ラストアイドルだけじゃない、コロナ禍が変えてしまった女性アイドルシーンの現状 活路見出す者も

NMB48・小嶋花梨などアイドルの映像コンテンツが充実

 アイドル自身も、コロナによって活動が振り回される現状はもどかしいはず。

 コロナ禍にグループに加入し、そして卒業していったアイドルに話を聞くと、誰もが「お客さんが声を出せる環境でライブをしてみたかった」と口を揃える。またファンはマスク着用が必須のため、「素顔を見たことがないファンがいたのも残念だった」とも言う。かつてとは違う状況が、アイドルによってはモチベーションの変動や先行きの見えなさに繋がっているのかもしれない。

 ただ、それでもなんとか活動を持続させるために、運営サイドは工夫を重ねてきた。ライブを有料配信し、現場になかなか来ることができないファンのためにリモートで特典会を実施するなど、さまざまなオンラインサービスを進めている。

 曲のスタイルを変えたグループも見かける。じっくり聴かせるような曲を増やしたり、ダンスを隅々まで堪能できるように振付をブラッシュアップするなど、“鑑賞”という部分に重点を置いて制作がなされているグループも出てきた。

 そしてファンの在宅時間を充実させるため、ミュージックビデオやYouTubeコンテンツなど映像コンテンツに力を入れるアイドルも多い。特に注目をあつめているのが、2022年1月にYouTubeチャンネルを始めたNMB48の小嶋花梨。現役アイドルの本音、そして理想と現実を赤裸々に語る内容が好評だ。また、4月にAKB48を卒業予定の宮崎美穂は、2020年4月からYouTubeチャンネル『みゃおちゃんねる』をスタート。大好きな韓国のカルチャーのことを中心に発信し、ファンを楽しませている。乃木坂46は2021年5月に『乃木坂配信中』を開設。同チャンネルは、テレビ東京系の冠番組『乃木坂工事中』との連動だけではなく、メンバー個人にフォーカスした企画も展開。与田祐希が福岡の実家へ帰省する模様などが高い再生回数を記録している。

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 女性アイドルシーンにコロナショックがやってきて、約2年。どのタイミングで元通りになるのかは、まだ分からない。そして、上記のような映像コンテンツなどで工夫しながら、いまも“なんとか持ちこたえている”というグループも少なくないだろう。ラストアイドルの活動終了は他人事ではなく、自分が推しているグループにも起こり得る話かもしれないのだ。

※1:https://lastidol.com/news/1170

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