Juice=Juice 稲場愛香卒業公演「私のアイドル人生は、本当に幸せでした」 一面ピンクの武道館から送り出した旅立ち

 Juice=Juiceが5月30日、東京・日本武道館にてワンマンライブ『Juice=Juice CONCERT TOUR 〜terzo〜 FINAL 稲場愛香卒業スペシャル』を開催した。これは3月20日にスタートした単独コンサートツアーの千秋楽として行われたもので、本公演をもってグループおよびハロー!プロジェクトを卒業する稲場愛香の卒業公演にもあたる。ここでは本公演の模様をレポートする。

 開演前にはオープニングアクトとしてOCHA NORMAが登場し、この日初披露となる新衣装に身を包んで「恋のクラウチングスタート」を歌唱。体調不良で療養中の西﨑美空を欠く形でのパフォーマンスとなったが、フレッシュな歌とダンスで先輩の卒業公演に花を添えた。そして定刻を迎え場内が暗転すると、オープニングムービーに続いてハードロックテイストのギターリフが場内にこだまする。そのリズムに合わせてJuice=Juiceの9人が入場口より姿を現し、パワフルなダンスロック「Va-Va-Voom」で公演の口火が切られた。

 この日のステージはアリーナ中央に設置され、360度を客席が囲むスタイル。といっても今までのコンサートでよく使われていたセンターステージから四方に花道とサブステージを置く十字型ではなく、アリーナを南北に二分するような横長レイアウトとなっており、メンバーたちは縦横無尽というよりも“横無尽”にステージを駆け回りながらパフォーマンスを展開していった。

 コンサート序盤は、人気曲「プラトニック・プラネット」や「『ひとりで生きられそう』って それってねえ、褒めているの?」をはじめとするアグレッシブなアッパーチューンを中心に進行。そこに入江里咲のセリフパートが含まれる「POPPIN' LOVE」や、井上玲音のボイスパーカッションをフィーチャーした「STAGE〜アガってみな〜」、間奏で有澤一華がバイオリンのソロを弾き倒す「Future Smile」などが挟まれていく。

 揃いの振りではタイトなリズム感覚で一糸乱れぬシンクロダンスを見せたかと思えば、上記のような個人技や段原瑠々らによるフェイクパートも織り交ぜながらメンバー個々の見せ場でも聴衆を魅了していく彼女たち。さらには「ポップミュージック」への導入的なブロックとして9人全員が順にソロダンスを披露するセクションも組み込まれるなど、稲場が「今日はこの9人の集大成を見てもらいたい」と語った通りに彼女たちの培ってきた団結力や表現力が遺憾なく発揮される曲目が次々に繰り広げられた。

 ライブ中盤には、稲場を軸とした少人数ユニット編成での「卒業スペシャルメドレー」が披露された。最初に稲場・有澤・入江・江端妃咲の4人で「初めてを経験中」をキュートに歌い、次に稲場・工藤由愛・松永里愛の3人で「好きって言ってよ」をクールにパフォーマンス。続く稲場・井上のデュオで届けられた「微炭酸」では、ピアノ&アコギ伴奏によるアコースティックアレンジが2人の美しいハーモニーを際立たせる。そして稲場・植村あかり・段原による「続いていくSTORY」でこのメドレーは締め括られた。

 この流れを受け、4月リリースのニューアルバム『terzo』収録のユニット曲「雨の中の口笛」(工藤・松永・有澤・入江・江端)と「Mon Amour」(植村・稲場・段原・井上)が続けざまに投下されたのち、ライブは終盤戦へ。アッパーなラテンナンバー「Fiesta! Fiesta!」や、ロックンロールテイストの自己紹介ソング「GIRLS BE AMBITIOUS! 2022」などが息つく間もなく連発され、客席はもちろんメンバーたち自身のテンションもますます高揚を見せていく。そして本編ラストにはアンセミックなミディアムチューン「Familia」が爽やかに歌われ、ステージは一旦幕引きとなった。

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