Hello Sleepwalkers、怒涛のエネルギーで刻みつけた完全復活 『夢遊ノ果テヨリ』アンコール公演に生まれた圧巻の景色

ハロスリ『夢遊ノ果テヨリ』アンコール公演レポ

 2021年10月に3年ぶりに活動を再開したHello Sleepwalkers(以下、ハロスリ)。3月に行われた復活後初となるツアー『夢遊ノ果テヨリ』のソールドアウトを受け、下北沢と名古屋でのアンコール公演が実現した。こちらも同様にチケットは完売し、彼らの人気が今でも健在だということが数字でよくわかる結果に。そんなハロスリの、下北沢で行われたアンコール公演のレポートを届ける。

 フロアいっぱいに集まったリスナーの拍手に迎えられながら登場した、メンバー5人。ライブは「SCAPEGOAT」で盛大に幕が開けた。会場を一気に沸かせるロックナンバーに、オーディエンスも手を掲げて応える。タソコ(Gt)のテクニカルなギターや、ユウキ(Dr)の体に響くドラムも序盤から炸裂していた。「始めようぜ下北!」とシュンタロウ(Vo/Gt)がギアを入れ、代表曲「午夜の待ち合わせ」をドロップ。サビ前の駆け上っていくようなメロディと共に、会場に熱が帯び、自身の気分が高揚していく感覚がしっかりとあった。息をつかせる間もなく、シュンタロウとナルミ(Gt/Vo)のツインボーカルで歌われる「百鬼夜行」、5人それぞれの技が光るソロ回しが見事だった「虚言症」を容赦なく畳みかける。

 「改めましてHello Sleepwalkersです。下北ただいまー!」とシュンタロウが挨拶すると、フロアから「おかえり」の意味を込めた長い拍手が起こる。また、バンドがデビュー10周年であることも報告し、今度は「おめでとう」の拍手が贈られた。

 復活の挨拶のあとは、10年前のナンバー「21」、アップテンポなメロディに乗せて恋人を失った辛さを綴った「恋煩い」を披露。彼らの休止期間は決してブランクではなく、充電期間だったと思わせる高い演奏力と止まらない勢いを見せつけ、リスナーもしっかりとそれについていく。「天地創造」で見せた、シュンタロウとナルミによるワンコーラスごとの掛け合いも秀逸で、男女ツインボーカル&トリプルギターという彼らのアイデンティティをより一層磨いてきたことを感じられた。

ユウキ

 中盤のMCでは「私も言っておきたい。ただいま!」とナルミが改めて挨拶し、他公演も観た人や初めてハロスリのライブを観に来た人など、来場者アンケートを取ってフロアとコミュニケーションを交わす。昨年12月にリリースされた復活作『夢遊ノ果テヨリ』ではギターとベースを宅録した話をしたり、3人がかりで録ったベースフレーズの再現をしたりとアルバムの制作秘話をしたところで後半戦へ。

 ピアノサウンドを取り入れたエレクトロニックナンバー「過去の色素」の後に投下された「電脳の海」では、シュンタロウの「飛べ!」という合図で、会場のボルテージがさらに上昇。ダンサブルなメロディは目まぐるしく点滅するビビッドなライトとも相性バッチリで、会場にいる誰しもが飛んだり身体を揺らしたりして、音楽を全身で楽しんでいた。

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