櫻坂46、4thシングル『五月雨よ』収録曲の充実ぶり 独自の制度が後押しするカップリング人気

独自の制度が生み出すカップリング曲人気

 櫻坂46は先日、1stシングル『Nobody's fault』収録の「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」YouTubeでのMVの再生回数が、グループ最速で1,000万回に到達している。こうした例にも顕著なように、時に表題曲以上にカップリング曲が支持されているのは、櫻坂46特有の現象と言えるだろう。

櫻坂46 『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』

 櫻坂46はリリース毎に3人のセンターが選ばれる独自の制度を採用している、それによって、収録曲のどれが好みか、あるいは誰のセンター曲が好みか、毎回楽しめるような空気がより広く根付いてきているのだ。ちなみに「僕のジレンマ」はテレビ披露も決まっており、すでにパフォーマンスへの期待感が高まっている。表題曲を凌ぐ勢いを見せているこの曲への盛り上がりは、新しい制度に舵を切った櫻坂46オリジナルの試みが実を結び始めている証と言えるだろう。

 こうした映像付きの楽曲のほかにも、今作には力作が多い。例えば、通常盤収録の「恋が絶滅する日」は要所で英語が使われる軽快な90年代風のダンスナンバー。ライブでの盛り上がりに期待できそうだ。TYPE-C収録の「制服の人魚」は、子供と大人の間で揺らぐ少女の心情がラップ調で歌われる一曲で、シティポップ系のサウンドが印象的なガールズポップに仕上がっている。

 また、「断絶」と「I'm in」の2曲の関係性も面白い。1列目と2列目を合わせた“櫻エイト”が歌唱するのが「断絶」。対して、フォーメーションの3列目メンバー(=“BACKS”)による楽曲が「I'm in」。ポジションによってグループをくっきりと二つに分けているのだ。今までBACKSメンバーによる楽曲は収録されてきたが、櫻エイトの楽曲が用意されるのは今回が初めて。これによって、メンバー同士が次回の選抜をかけて刺激し合える作品になっていると言える。

 今まで以上に充実した楽曲が揃った櫻坂46の最新シングル。一般的には見過ごされがちなカップリング曲の存在を巧みに利用してグループの成長に繋げている。

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