miwa、“光”のように輝く歌声が放つエネルギー ファンと心通わせた『miwa concert tour 2022 “Sparkle”』東京公演
そしていよいよ後半戦に突入。「いけるか東京ー!」という呼びかけとともにヘビーなアップチューン「chAngE」で一気にハイテンションモードに。重厚感のある「アイヲトウ」では勢いよく拳を振り上げ、たおやかさを湛えた「Who I Am」ではハンドマイクで語りかけるように歌う。観客もそれに呼応するように腕を高く掲げ、体を揺らす。ステージも客席も、音のグルーヴやダイナミズムの中で自由に楽しんでいる様子だ。
特に、EDM調の「ヒカリへ」では、エレクトロなサウンドが空間の広がりを演出。場内にこだまするmiwaの伸びやかなボーカルは包容力に満ち、その佇まいは逞しさすら感じさせる。彼女の歌声はまさに輝きを放つ“光”。その煌めきから静かなるエネルギーが伝わってくるようで、会場にはひときわ力強い手拍子が湧き起こった。
こうして迎えた本編のラストは、“自分らしく輝くこと”をテーマにした「Sparkle」。「みんなと一緒に大声で歌う」という願いは叶わなかったが、「自分らしくいられなくて思い悩む時、自分で自分の背中を押せるように」というmiwaの思いを受け止め、一人ひとりが心の中のシンガロングで返すというリレーションが生まれた瞬間でもあった。
アンコールの「リトルガール」では、「みんなで歌おうリトルガール」と題した企画で、事前にファンから募った歌声や「Yeah!」といった掛け声を演奏に乗せるコラボレーションが実現。この曲ではスマホ撮影がOKだったこともあり、会場は和やかなムードに包まれる。そして最後は、“また笑顔で会いたい”という気持ちが込められた「春になったら」。ステージを跳びはね、伸び伸びと思いのままに歌う姿が微笑ましい。温かな拍手が送られる中、「みんなに会えてたくさんのハッピーをもらいました!」と伝えつつ、別れを惜しむように客席に手を振り続け、笑顔でステージを後にする光景がいつまでも心に残った。
ファンの生の声援が聞けるように「早く日常を取り戻したい」と胸中を吐露するとともに、観客を目の前にした喜びを「奇跡みたい」という言葉で表していたmiwa。制限付きのライブに葛藤もありながら、自分らしく輝くというトライを果敢に続ける彼女の姿は、この日のオーディエンスにとっても力となり、明日へのヒントになったに違いない。