超特急、「クレッシェンド」に込めた8号車への感謝と深い愛 デビュー10周年ツアーと“進化”への意気込みを語る

超特急、10周年に届ける感謝

 現在放送中のドラマ『理想ノカレシ』(TBS)のオープニング主題歌でもある、超特急の新曲「クレッシェンド」。6月10日から配信がスタートするこの曲は超特急のCDデビュー10周年を記念した楽曲でもあり、メンバー自身の思いが歌詞に反映されたスペシャルな1曲となっている。

 超特急は4月後半からスタートしたツアー『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」』の初日公演で、新メンバー募集のためのオーディションを開催すると発表しており、今回の新曲が5人体制としてはラストになる可能性もある。新曲に込めた8号車(ファン)への感謝の気持ちを軸に、発表した時の胸中や今後の体制などについて話を聞いた。(山田邦子)

【オリジナル動画】メンバーに“ありがとう”と思ったこと

超特急がメンバーへの感謝を大告白!

「僕たちと8号車の関係性にはぴったりな言葉」(リョウガ)

ーー6月10日から配信がスタートする「クレッシェンド」は、超特急の10周年を記念した楽曲になっていますね。

カイ:超特急は記念日を大事にしているグループなので、結成日の12月25日と8号車の日の8月8日、そしてCDデビュー日の6月10日にはこれまでも必ずイベントやライブ、リリースなどをやってきました。今年はCDデビュー10周年ということもあったので、感謝の気持ちを込めた記念の楽曲を出そうという話になりました。

「クレッシェンド」Music Video

ーードラマ『理想ノカレシ』のオープニング主題歌として、すでにお聴きになっている方も多いと思います。

ユーキ:だと嬉しいです。今回は10周年の楽曲を制作しましょうという話の流れの中で、タイアップの話もいただいて。ドラマの内容などもすり合わせつつ、並行して作り上げていきました。

タクヤ:超特急にとって、節目となるタイミングでリリースする大事な曲。タイアップもいただけてすごく光栄です。

ーー楽曲をいただいた時の第一印象などはいかがでしたか?

タカシ:王道のJ-POPっぽさは残しながらも、今の時代の流れには合わせない感じというか。曲調もかなりイレギュラーに変わっていたりして、洋楽っぽさも入っていますね。でもトータルとしては、超特急らしいJ-POPのあるべき姿みたいなものが見える1曲になっているかなと思います。聴いていてすごく新鮮味もあるけど「そう、これこれ!」って部分もある。きっと馴染みやすい曲調だと思います。一方歌詞は、すごくシンプル。ストレートに思いを伝える、メッセージ性のある歌詞になっていますね。そのバランスがすごくいいなって、聴いていて客観的に思いました。

ユーキ
ユーキ

ユーキ:僕はすごくトリッキーな曲だなという印象でした。サビが特徴的ですよね。2段階で来る〈ありがとうのクレッシェンド〉の繰り返しのタイミングが「そう来るのか」って感じで。AメロやBメロは落ち着きもありつつオシャレで、だんだん熱くなっていきながら壮大に広がっていくじゃないですか。聴いていてクセになる構成だと思うし、言葉の使い方とかも耳に残る曲になっていると思いました。

リョウガ:これまでの超特急の曲を振り返ってみると、前向きで明るくてあたたかい曲が多いんですけど、そういうタイプの曲って、メロディも王道なものだったりすると思うんですね。でも今回は、ちょっとクセがある感じ。少しだけ独特な感じのあるメロディになっているから、その組み合わせの感じが新しいなって思いました。今までにない感じで、また新しい形が見せられる曲なんじゃないかな。

タクヤ:僕はデモの段階ではあまり想像がつかなかったんですが、タカシの声が入って、ちゃんと超特急のものになったなって思いました。

ーータイトルの「クレッシェンド」は音楽用語ですね。

リョウガ:「だんだん強く」っていう意味なんですけど、歌詞にもある通り、「ありがとう」という気持ちが止まることなくどんどん高まっていく感じを表現しています。感謝だけじゃなく、もっと大きな意味での「愛」が強まって深まっていくということも込められていると思うので、僕たちと8号車の関係性にはぴったりな言葉だなと思いました。音楽をやっている人には馴染みがあると思うけど、たぶん日常生活ではあまり使わない言葉ですよね。だからこそ、逆に耳に残るのかもしれません。

ーー歌詞にはメンバー自身の思いも反映されているそうですが、具体的にはどのように制作を進めていったんですか?

カイ:最初に、こういう方向性でいこうと思うという歌詞をいただいて、全体的な方針としてもうちょっとこうしたい、ここはもっとこういう感じがいいとか、それぞれ意見を出していきました。

タカシ:歌詞のタタキをいただいた段階で曲としては完成していたんですけど、もう少し超特急っぽい部分があってもいいかなと。

カイ:僕は、ドラマとの兼ね合いもあるから普遍的なメッセージを入れつつ、超特急を好きな人が聴いたら「これは超特急のことだな」ってわかるフレーズやパートがあってもいいんじゃないか、と言わせてもらいました。あとは「ありがとう」を伝える曲でもあるので、歌い出しの単語としてもうちょっと前向きな方が感謝の気持ちがダイレクトに伝わるんじゃないかということも。歌詞の方向性としてネガティブだったわけじゃないんですが、例えば涙とか、単語としてそういうものがあったので。

ーーそんな風に作っていったんですね。

カイ:1番はドラマっぽいというかすごく普遍的なメッセージで、2番がちょっと超特急っぽい歌詞。ドラマで流れるのは1番とラスサビだと思うけど、超特急を好きな人はきっとフルで聴いてくれると思うから、超特急らしい部分もちゃんと伝わると思うんですよね。例えば〈線路〉と書いて“みち”と読むあたりとか。構成として見ても、すごくいい感じになったなって思っています。

ーー超特急のこれまでを、色々と思い返しながら聴く8号車の皆さんも多いのかなと思います。

タカシ:そうですね。僕たちには変わらないものがあることや、〈忘れないあの約束〉とか、やっぱり8号車のみんなは思ってくれると思うんですよ。全部を言葉にしなくても、頭の中で合致する部分があるというか。そういうのを、例えばライブで披露した時なんかにふっと感じてくれたら嬉しいです。

ーー新メンバー募集という驚きの発表もあったからこそ、今後ライブで披露されたらグッとくる方もいそうですね。

タカシ:でもこんなにも明るく感謝を伝えられる曲だから、それはそれでいいと思います。ポジティブな意味での涙って、すごく綺麗だと思うから。そんな景色も見れたらいいなって思います。

ユーキ:そうだね。たぶん今やっているこのツアーのどこかで初披露になると思うんですが、パフォーマンスに関してはまだ何も決まっていなくて。これから頑張って考えます(笑)。

ーーやはりこの「クレッシェンド」という言葉が振り付けでもキーワードになりそうですか?

ユーキ:そうですね。やっぱりパワーワードでもあると思うから、それをどう表現しようかなっていうのはあります。めちゃくちゃ悩むと思うし、内心はすごく焦ってますけど(笑)。

カイ:でも楽しみですよ。明るい「ありがとう」だからいいですよね。ライブでも、お互い軽快に感謝を伝えられる曲だと思う。

ーー今回のツアー自体、ハッピーなムードが全開ですからね。幕開けからとにかくポジティブな空気が伝わってくる内容です。

カイ:演出もセットリストも、超特急らしいですよね。超特急って今までも激しい曲をやった後にいきなり感動系のミディアムな曲を入れたり、突拍子もないことをやってきたグループなので、まさに、今回のセットにもあったジェットコースターみたいな感じ(笑)。だから遊園地というテーマは、すごく合ってるなと思います。遊園地といえば、以前『Fantasy Love Train』(『超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~』)というライブをやりましたけど。

タカシ:そうだね。

カイ:初めて国立代々木競技場第一体育館に立った時の思いもありつつ、それも含めてより進化した超特急であり、今だからこそできる超特急のパフォーマンスが今回のツアーにはすごく詰まってます。かっこいい系も、聴かせる系も、お楽しみな部分もいっぱいあります!

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