Morfonica、朗読劇と共に紡ぐ希望の歌 音楽に込めた思いを具現化したコンセプトライブ『Resonance』レポ

Morfonicaが紡ぐ希望の歌

直田姫奈
直田姫奈

 音楽の力を信じて歌手という夢に向かって邁進する少女。その姿を見た友達は、自分の中にある音楽への愛情を押し殺しながら、「音楽なんてまだやってたんだ」と冷たい言葉を投げかける。だが、少女は友達の本心を掬い取り、優しく手を差し伸べる。

「またやろうよ、音楽。私と一緒に!」

 意を決して一歩踏み出すことを決めた2人。「Secret Dawn」では、再び差し込み始めた希望の光をサウンドでしっかりと表現していく。少女と友達の誓いを証明するように、小指を高くつき上げながら歌われた“ゆびきりげんまん”のフレーズにグッときた。また、欠席だった西尾の思いを引き受けるように、西尾の立ち位置へと移動して演奏していた直田の姿も強く印象に残った。モニカの5人の揺るぎない絆がそこにはあった。疾走する「ブルームブルーム」では芽吹いていくポジティブな感情を伝え、mikaの卓越したドラムソロからスタートしたカバー曲「chAngE」では彼女たちの気持ちをさらに加速させていく。

 音楽への思いをより確固たるものとし、少女と友達の2人は音楽を忘れてしまった町のみんなの気持ちを動かすためにライブをすることに決めた。爽やかに新たな始まりを描きだした「ハーモニー・デイ」。メンバー5人それぞれがボーカルを繋いでいくパートでは、町の人々に再び音楽が広がっていく景色が思い浮かんだ。美しいバイオリンの調べの上に、「私は私のまま、誰にも邪魔させない」「物語は結末を変えては導くよ」という朗読が重なり始まったのは「Nevereverland」だ。アグレッシブなロックナンバーに、オーディエンスはこぶしを振り上げる。その沸騰したテンションのまま「flame of hope」へ突入し、ライブは最高潮に達した。そして――。

「音楽をなくした小さな町。音の消された小さな町。静かな静かなその町で、一人の少女が立ち上がる。世界を変えるプレリュード。静寂な町を色づける。音はさらに広がって、そして生まれた“Resonance”。大きな嵐を生み出した、小さな蝶の物語。一人の少女の物語。」

Ayasa
Ayasa

 少女の思いによって音楽を取り戻した町。もう二度と音楽が消えないように祈りを込めて、フルコーラスで「fly with the night」が歌われることで物語は大団円を迎えた。アンコールでは「Fatefull...」と「Daylight -デイライト- 」を感情いっぱいに届けることで、「Morfonicaなりの“Resonance=共鳴”」を表現した一夜は幕を閉じた。

  物語の中で少女の父親が語ったセリフがある。

「仲間と演奏して歌う、それを聴いてくれる人がいる。こんな素敵なことはないよ。音楽でもっと素敵な世界を作りたい、音楽は誰かを救うためにあるんだ」

 その言葉は紛れもなくモニカ自身の強い思いだったに違いない。彼女たちはこれからも5人で演奏する喜びをかみしめながら、誰かの心を救うために自らの世界を音楽で紡いでいくことになるのだろう。6月18日にはRAISE A SUILENとの2マンライブ『Mythology Chapter 2』が富士急ハイランド・コニファーフォレストで、さらに9月23日には次なる単独ライブイベントが有明アリーナで開催されることも決定している。ライブを重ねるごとに磨き上げられていくモニカのライブスタイルが、ここからも進化し続けていくことに期待したい。

mika
mika

 また、リズム&アドベンチャーゲーム「バンドリ! ガールズパーティ!」では現在、この日に演奏された楽曲を集めた特別ステージが「ステージチャレンジ」機能に追加されている。最新のモニカの姿を鮮やかに提示したライブを、ぜひゲーム内でも追体験してみて欲しい。

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