Dragon Ash、大切なものを守り抜く誠実さ 金曜ドラマ『インビジブル』主題歌は25周年ならではのスケールに

 続いて、このサウンドに乗せて届けられるメッセージについて。Kj(Vo/Gt)は、ドラマ公式サイトにアップされているインタビュー動画の中で、「Tiny World」について次のように語っている。

「それぞれ自分のすごく小さなミニマルな、絶対に守り抜きたい世界を抱えていて、その集合体が大きな世界であって、自分の世界を大切に守っていく。そのために、努力したり、傷付いたりしているという、人生観の歌です。世界平和とかそういう話ではなくて、まず自分の世界を誠実に(生きる)という曲です」(※2)

 言うまでもなく、ここでKjが語った「Tiny World」に込めた想いは、そのまま『インビジブル』のテーマと重なる。以下、同曲のサビ前における特に象徴的な一節を引用する。

〈こんなにも遠く  消えかかっては/途切れそうになる街灯を辿って/どんなにも脆く  崩れそうだって/僕らは確かに此処に立って〉

 「正義」と「悪」の境界線が曖昧になっていくなかで、それでも真に大切にすべき信念を貫き続けるために、たとえ傷付きながらも闘い続けていく。この楽曲が描き出す誠実な生き様は、これから話数を重ねて物語の展開が加速していくたびに、さらに志村の心情と重なり合い、シンクロ度を高めていくはずだ。

Dragon Ash/Tiny World

 そして何より感動的なのが、今回の新曲は、ドラマの物語に丁寧に寄り添って作られたものでありながら、同時に、Dragon Ash自身が25年間にわたり貫いてきた生き様を表している、ということだ。

 1997年に鮮烈なデビューを果たして以降、瞬く間に日本の音楽シーンを代表する存在となった彼らは、メジャーシーンの最前線へと躍進して以降も、自分たちのルーツであるライブハウスカルチャーやストリートカルチャーへの愛と敬意を示し続け、そのさらなる発展のために貢献し続けてきた。それはまさに、自分たちの「小さな世界」と誠実に向き合うという生き様そのものであり、そのようにして大切なものを守り続けてきたからこそ、彼らはその先に広がる音楽シーン、つまり「大きな世界」へ向けて挑戦し続けることができているのだろう。

〈今のただこの瞬間が  僕らの変えられる全てなら/この夜を願い  この夜だけを願い/塗り替えろ世界〉

 自分たちの「小さな世界」に向き合いながら、そして、過去でも未来でもなく、目の前の一つひとつの瞬間に誠実に向き合いながら、Dragon Ashにしか鳴らすことのできない渾身のミクスチャーロックを鳴らし続ける。25年間、懸命に板の上に立ち続けてきたDragon Ashが届けるからこそ揺るぎない説得力を放つ、とても感動的なナンバーだと思う。

 「Tiny World」は、2022年現在のリアルを映し出した楽曲でありながら、同時に、次の5年、10年へ向けて鳴らされるDragon Ashの新章開幕の祝砲なのだと思う。25周年イヤーを突っ走る彼らの、次のアクションへの期待がますます高まる。

※1:https://www.tbs.co.jp/invisible_tbs/
※2:https://youtu.be/4miu2DVz0LA

Dragon Ash「Tiny World」

■リリース情報
Dragon Ash「Tiny World」
2022年4月20日(水)配信リリース
ダウンロード/ストリーミングはこちら

■番組情報
TBS系 金曜ドラマ『インビジブル』
4月15日〜毎週金曜日22時放送
主演:高橋一生
出演:柴咲コウ、有岡大貴、堀田茜、原田泰造、桐谷健太
主題歌:Dragon Ash「Tiny World」
https://www.tbs.co.jp/invisible_tbs/
https://twitter.com/invisible_tbs/
https://www.instagram.com/invisible__tbs/

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