NCT SHOTAROが語る、挑戦することの大切さ ダンス好きの少年が世界で活躍するアーティストになるまで
世界的に活躍するK-POPグループ・NCTには現在2名の日本人メンバーが所属している。1人は主にNCT 127で活動するYUTA。彼はInstagramの日本人男性フォロワー数第1位、今秋公開の映画『HiGH&LOW THE WORST X』に中本悠太として出演することが決まるなど、個人としても注目を集める存在だ。
そしてもう1人が今回紹介するSHOTAROである。2020年、彗星の如くグループへの電撃加入を果たし、デビューステージで披露したダンスは一瞬にして世界中のK-POPファンを虜に。今やInstagramのフォロワー数も510万人超えでYUTAに次ぐ2位と多くのファンが彼の動向に熱い視線を注いでいる。
今回リアルサウンドでは、久々に日本へ一時帰国したSHOTAROにインタビュー。これまであまり語られてこなかった幼少期~デビューを掴むまでの背景や海外生活での苦労など、貴重な経験談を語ってもらった。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
インタビューの模様を動画でもチェック!
ダンスをやっていく中で自然と芽生えたアーティストへの夢
――SHOTAROさんは5歳ごろからダンスを始めたということですが、当時のことは覚えていますか。
SHOTARO:鮮明に覚えているわけではないんですけど、当時母に地元のダンススクールに連れて行ってもらったのが、ダンスを始めたきっかけでした。最初にダンススクールに行った時は周りに上手な子ばかりで、怖くて泣いていたそうです(笑)。最初は右も左もわからない状況だったと思います。
――最初にダンスを楽しいと思ったきっかけは?
SHOTARO:こちらもはっきり覚えているわけではないのですが、1年に1回地元のダンススクールで発表会があって。その舞台に立った時に「楽しい」という感情になっていたと思います。そこからだんだんダンスの沼にハマっていきました。今につながるような楽しさに目覚めた最初のきっかけでいうと、中学生の時に受けたオーディションかもしれません。初めて合格してステージに立った時、すごく楽しいと思いました。今までなかったような経験だったので、「ダンスでやっていけるかも」と思ったきっかけでもあったと思います。
――そんな小学生や中学生の時によく聴いていたアーティストや曲はありますか?
SHOTARO:僕は小さいころから安室奈美恵さんの音楽をよく聴いていて、ファンクラブにも入るくらい好きだったんです。ライブにも行きました。母の影響で車で流れていた曲を聴いていたりして、僕も自然と好きになっていたという感じですね。歌って踊って一人で魅せられるステージングがかっこいいし、歌声が素敵だなと。僕もダンスをやりながら、安室さんを見て憧れる部分がたくさんあります。今ももちろん安室さんのことを尊敬していて、僕のパフォーマンスにも影響しているところがあると思います。
――当時はK-POPや韓国のカルチャーに興味はありましたか?
SHOTARO:本格的にK-POPを聴くようになったのは高校生になってからですね。でも、BoAさんや東方神起さんの曲はその前からずっと聴いていました。
――まさに先輩ですね。オーディションに合格して、「ダンスでやっていけるかも」と思ったということでしたが、小学生や中学生の時の夢は?
SHOTARO:僕は小学生の時、給食を毎日おかわりするぐらい食べることが好きだったので(笑)、パティシエになることが夢でした。でも、中学生くらいからは本格的にダンスでやっていきたいなと思っていました。もちろん一人で有名なダンサーになることも夢だったし、ダンス留学をしようかなと考えたこともあって。そう考えて振り返ると、世界的に活躍するダンサーになりたかったんだと思います。
――当時はアーティストというより、ダンサー志向だったんですね。
SHOTARO:ダンスをやっていく中で自然と、今度は自分が表に立って輝きたい、アーティストになりたいという夢に変わっていったんです。一番大きなきっかけはNCT 127のコンサートを日本で観た時。NCTならではの世界観に惹かれて、「これだ! ここに入って僕も世界で活躍したい」と思いました。
――デビューする前は、SNSにダンス動画をアップしていましたが、それも表に立つようになりたいという思いからだったんでしょうか。
SHOTARO:そうですね。でも最初にSNSでダンス動画を上げ始めたのは何か意味があってというより、自分のアーカイブ用みたいなイメージで。そのうちに反響もあって、「アップするのはいいかも」と、積極的にSNSに動画を上げるようになりました。確かに反響はあったけれど数字ばかり注目するのではなくて、シンプルに「見てくれる人もいるんだな」と感じて、よりダンスに対する視野が広がったというか、自分のダンスに没頭していくきっかけになりました。
――そして、SMエンターテインメントに所属して韓国に渡るわけですが、渡韓することが決まった時、不安はありましたか?
SHOTARO:行く前は本当に未知の世界だったので、母や父、祖父祖母にも「僕、韓国へ行こうと思うんだけど」と相談しました。これがラストチャンスだと思って、自分の中で1年という期間を決めて、「ダメだったら帰ってきて日本で頑張る」と伝えて渡韓して。海外生活自体が初めてでもあったし、韓国語は日本でも少し習っていましたが、韓国に渡るのをきっかけに本格的に始めたので、最初は不安な部分もありました。
――相談した時のご家族の反応は?
SHOTARO:最初はすごく心配してくれました。「本当に大丈夫?」「行ってどんな生活があるの?」と言われて。「僕もわからないけど、一回チャレンジしてみたい」と説得して、挑戦させてもらいました。あの時の自分に「よくやった!」と言いたいですね。
――実際に韓国で生活する中で、特に大変だったことは?
SHOTARO:一番苦労したのはやはり、言語じゃないかなと思います。毎日韓国語の授業を受けて、自分でも映画を観たりして勉強したんですけど、周りの方々も助けてくれて。最初は通訳の人と一緒に表舞台に立ったりしていたし、練習の時も日本語を話せる方に助けていただきました。今考えてみたら本当に大変だったんですけど、メンバーや周りの友達、スタッフの方々が助けてくれたからこそ頑張れたと思います。
――韓国語を身につけるのは大変だったと思うのですが、何が一番効果的でしたか?
SHOTARO:コミュニケーションをとることだと思います。インプットしたものをアウトプットしないと絶対伸びないなって。言語を新しく習得するのは今回初めての経験だったんですけど、そう感じました。
――食べ物などで苦労したことはありましたか。
SHOTARO:僕は元々韓国料理がすごく好きで、日本でもサムギョプサルやチーズボールを食べていて。そういうものを食べるのは韓国で食べる方が良いですね。本場の味というか。でも、たまに日本の食べ物が恋しくなるので母に調味料を送ってもらって、自分で作ったりもしています。
――そしてその後、NCTに参加することになりますが、当時の心境はいかがでしたか。
SHOTARO:率直に嬉しかったです。でも、すでに活躍しているグループの中に入っていくという意味では少なからず不安な気持ちもありましたね。
――実際に加入してみて、グループに対する印象の変化はありましたか?
SHOTARO:印象が大きく変わったということはなくて。やっぱり元々持っていたイメージ通り、楽曲を作る過程が独特でした。NCTというグループは無限拡張、ボーダーレスというコンセプトですが、楽曲に合わせてメンバーが変わったり、パワフルな曲も柔らかいR&Bやポップな曲もできる、NCTだからこそ作れる楽曲がたくさんあって。今のところ僕はHIPHOPっぽい曲を中心にやっているんですけど、今後は色々なものにも挑戦していきたいなと思っています。メンバーもイメージ通り優しい方々ばかりでした。それはもちろん、今も変わらずです。