コアなシーンとメジャーのフィールドでヒット曲を連発 新世代プロデューサー maeshima soshiとは?

シーンの“今”を表現するmaeshima soshiとは?

作品全体を通して“今”を感じられる様々な楽曲スタイル

maeshima soshi & Kai Takahashi & Rin音 / So Far

 今作『yet』でもそのプロデュース力は光っている。

 Kai TakahashiとRin音を迎えた「So Far」は、ソフトな歌声の魅力をメロウなタッチで最大限に引き出している。それでいてビートにはしっかりと重さがあるため、まろやかな感触がありつつも腰に響くダンサブルな仕上がりだ。

 YonYonとの「Found Me」は、日本語/英語/韓国語が交錯するリリックに、絶妙に絡み合う浮遊感のあるトラックが印象的。途中で繰り出されるキラーフレーズ〈安定な道ばかり選ぶ自分 捨てちまえ〉が浮き立つような音の引き算も見事だ。

 Ryohuとの「One Day」では、特徴的な気怠げなラップに合わせてピアノを中心としたチル系のビートを敷き詰める。どことなく日常感のあるムードが心地よい。

 こうした柔らかい雰囲気を持ったサウンドを作り出す一方で、アップテンポな楽曲もお手の物。

 「チューインガム」はmacicoとA夏目とのコラボ曲で、エレクトロニクスを大胆に導入したリズミカルなアレンジが楽しい。水槽とのコラボ曲「Blackout!」では、ラップの鋭さが際立つアグレッシブなEDM系トラックを見せている。挑発的な歌声と、軽快なサウンドとがよくマッチしている。

 このように、ボーカリストの声質や特徴に合わせて楽曲のスタイルを使い分けることができるのが彼の魅力だ。個性の強い楽曲を生み出すクリエイターも重要だが、彼のように歌い手に寄り添い、その魅力を引き出せるプロデューサーの存在もシーンには必要だろう。そして、いずれも現代的なセンスによって作り出されているため、作品全体を通して“今”を感じられるのも良い。

 “maeshimaサウンド”でZ世代を中心に広く支持を集めるmaeshima soshi。今後、彼の手腕によって新たな魅力が開花するアーティストも現れるかもしれない。

■リリース情報
maeshima soshi
2ndアルバム『yet』
https://lnkfi.re/ms_yt_20220415

maeshima soshi & BLOOM VASE / Swipe
https://youtu.be/8dw9RA0GlE8
Label: GMP Records

<収録曲>
1) feat. BLOOM VASE / Swipe
2) feat. Kai Takahashi & Rin音 / So Far 
3) feat. YonYon / Found Me
4) feat. macico & A夏目 /  チューインガム
5) feat. Talitha / Out of Time
6) feat. ALLMO$T / Fly 
7) feat. 水槽 / Blackout!
8) feat. Ryohu / One Day
9) feat. TOOBOE / 空腹 
10) feat. krage / Lost
11) feat. MÖSHI / Give me a light
12) feat. OHTORA / Mirror

Twitter:https://twitter.com/maeshima_soshi 
Instagram:https://www.instagram.com/maeshima_soshi/ 

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