コアなシーンとメジャーのフィールドでヒット曲を連発 新世代プロデューサー maeshima soshiとは?

シーンの“今”を表現するmaeshima soshiとは?

 音楽プロデューサーのmaeshima soshiが2ndアルバム『yet』をリリースした。これまで幅広い活動を繰り広げてきた彼の集大成とも言うべき一作に仕上がった本作は、ラッパーのRin音をはじめ、A夏目やBLOOM VASE、macico、Ryohu、TOOBOE、Kai Takahashi(LUCKY TAPES)やYonYonといった新進気鋭のアーティストを客演に迎えたことで、2022年の音楽シーンの俯瞰図としても楽しめる重要な作品になったと言えるだろう。

 しかし彼の名は、その多岐に渡るキャリアの割に未だ広くは知られていないようだ。そこでmaeshima soshiとは何者なのかをここで改めて振り返ってみたい。

コアなシーンからメジャーのフィールドまでを行き来する新世代プロデューサー

maeshima soshi & BLOOM VASE / Swipe (Official Music Video)

 maeshima soshiは、作詞から作曲、編曲まですべてを行うプロデューサー。活動を始めたのは2018年。それ以降、アーティストに楽曲を提供することもあれば、今回のアルバムのように自身の名義で作品を発表もしてきた。これまでに提供/参加した作品は、ジャニーズ作品からバンド曲、あるいは『ヒプノシスマイク』のようなアニソンまでジャンル問わず幅広く、彼が手掛ける作品は”maeshimaサウンド”と呼ばれている。

 また、自身の楽曲はSpotify月間リスナー28万人(2022年3月時点)を超え、制作した楽曲のストリーミング〜YouTubeの総再生回数はのべ1億回以上と目覚ましい実績を積み上げており、今後のJ-POPシーンを担うプロデューサー〜アーティストの一人として注目されている。CM楽曲の制作も手掛けることもあり、まさに何でも出来る新しい才能として見逃せない存在だ。

 彼の魅力をひと言で表すなら、コアなシーンからメジャーのフィールドまでを行き来できる作家としての振り幅の広さと言えるだろう。

 例えば、2020年にはHey! Say! JUMPの「hearts color」(28thシングル『Your Song』収録)をRin音と共作し、その優れたポップセンスを発揮。温かいピアノの響きが印象的なゆったりとしたラップナンバーでアーティストの魅力を引き出していた。また同年、OHTORAと共作したSUPER★DRAGONの「Distance」(『Burn It Black e.p.』収録)においても日常感の漂うヒップホップ作品を展開し、歌い手の素の表情が浮かび上がるような、素朴な質感のサウンドでグループの一側面を切り取っていた。

 かと思えば、ダンスボーカルグループのFAKYやiScream、あるいは泉まくらや4s4kiといった女性ラッパーの作品にも参加し、アーティストのスタイルに沿った作品を提供している。軽快なポップソングもあれば、イルなラップ曲まで作り出せるのだ。このように、ポップスのど真ん中の歌手からインディーのアーティストまで、相手の魅力に寄り添った作品を生み出せるのが彼のストロングポイントと言えるだろう。

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