Snow Man、進化し続けるボーカル表現 経験を経て深みが増す9人の歌声

 “Snow Manの歌にしっかり耳を傾けたい”と感じるようになったのはいつ頃だろうか。特に印象に残っているのは、昨年12月リリースの5thシングル曲「Secret Touch」のパフォーマンスをテレビで目にするようになったあたりの頃。Snow Manといえばこれまで長らくアクロバットを得意とするダンス集団として紹介されることが一般的であった。しかし今、デビュー3年目にしてダンス&ボーカルグループとしてのパフォーマンス力に一層の磨きがかかり、とてもいい状態にあるように見える。5月4日にリリースされたLIVE DVD&Blu-ray『Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania』からもそう感じた。

 Snow Manのメインボーカルと呼ばれ、グループの歌を牽引してきた渡辺翔太。自身も明らかにしているように過去にはスランプに陥った時期もあったが、今では一切曇りのない清々しいロングトーンやフェイクを響かせ、楽曲のダイナミズムを引き出している。特にバラードにおける艶やかな歌声は抜群だ。阿部亮平、目黒蓮とのユニット曲「360m」では中央に位置付き、温かくも力強い歌唱で二人をリードする姿が実に頼もしく映った。同曲における阿部・目黒の歌声も素晴らしい。それぞれが歌の解釈を深めた上で臨んだというだけあり、まさに目の前に情景が浮かぶよう。その他の曲でも阿部は低音域の太い歌声から繊細な歌声までを操り、目黒は先述の「Secret Touch」はじめ最近ではソロパートでも存在感を発揮している。

 深澤辰哉と岩本照の歌声にも惹きつけられるものがある。深澤はグループでも随一のクリアな歌声の持ち主。岩本はラップの印象も強いが安定した歌声で二人はどんな曲にもハマるオールマイティなボーカルが魅力だ。ラウールは歌唱においても色気や迫力を放ち、ワンフレーズでその場を掌握してしまうほどのインパクトをもたらす。向井康二、宮舘涼太、佐久間大介は記名性の高い声色を持つため、彼らの声が随所に聴こえるとより“Snow Manらしさ”を感じることができる。明るく元気なポップなナンバーからしっとりとしたミディアムバラードまで曲ごとに演じ分けるように歌う表現力もポイントだ。

Snow Man 【ユニット曲】P.M.G.・360m・ADDICTED TO LOVE YouTube Ver. From LIVE TOUR 2021 Mania

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