサート『二〇二二年 六月京都特別公演 東京SNG』を開催している香取は、この日の生配信を京都劇場の客席からスタート。チケットが取れなかったり、なかなか遠出ができなかったりと、会場に足を運ぶことができなかったNAKAMAのために、コンサートの雰囲気を少しでも味わえるようにという粋な計らいに感じられた。

【ハプニングの連続!】香取慎吾 東京SNG京都特別公演開催記念生配信!

 ところが、劇場という場所柄なのか電波の状態が安定せず、生配信の映像が静止画のコマ送りのようになり、音も小さく途切れがちに。チャット欄には視聴しているNAKAMAたちから「カクカクしてる」「音が聞こえない」の文字が次々と届く。満面の笑みで画面が止まってしまったり、マイクを外したほうがむしろ音がよく届くなど、オープニングからハプニング続きだ。

 だが、そのスムーズにいかないところも生配信ならではの面白さ。楽屋まで移動して「どうかな?」と呼びかける香取の声に、「よくなってきた!」「聞こえるよ!」と答えていくリアルタイムならではのやりとりが楽しい。また扇風機の音を気にして弱めたところ、暑がりな香取の体調を気遣い「強くして大丈夫」「涼しくしてね」というコメントも。その反応を見て「じゃあ“中”にしよう」と調整しながら、お互いの心地よい時間を目指していくのが微笑ましかった。

 この生配信のために、普段YouTubeチャンネルを手掛けるスタッフを東京から京都まで呼び寄せたことも明かされた。悪戦苦闘したオープニングの様子もアーカイブとして残ることに苦い表情を浮かべたスタッフに「しょうがないよ、生だから! こんなのも含めて楽しいじゃない!」と声をかけた香取の言葉が印象的に響く。

 完璧なプログラムをスムーズに届けるのもプロの仕事。だが、予想外の状況をも楽しませる力を持つのも、一流のエンターテイナーなのだと改めて実感する瞬間だった。テレビの生放送に比べても、さらに予測不能な事態が起こる生配信。だが、それだけ視聴者と共に創り上げているという一体感が得られるもの。香取の中で、また新たな表現の引き出しが増えたに違いない。

一緒に遊んでいるような感覚で

 なぜ、香取と“生”は相性がいいのか。その理由は、きっと香取自身がその場を楽しんでいるからに違いない。「本当に感覚としてはみんなが、友達と“なんかちょっと遊ぼうぜ“みたいな感覚と結構変わらないところがある」と話していたように、むしろ“仕事である“という力みのようなものがないのも大きいのではないだろうか。

 また、その感覚は、かつてキャイ〜ンと共に手掛けていたテレビ番組『香取慎吾の特上!天声慎吾』(日本テレビ系)のころから育まれていたようだ。「あれもね、遊びの感覚でやってて。テレビなのに遊びで。あるときね企画っぽくなってきてね。スタッフを集めて“どうなってるんだ。仕事になっちゃってるじゃないか! 最近のこの番組は仕事っぽい! 遊びで一緒にやってるんじゃないんですか!”って言ったことがある」と思い出話を披露していく。

 もちろん仕事として取り組んでいるスタッフとしては、この香取の思わぬクレームにポカーンとしていたようだが。香取にとってはそれくらい遊び感覚で楽しめていたということ。そして今、YouTubeをはじめとしたSNSも香取にとっては思い切り遊べる場所なのだ。

 「ちょっと挑んでみようか!」。せっかく楽屋で安定していた電波状況だったが、最後に美しい京都タワーをNAKAMAに見せたいと、夜景が見えるスポットまで移動しようとするシーンも。それは、旅先での感動を大切な人に共有したくなる衝動に近いのかもしれない。楽しい、嬉しい、きれい、美味しい……そんな心が動く体験を誰かに伝えたいと願う気持ちが、発信力の源となっているからこそ、香取の生配信はワクワクするのだ。

 ちなみに移動しようとカメラを持ち上げた瞬間、ぐるんとカメラが予期しない方向に回ってしまうというハプニングも。映すつもりではなかった角度の楽屋風景が見えてしまったにも関わらず、香取が「最高のアクシデントだよ!」と笑い飛ばすところもさすがの一言だ。むしろ思い通りにならないところが面白い。その余裕は、遊び感覚と共に培われてきた対応力があればこそなのだ。

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