dodo、asobi、gb……自己表現に長けた次世代ラッパー/ヒップホップアーティスト リリックとサウンドから感じる新時代
gb
日本とアメリカのアイデンティティを持ち、価値観や考え方を押し付けることなくフラットに紡ぎ出すリリックと、R&Bやソウルを感じさせる歌声が特徴のラッパー・gb。
Kool & The Gangのジョージ・ブラウンを父に持ち、幼少期から日本とアメリカを行き来しながらも、多くを日本で過ごしてきたという。癒やしや休息を届けてくれるような優しい歌声と、様々な古い固定概念を壊してくれるようなリリックは、凝り固まった頭や心をほぐすような不思議な力を持っている。
作詞家、作曲家として、これまでSixTONESや向井太一といったアーティストの楽曲を手がけている一方で、2019年からは本格的にソロ活動をスタート。2020年に発表した「STRESS」はTikTokから火がつき、彼の代表曲となった。今年2月にリリースされた新曲「丁寧な暮らし」も、明日への元気がもらえるような楽曲となっている。
槇原敬之を愛聴するという彼が作るキャッチーなメロディからも、今後幅広い世代に愛されることが窺える。
今回紹介した3組の作品には、まさに新時代を感じるリリックとサウンドが共通している。Z世代の特徴とも言える“多様性を当たり前として受け入れ、その中で自分らしさを大切にする”姿勢が、私達を肯定し癒やしてくれる存在に。また時に、自分らしさを開放する遊び場ともなってくれるのだ。世界のZ世代の趣味1位が音楽となったように(※2)、今後さらに多様化する音楽の可能性を広げることを期待されるアーティストとなるだろう。
また、ネット環境が整った時代に様々な音楽に触れてきた彼らが制作する楽曲は、お洒落で贅沢なサウンドばかりだ。またキャッチーさ、ポップさも兼ね備えている彼らは、今後様々なメディアで見かける日も遠くはないだろう。そして、実力派の彼らは音楽イベントやフェスのステージ上でもきっと私達を盛り上げ、楽しませてくれるに違いない。
※1:https://lp.p.pia.jp/article/series/222246/222247/index.html
※2:https://ampmedia.jp/2020/02/25/global-genz/