永瀬廉&上白石萌歌『Premium Music 2022』、生田絵梨花&濱家隆一『Venue101』……新音楽番組MCの共通点は“世代交代”?

生田絵梨花&濱家隆一(かまいたち)『Venue101』

 生田絵梨花&濱家隆一(かまいたち)がMCを務める『Venue101』(NHK総合)は、“若い世代に届ける”をコンセプトにした音楽番組。生田は昨年まで乃木坂46としてアイドル活動する傍ら、本格的にピアノ演奏やミュージカル女優としても活躍するなど、幅広く音楽に精通した人物だ。アーティスト側の視点でゲストの魅力を引き出し発信していくこと、またその歌声とピアノで、ゲストとのコラボも期待できる。同番組の記者会見で目標にしているMCとして、10年間番組で共演したバナナマンの名前を挙げた生田。尊敬しているポイントは、スタッフを含めて「みんなで笑おうぜ!」という一体感を作るところと語っていたが、明るく、柔らかい空気感をまとっている生田が、師匠譲りのMCを発揮できるのかにも注目が集まる。

 生田はMCの回しをしたことがないと心配していたが、そこは経験豊富な濱家がカバーするだろう。3月まで『ZIP!』(日本テレビ系)水曜パーソナリティーとして様々な話題を面白く的確に届けていた経験と、『ミュージックステーション ウルトラ SUPER LIVE 2020』(テレビ朝日系)で事後配信のMCをコンビで担当した際に、アーティストたちが気軽につっこめる楽しい雰囲気を作り番組を進めていた。生田をフォローしつつ、視聴者目線で素朴な疑問を投げていく、そんなMCぶりが期待される。乃木坂46を卒業したばかりの生田にとっては、今後の可能性を広げるという意味でも、音楽番組MCという一つの軸ができることは大きな強みになっていくはずだ。

滝沢カレン『こえうた』

 同じくNHK総合の音楽特番『こえうた』でMCを担当する滝沢カレンは、音楽番組MC自体が初挑戦。『こえうた』は、事前に子ども・若者世代から“推し曲”を募集し、“うまく歌うよりも楽しく歌う”をモットーに、プロの歌手ではない、バラエティに富んだ出演者たちがリクエストに応える生歌唱番組になるという。滝沢の魅力は、自然体で飾らないこと。時折発する奇想天外な言葉が視聴者からは好評だ。そのほか、Instagramでは長文の文章が人気を集め、2020年に刊行したレシピ本『カレンの台所』も短編小説を読んでいるかのようなユーモアな言葉が並んでおり、隠れた文才の持ち主でもある。今回MCをするにあたり、バラエティで見せる飾らないキャラクター性はもちろんのこと、言葉に対する独特な感性で、ぜひ楽曲を様々な視点から読み解いてもらいたい。

 今回ふれた音楽番組のMCは、世代交代を感じさせるような新しいアーティストやタレントが並んでいる印象。もちろん人気だけが抜擢の理由ではなく、アーティスト側の視点になれるような、音楽に精通している実力者や番組コンセプトにあったキャラクターの持ち主が選ばれている。そんな新時代を担うMCたちが、それぞれの番組でどんな輝きを見せてくれるのか。これまでの音楽番組を刷新するような司会っぷりに期待したい。

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