DaizyStripper、遊び心満載の演出でトレゾアと15周年をお祝い 希望に満ちたアニバーサリーツアーファイナル公演
2007年の結成以降、類まれなるメロディセンスと端正なビジュアルで人気を博してきたDaizyStripper。今年の春から15周年アニバーサリー公演と銘打って全国を廻ってきたツアー『DaizyStripper 15th Anniversary Tour 2022「5+10=DREAMER」』が、6月5日、品川プリンスステラボールにてグランドフィナーレを迎えた。
15年間の集大成ともいえる今夜のワンマンは、旧曲と新曲を織り交ぜながらテンポよく展開されていった。まず、目を引いたのはオープニングシーン。「第九 歓喜の歌」が流れ終わると、後方のスクリーンに15年分の成長の証ともいえるメンバーの歴代の写真が映し出されていく。その後、楽器陣がゆっくりと舞台上に姿を現し、最後に夕霧(Vo)が2階席と同じ目線にあるステージにポップアップで勢いよく登場、ファンの度肝を抜いた。1曲目の「トレゾア」で会場を温めた後は、「ジュリエットのナイフ」「罪な罰」、MCを挟んで「Seaside Avenue」を披露していく。「この曲の並び、もしかして!」と気付いた人も多かったことだろう。この3曲は、2012年に行われた結成5周年記念ワンマン『5th Anniversary ONE-MAN Tour“DREAMER”』の時と同じセットリストである。こうした遊び心を自然と入れてくるのも面白い。また、「音楽が消えた日」や「HATSUYUME」といった新曲も良いアクセントとなっていた。「HATSUYUME」では、風弥〜Kazami〜(Dr)の叩き出すリズムに誘われるように楽器隊がそれぞれ熱いビートを奏でていく。1曲を通して複雑に絡み合う構成にも関わらず、それをいとも簡単に操っていくことができるのが、ハイトーンボイスの夕霧だ。DaizyStripperのボーカリストとしての力量が惜しみなく味わえる仕上がりとなっていたのは言うまでもない。
遊び心といえば、本編中盤でのメドレーもそうだろう。メドレーと称して、これまでの人気曲を15曲、その中でも「Tokyo Underground Fxxk」は、冒頭のスタイリッシュな流れから打って変わって、サビ部分〈だるまさんが だるまさんが転んだ〉でフロント陣が一斉にチャーミングな振り付けを見せてくれるところに目を奪われた。こうして、“かっこいい”と“可愛らしい”が共存しているのもDaizyStripperのバンドとしての強みではないだろうか。メドレー後に演奏された「D.A.I.Z.Y」はメンバーのキャラクター紹介を曲に盛り込み、「エンドレスリピート」では「15周年はいちご(15)ということで、いちご味のジョアで乾杯しましょう!」との煽り文句から、メンバー全員で間奏中に一気飲みするという場面も。とにかく、ライブが楽しくて仕方ないという表情で演奏している5人を観て、客席にいるトレゾア(DaizyStripperファンの総称)もマスクの下は思い切り笑顔だったはずだ。そして、ラストを「aquarium」で締めくくると、満足した様子でメンバーはステージを去っていった。