MANNISH BOYS、奔放なロックンロールを鳴らし続けて10周年 斉藤和義&中村達也が共鳴するライブの魅力

10周年のMANNISH BOYS、ライブの魅力

 今年9月にデビュー10周年を迎える、斉藤和義と中村達也によるロックンロールユニット MANNISH BOYS。アニバーサリーイヤーを記念して、6月1日に初のライブ映像作品『MANNISH BOYS LIVE BOX 〜Pieces of 10 years〜』(DVD3枚組)がリリースされる。2014年、2017年、2019年の各ツアーファイナル公演の映像を収めた本作に映し出されているのは、斉藤和義と中村達也の音と声がぶつかり、共鳴することで生まれる、鋭利で豊潤なロックンロールそのものだ。

 2011年、斉藤と中村で結成されたMANNISH BOYS。同年の『FUJI ROCK FESTIVAL』や『ARABAKI ROCK FEST.』などに出演した際は、“斉藤の楽曲をアコギの弾き語りとドラムで演奏する”というスタイルだったが、1stアルバム『Ma! Ma! Ma! MANNISH BOYS!!!』(2012年)リリース以降は、“ボーカル&エレキギターとドラム”というスタイルに移行。さらに斉藤と中村の2ピースのみならず、サポートメンバーの堀江博久(Ba/Key)を加えたトリオ編成を中心に、ゲストプレイヤーを迎えたりすることもあり、キャリアを重ねるごとに自由度を増している。変わらないのは、ライブ開演前のSEが(バンド名の由来となった)マディ・ウォーターズの「マニッシュ・ボーイ」ということくらいだろうか。

 MANNISH BOYSの核はもちろん、斉藤、中村の自由で奔放なプレイだ。楽曲制作も2人のセッションから始まることが多いのだが、斉藤、中村がお互いの音色やフレーズに反応し、刺激に溢れたアンサンブルへと結びつけるプロセスを体感できるのは、やはりライブ。こんなにも開放的で、こんなにもスリリングなロックンロールを体現しているバンドは、本当に稀だと思う。

MANNISH BOYS(斉藤和義×中村達也) ‐ LIVE BOX 〜Pieces of 10 years〜  トレーラー

 では、ライブ映像作品『MANNISH BOYS LIVE BOX 〜Pieces of 10 years〜』の内容を紹介していこう。まずはDISC1『GO! GO! MANNISH BOYS!!! 2014 ワンマンツアー Live at ZEPP TOKYO 2014.10.29』。2ndアルバム『Mu? Mu? Mu? MANNISH BOYS!!!』(2014年)を提げたツアーのファイナル公演の映像だ。斉藤、中村、そして堀江の3人編成による、ベーシックなMANNISH BOYSのステージを体感できる。

 ライブは、スズキの名車“GS750”をテーマにしたロックンロール「GS750」からスタート。ザ・クロマニヨンズへのオマージュに溢れた「GO! GO! Cherry Boy!」、ポップで軽快な「いとしのジェニー」など、アルバム『Mu? Mu? Mu? MANNISH BOYS!!!』の収録曲を中心に進行する。中村の鋭利なビート、斉藤のシンプルなギターリフが絡み合う「ボンクラゲ」など、緊張感と楽しさが同時に伝わってくるアンサンブルはMANNISH BOYSならでは。斉藤のタッピングのフレーズをルーパーで重ねながら披露された「The time has come」、中村の渋すぎるポエトリーリーディングをフィーチャーした「DIRTY BUNNY」、「たっちゃん(中村)に聞きたいことがあるんだけど。Are you dandy?」(斉藤)から始まった「I am Dandy」など、まさに見どころ満載だ。

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