Roselia、5人の提示した“バンドの未来” 新機軸のサウンドで圧倒した『Episode of Roselia』DAY2レポ
Roseliaが、5月21・22日、富士急ハイランド・コニファーフォレストでの野外ライブ『Episode of Roselia』を開催した。Roseliaは、メディアミックスプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」から生まれた声優バンドユニット。5月19日にはミニアルバム『ROZEN HORIZEN』をリリースしたばかり。今回のライブは、昨年公開された劇場版アニメと同タイトル『Episode of Roselia』を冠し、Roseliaの“これまで”をテーマとした1日目『DAY1 : Weißklee(ヴァイスクレー)』、Roseliaの“これから”を示す2日目を『DAY2 : Rose(ローゼ)』と、異なるコンセプトが掲げられた。本稿は5月22日に行われた『DAY2 : Rose(ローゼ)』の模様をレポートする。
SEに合わせ手拍子で5人の登場を待つオーディエンス。5人は静かに手を振りながら入場し、あたたかな拍手で迎え入れられる。オープニングナンバーは「Sing Alive」。1曲目から、ハイトーンボイスを駆使したボーカルと疾走感あふれる演奏を観客に叩きつける。2曲目は「BLACK SHOUT」。湊友希那役・相羽あいな(Vo.)が「DAY2 盛り上がっていくわよ!」と叫び、氷川紗夜役・工藤晴香(Gt.)がギターソロで聴かせる。スクリーンに映されたアニメーションとも見事にシンクロし、迫力あるパフォーマンスで魅せた。
それぞれのキャラクターボイスでの注意事項や、拍手によるコールアンドレスポンスを含んだMCを挟み、相羽あいなが「昔の私達があるから今のRoseliaがある」と告げると、人気曲「FIRE BIRD」がスタート。キーボードとボーカルの奏でる美しい旋律に、ベース・ドラム・ギターが音に重みを乗せる。各メンバーのソロボーカルやセリフ、炎を使った演出と、ステージのエネルギーが上がりきったまま、ノンストップで「R」へ。今井リサ役・中島由貴(Ba.)のベースソロがクールに決まり熱気が客席に伝染してゆく。そんな中島も間奏中に指ハートを見せるなど、格好良さの中にチャーミングな一面を見せ会場を沸かせた。
MCでは、未来がどうなるかわからない、としながらも「Roseliaという帰る場所を思い出してほしい」と語る。DAY2のコンセプトどおり、Roseliaの“これから”をファンに示すような「Sprechchor」「約束」が続けて披露された。白金燐子役・志崎樺音(Key.)のキーボードは可憐さと力強さを両立し、エモーショナルな楽曲に深みと彩りを加えていく。「約束」では、相羽がステージを左右に大きく動き、メンバーと近い距離で目を合わせるなどバンドメンバーの絆を感じさせ、その歌声にも熱が帯びてゆく様が印象的だ。
ステージから5人が一旦退場すると、スクリーンには「キャラ設定を崩しちゃいけない!!“これまで”と“これから”(略称:「キャラくず」)」というクイズバラエティが流れる。本人の魅力やキャラクターとのギャップ、また作品を離れても5人の仲の良さや楽しさが変わらず本物であることが伝わる充実のムービーに、客席からは思わず笑いが漏れ聞こえる、和やかな時間となった。
楽しい映像から一転、衣装をチェンジして再登場し後半の冒頭を飾ったのは、この日初披露となった「閃光」。Eveによる提供楽曲で、注目度も高い新曲だ。メンバーも「新鮮」「普段使わないような音色やフレーズで、新しい」と語るように、Roseliaの激しい個性に加えて、彼女たちの音楽性をさらに拡張するようなキャッチーなメロディとスタイリッシュなサウンドに、客席からも大きな拍手が起こった。
「Neo-Aspect」、さらに続く「熱色スターマイン」では、終始ハイレベルなパフォーマンスを見せる宇田川あこ役・櫻川めぐ(Dr.)と、中島のリズム隊が生み出すグルーヴがより一層熱を帯びてゆき、真っ赤なペンライトで染め上げた客席の盛り上がりも最高潮に。ギターやキーボードの音色も鋭さを増し、野外ライブに映える楽曲群を見事なまでにパフォーマンスした。
これまでも富士急ハイランド・コニファーフォレストでのライブを成功させてきたRoseliaだが、「5月にここでライブをするのは初めて」と語り、気温が下がるなかで客席のファンを気遣う。富士急ハイランドでの思い出を楽しげに語る場面では、キャラクターに徹していた表情を崩しながら、楽しげな素顔を見せた。その素顔の中にもRoseliaの未来が垣間見え、役を超えたリアルバンドの固い絆を感じさせる。