草なぎ剛を紐解く言葉:俳優、ビンテージ、優しさ……信念やこだわりを貫く、シンプルな人間像
優しさ:常に“いい人”であり続けられる理由
1997年のドラマ初主演作のタイトルもあってか、草なぎには“いいひと”の印象が強い。たしかに穏やかな口調、柔和な表情からは“いいひと”のムードがただよう。
一方で彼は、“いいひと”とイメージ付けられる自分に対して常に疑いの目を向けているようにも思える。雑誌『週刊文春』2020年10月1日号では、一時活動を休止していた際の生活について「毎日日記をつけてました。ほら、今回のコロナのステイホームじゃないけど、やること何か決めないと、どんどんどんどんだらけていっちゃうじゃないですか。だから朝からちゃんと掃除したり、運動したり、あと、日記を書いたり。すごく生活が整っていたので、精神的に清く正しい感じになってたのかもしれない」と回想した。
さらに同誌では「すごくたくさんの方から手紙、いただいたんです。いまでも大事にとってあって、ちょっと俺って調子乗ってるかな? なんて時に読み返すようにしてます。うわ、俺ってホントに愛されてたんだな、ちゃんと愛情に応えていかなきゃいけないなって」と、ファンの気持ちを糧に活動していることを明かした。
草なぎはそうやって周りの声を聞き入れて、ここまでやってきた。その点では確かに“いいひと”なのかもしれない。ただし、その内側はとてもストイックなのだ。
草なぎの魅力は、繰り返すように自分の道を歩んでいるところである。しかしひたすら前に進むだけではない。たどってきた道をきっちり思い返し、良くなかったところを見直しながら活動している。とは言っても、決して気負いすぎてはいない。2021年4月18日放送『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)では、『ミッドナイトスワン』での役作りについて問われ「間違ったらもう1回やればいいや、という感じでやったらできちゃった」と笑っていた。
この言葉は芝居のことだけではなく、どんな物事にもあてはまる。間違ったらもう1回やればいいーーその答えはとてもシンプルだ。
※1:https://www.asahi.com/articles/ASPB15Q82P9ZUCVL01T.html
※2:https://www.asahi.com/articles/ASP4151JVP3TUCVL00X.html
※3:https://oceans.tokyo.jp/article/detail/26777
※4:https://www.asahi.com/articles/ASQ4W6QVCQ4QUCVL03R.html