ジャニーズWESTメンバー分析 第1回:重岡大毅、確かな演技力に宿るリアリティ 底抜けの明るさ持つ不動のセンター
4月26日から新番組『DEEPな店の常連さんに密着 イキスギさんについてった』(TBS系)がスタートし、ますます勢いを増すジャニーズWEST。三者三様のキャラクターが集合した関西出身の7人組だ。メンバーそれぞれの個性と魅力について紹介したい。第1回は重岡大毅。
ナチュラルな佇まいと憑依型の芝居が生み出すリアリティ
熱い。とにかく重岡大毅は熱い男である。グループはもちろん、家族、仕事、ファンに対して溢れんばかりの熱い気持ちに溢れている。重岡はデビュー前、常に大阪松竹座のセンターに立ち続け、関西ジャニーズJr.をけん引してきた。松竹座で行われていた関西ジャニーズJr.の舞台では、重岡が歌うソロ曲「負けへんでBaby」に合わせたファンのかけ声が響き渡り、当時から大変な人気であったことを懐かしく思い出す。
ジャニーズWESTとして念願のデビューを果たしてからは、親しみやすい笑顔と底抜けに明るい愛されキャラでグループのセンターを務めている重岡。デビュー後は俳優として活躍の場を広げ、ファン以外からも大きな評価を得ている。重岡の俳優としての知名度を一気に上げたのは、先輩であり、プライベートでも交流のある錦戸亮主演のドラマ『ごめんね青春!』(TBS系)の海老沢ゆずる役であったように思う。重岡はコミカルに演じ、役柄のあだ名である「からくり人形」の名前で多くの人に認知された。2016年に公開された小松菜奈、菅田将暉主演映画『溺れるナイフ』では、ヒロインに想いを寄せる同級生・大友勝利役を切なく、清々しく演じていた姿も印象的だった。
ここからの重岡の俳優としての活躍は勢いを増し、メンバーの神山智洋とダブル主演のドラマ『宇宙を駆けるよだか』(Netflix)、そしてドラマ『これは経費で落ちません!』(NHK総合)では爽やかで前向きな好青年“太陽くん”役で多くの人の心をつかんだかと思えば一転、ドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)では吉高由里子演じるヒロインの元婚約者で闇堕ちする野中春樹役を巧みに怪演してみせた。またドラマ『悲熊』(NHK総合)では熊の着ぐるみを身に纏った文字通り“悲熊”役を演じたのだが、短編ドラマでありながら、重岡の演じる熊がなんとも愛らしく、毎回ストーリーに引き込まれた。主演として挑んだ『#家族募集します』の赤城俊平役では、初の父親役を好演。妻の死後、悩み、苦しみながらも真っ直ぐに子どもに向き合い、子育てに奮闘するシングルファーザー役を熱演。父親としての苦悩を吐露するシーンを体当たりで演じ、多くの人に感動を与えた。重岡の良い意味で普通っぽい佇まいと憑依型の演技力で、演じる役柄にリアリティをもたらしており、それが重岡と役柄をリンクさせやすい理由の1つになっていると思う。