ラストアイドル 阿部菜々実&間島和奏ラストインタビュー 「青春であり、夢であり、全てだった」

ラスアイ 阿部&間島ラストインタビュー

「変な空気にならずに、純粋に笑いあえたのはよかった」(間島)

間島和奏

ーーモー娘。だったら安倍なつみと後藤真希、AKB48だったら前田敦子と大島優子とか、ライバルに近い関係性というのは、女性アイドルグループにおいては多く存在していますが、いざ自分たちがそういった立場に置かれてみてどう思いましたか?

阿部:そういう「ラストアイドルと言えば」という2人になれているのかなって思ったら、私は嬉しいです。

間島:私は負けず嫌いなので、楽曲に対してもこだわりが強いんですよ。だから、自分のやりたいことをやって負けたくないって気持ちはすごくあったので、そうやって注目していただけたことはすごく嬉しかったし、アイドルを見ていてもセンターのメンバーしか覚えてもらえないグループはダメだなと思っていて。もちろんセンターも大事だけど、センターしか注目されないのは違うなと思っていたので、負けないように必死でした。

ーー『大人サバイバー』では阿部さんが団体行動の先頭を担い、間島さんが指揮者を担当しました。

間島:団体行動は初めてみんなで一つのものを作ろうとした企画だったので、前に行かなきゃという意識はあまりなかったです。それよりも、これはアイドルがやることなのだろうかという疑問を感じつつ、最後までやり遂げなきゃっていう気持ちの方が大きかったです。

阿部:余裕はないし、ずっと何をやっているのだろうと思いながらも、やらなきゃ終わらないから、みんなで頑張るしかないよねっていう空気でした(笑)。指揮者として一人だけ大変な役割を担ってくれた和奏ちゃんには「ありがとう」と思っていましたね。

ーーラストアイドルは団体行動や高難易度ダンス、殺陣、ボリウッドダンスと様々な試練を乗り越えてきましたが、今振り返ると糧になっているのではないですか?

阿部:もちろん、結果がどうであれ、ラストアイドルでやらせてもらったことは普通じゃ絶対にできないことですし、これからの人生において糧になると思います。やって後悔したことはないです。

間島:殺陣は習得しておきたいと思っていたので、できてよかったです。重い刀を持つのが、ちょっと嫌だったんですけど(笑)。メンバーの意識が少しずつ変わっていったタイミングの一つだったと思いますね。

ーーラスアイサバイブでは、「阿部菜々実 VS 間島和奏」のカードが再び実現することになったわけですが、当時の注目度はすごかったですよね。総当たり戦の中でも特に意識したバトルだったのではないですか?

間島:ラスアイサバイブが始まって、こんなに苦しいんだって理解していく中で、Twitterで菜々実ちゃんとのバトルについてのツイートを見たり、周りのスタッフの方からも「頑張りなよ」って言わたりして、注目されているのはなんとなく気づいていたので、なにかやらなきゃっていうのは思っていました。

阿部:投票数で言うと全試合の中で一番多かったので、注目されていたんだなと感じましたし、だからこそ自分的には勝ち負けじゃなくて、いい試合にしたいという気持ちがありました。自分で言うのもなんですけど恥ずかしくない、いい戦いだったなって。当時はつらかったけど、総当たりの全試合の中でも一番思い出に残っている試合です。

ーー勝負の後にはお互いを称え合う空気感がありましたよね。

間島:変な空気にならずに、純粋に笑いあえたのはよかったなと思います。

「何がダメだったんだろうという部分は大きい」(阿部)

ーーこれは以前、阿部さんにも話したことがあるのですが、立ち位置バトルで間島さんとのバトルが終わった後に阿部さんが「私を支えてください」と言っていたのがすごく印象的で。「17番という最後の立ち位置に和奏ちゃんが控えているのが強い」と。

間島:私は一番前で「10」頑張るのと、一番後ろの端で「10」頑張るのとでは見え方はだいぶ違うなと思っていて。前だったらそのまま受け取ってもらえるけど、後ろだったら「1」としてしか見てもらえないと思うから、その分「100」頑張らないといけない。そういう意味では、自分はもともとどんな立ち位置にいてもセンターを取る気で頑張らなきゃとずっと思ってきたし、菜々実ちゃんの言葉を聞いてそこは変わらずにやり続けなきゃってより強く思いました。

ーー間島さんは阿部さんと「戦ったことを糧にできる」と言っていましたよね。

間島:普通はどうしてもストッパーがかかっちゃうと思うんですよ。でも、菜々実ちゃんにバトルを挑む時は、みんな自分が出せる最大限を出さなきゃと思って戦っていて。やりきらないとヤバいって思わせる存在なんだなと、ほかのメンバーの試合を見ていても思いました。私もせっかく最後にやるなら菜々実ちゃんと戦いたいと思って選ばせてもらいました。

阿部:やっぱり和奏ちゃんが私に来るのが一番面白いなって思いますし、それを和奏ちゃんも絶対に分かっているから、きっと応えてくれるんだろうなって思ってはいました。私も和奏ちゃんのパフォーマンスを見てさらに頑張らなきゃなって思いましたし、最後に戦えて嬉しかったです。

ーーこのラスアイサバイブでも「これが、最後のチャンスかもしれないから」と示唆されていたり、以前からメンバーのみなさんが危機感を滲ませていたりもしましたが、今回ラストアイドルの活動終了を聞いて、率直にどのように思いましたか?

阿部:覚悟していた部分はあって。ラスアイサバイブではもちろんこれが最後にならないように頑張ろうと思っていたところはあったんですけど、これが最後でも後悔のないようにしようとも思っていました。活動終了が発表されて「あぁ、やっぱりそうか」と納得してしまった自分がいたことも悔しいなって思います。でも、今までいろいろやってきた結果がこれだったから仕方のないことなのかなって、すんなり受け入れられもしました。

間島:私はラスアイサバイブの時に、もうそろそろなのかなとは思っていて。ラスアイサバイブは自分の中でやり切ったと思えるくらいに大変な期間でスッキリした部分もあったんですけど、ラストアイドルがなくなるとは聞いてないぞと思って。こんなにすぐ来ちゃったんだって、衝撃が走りました。正直、ここ1年間くらいはずっといつ活動終了の連絡が来るのかなと思っていたので、「へぇ」「あぁ、来たか」ぐらいにしか思わなかったんですけど、発表されてファンの方が悲しんでいたり、怒っていたり、驚いていたりするのをTwitterで見て、どんどん実感が湧いてきました。今まで全然見たことがなかった人が「初回から観てて、間島ちゃんが好きでした」とかツイートしているのを見たり、ずっと「ラストアイドル」がトレンドに入っているのを見ると、これだけラストアイドルという名前が知られていたのに、その人たちを連れ込めなかったんだなって、悔しい思いがふつふつと湧いてきています。

ーーアイドルにとって卒業公演は一つの華々しいフィナーレですけど、活動終了というラストになってしまったことも悔しいのではないですか?

間島:卒業公演よりも、ラストアイドルとして大きいところに立ちたかったんですよ。卒業公演はもちろん目標だったんですけど、それ以上にこんなところで終わっていいグループじゃない。こんなところで終わっていい仲間じゃないぞっていう気持ちの方が強くて。だから、ラストアイドルで東京ドームに立ちたかったなと思うし、なんで!?って……。こんなに素敵な子たちがいるのに、もったいない気持ちの方が大きいです。

阿部:私も日本武道館に立ちたかったなと思います。アイドルだからもっと大きいステージに立ちたかったのはあるし、単独でもっと大きい会場を埋めたかったなっていうのが最初に浮かぶところではあります。ラストアイドルに入ったからこそできるかもしれないと思って抱いた夢だったので、全部が終わってその夢が消えてしまうのも悲しいし、悔しいし、何がダメだったんだろうという部分は大きいです。

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