SWAY、20年越しで完成させた“人生のサントラ” 守るべきものがあるからこそ貫く攻めの姿勢

子どものミルクを作ってるときに思い付いたリリック

ーーいろいろな影響が反映されているんですね! 「Life Coaster」も“人生”をテーマにした楽曲です。

SWAY:コロナ禍になったばかりの時期にスタジオでデモを作ったのが最初ですね。今とはまったく違うトラックだったんですけど、ウワモノの歌が気に入ってたから、ビートだけで作り直してもらって。そのまましばらく寝かして、アルバムの制作のときに久々に聴いてみたら「この歌、今の自分の感じではないな」と思って、全部作り直して。結局、“全とっかえ”になりました(笑)。〈胸張って叫べよGood Life〉は、子どものミルクを作ってるときに思い付いたんです。朝5時に起きて用意しているときにパッと浮かんできて、速攻でメモして。たぶん、どこかで「けっこうきついな」と思ってたんでしょうね。ちょっとマイナスな気持ちのときに、もう一人の自分が〈胸張って叫べよGood Life〉って言ってくれた感じもあったので。

ーーそのシチュエーションをリリックにすることは、すごく意義があると思います。ヒップホップはストリートだけで響くものではないし、いろんな年代にリーチできる音楽だと思うので。

SWAY:そうですよね。まだとっつきにくい音楽だなと思ってる人もいるかもしれないけど、たくさんの人をサポートできる音楽だと信じているので。この曲も自分がリアルだなと感じたことをリリックにしたし、誰かを支えられたらうれしいですね。

ーー〈今日も給料前のデートでカツカツmoney〉みたいなラインも生々しいですね。

SWAY:そういう時期もあったし、スニーカーもリボ払いで買ってたので。最近は音楽に夢を持ちづらいというか、「食えないんじゃない?」みたいなことも言われるじゃないですか。YouTuberのほうが輝いて見えるというか……もちろん、あの人たちもめちゃくちゃ頑張ってると思うんですけど。

ーーまあ、「音楽をやりたくても、お金にならない」という状況があるのは確かですからね。

SWAY:音楽を通して、いろんな経験ができたり、人とつながれるのは本当にすごいことだなと思っているんですよね、自分は。札幌のクラブでたくさんの仲間と出会って、「あのアーティストが好き」「この曲、いいよね」みたいなところから関係ができて、かけがえのない瞬間がたくさん生まれて。いまだにつながりがある人たちもいるし、音楽あっての人生だなと思いますね。感謝しかないです。

ロールス・ロイスに乗って、イオンの駐車場に集合したい

ーーアルバムの中盤に置かれた「ASOBOW」「Girls Girls Girls」「SEXY」からは、自由に音楽を楽しんでいるスタンスが感じられました。

SWAY:ありがとうございます。「Girls Girls Girls」は2009年に、LAのPOWERっていうプロデューサーが日本に来てるときに一緒に作ったんです。「ON FIRE」のトラックを作ってくれたTOMAがUSのプロデューサーとつないでくれて、3人でスタジオに入って。JAY-Zの「Girls,Girls,Girls」みたいな雰囲気でやりたかったんですよね。曲調はまったく違うんですけど、“女の子が好き!”“女の子は素晴らしい”みたいなノリで。これも一生のテーマですね(笑)。

ーーUSのプロデューサーとのセッション、やっぱり刺激的ですか?

SWAY:そうですね。「Girls Girls Girls」のトラックでいえば、絶妙な抜け感、アンバランス感がめちゃくちゃ良くて。ちょっとズレてるというか、「この音、どのタイミングで叩いてるの?」みたいなところもあって、そのラフさが好きなんですよね。10代の頃に聴いてきた海外のトラックにも、「これ、クォンタイズできてないんじゃない?」とか「ビートのタイミングがズレてる」みたいなものがけっこうあって、まさにそれをやりたくて。あと、POWERがトラックのなかに「カワイイ!」という女の子の声を入れてたんですよ。アニメボイスみたいな声で、スタッフからは「これ取ります?」という意見もあったんだけど、それはPOWERから見た日本のイメージだったり、日本のおもしろいところなのかなと思って、そのまま残しました。

ーーきれいにまとめ過ぎない良さがある?

SWAY:そう思います。Nasがアカペラでラップしてる曲を聴いてると、自分が付けてるチェーンの音が入ってたりして。「これ、長いチェーンなのかな。ヘッドが重くて、ぶつかってんじゃねえ?」みたいな想像できるのも楽しいんですよね(笑)。特に自分のソロでは、そういうラフな感じも残したいと思ってます。Sakaiさん(Ryosuke“Dr.R”Sakai)さんとのセッションもそう。「ASOBOW」なんて30分くらいで作ってますからね(笑)。Sakaiさんがビートを作ってるときにiPhoneでリリックを書いて、その場で録って、爆音で聴いて、「いいですね!」って。

ーーその場のセッションで生まれてくるアイデアも活かしながら?

SWAY:はい。考えてみたら、10代の頃はそういう作り方をしてたんです。当時はトラックメイカーの知り合いなんていなかったから、USのレコードを買って、インストをかけながらラップしてただけなんですけど。でも、いまだに当時作った曲が頭のなかで鳴り始めることもあるし、あれが自分の原点だったんだなと思いますね。

ーー「SEXY」もSakaiさんとのセッションで作ったんですか?

SWAY:「SEXY」はまず自分ひとりで作って、「もうちょっとブラッシュアップしたい」と思ってたんですよ。「ついでに鍋やりません?」って言って、Sakaiさんのスタジオに行ったら、DJ KEKKEやダンサーのRIEHATAもいて。「こういう曲作ったんだよ」って「SEXY」をかけたら、RIEHATAが踊り始めて、軽く歌ってたんですよ。それがすごくよくて、急遽、彼女が歌うスペースを作ったんです。

ーーRIEHATAさんはAK-69さん、AIさん、SALUさんの楽曲などにも参加していて。ダンサーとしても世界レベルだし、すごい才能ですね。

SWAY:前から歌えるのは知ってたんだけど、「そんな、歌わないよ」って感じだったんです。Dリーグ(プロダンスリーグ)でオリジナル楽曲が必要になって、歌わなくちゃいけない状況になって。ボーカリストとして才能を開花させざるを得なかったんでしょうね。すごいですよ、ほんとに。

ーーもう1曲、「Equal」についても聞かせてください。〈満たされない夜は/夢で僕は殺していいよ〉というライン、強烈ですね。

SWAY:悩みましたよね、そこは。テーマは片思いなんですけど、韓国映画の『猟奇的な彼女』が好きで、あの関係性も反映させているんですよ。ちょっとSっ気がある女性と、彼女に惹かれる男性ですね。映画を観直して、男の姿に自分の思い出を重ねながら(笑)、リリックを書きました。ちょうどそのときに“夢のなかで殺し合う”という設定のマンガを読んでいて、そのイメージも入ってますね。

ーー5月には全国ツアー『SWAY LIVE TOUR 2022 “Stay Wild And Young”』を開催。ソロとしては初のツアーですね。

SWAY:はい。ニューアルバムはもちろん、過去の作品からもピックアップしたいと思ってて。1stアルバムのリリースライブのときはダンサーなどにも参加してもらったんですが、今回はDJ KEKKEと二人でやります。

ーー1マイク、1DJ。いいですね!

SWAY:自分にとってもチャレンジですね。10代のときにRHYMESTERのライブを観たんですけど、DJ JINさんがビートを出して、宇多丸さん、Mummy-Dさんがラップして、「これは本物だ!」って衝撃を受けて。いつかこのスタイルでツアーをやりたいと思っていたんですよね。DJ KEKKEも当時から知っていて、自分たちのイベントにゲストで来てもらったこともあって。KEKKEが「東京で勝負する」って上京したときはビックリしましたね。「え、DJで食えんの?」って(笑)。

ーーいまは日本を代表するDJですからね。

SWAY:すごいですよね。めちゃくちゃ影響を受けたし、そのおかげで自分も東京に行こうと思ったところもあって。今回のツアーでもお互いの本気を見せたいですね。

ーーそのライブを見て、ヒップホップのカルチャーに目覚めるキッズもいそうですね。日本にもっとヒップホップを根付かせたいという気持ちもありますか?

SWAY:カッコいい人はめちゃくちゃいるんですよ。JP THE WAVY、BAD HOP、Awich、¥ellow Bucksもそうだし。みんなでさらに上がっていけたら最高ですよね。全員でロールス・ロイスに乗って、イオンの駐車場に集合したいです(笑)。

■イベント概要
『SWAY LIVE TOUR 2022 “Stay Wild And Young”』

<愛知>
2022年5月9日(月)
会場:DIAMOND HALL(愛知県名古屋市中区新栄2丁目1−9 雲竜フレックスビル西館5F)
開場17:30/開演18:30
お問い合わせ先:サンデーフォークプロモーション
TEL:052-320-9100(12:00~18:00)

<大阪>
2022年5月13日(金)
会場:なんばhatch(大阪市浪速区港町1-3-1)
開場17:30/開演18:30
お問い合わせ先:サウンドクリエイター
TEL:06-6357-4400(月・金 12:00~15:00 ※祝日を除く)

<東京>
2022年5月30日(月)
会場:Zepp Haneda (TOKYO)(東京都大田区羽田空港1-1-4 HANEDA INNOVATION CITY ZONE H)
開場17:30/開演18:30
お問い合わせ先:キョードー東京
TEL:0570-550-799(平日11:00~18:00、土日祝10:00~18:00)

<チケット料金>
全席指定:¥7,150(チケット代¥6,500+税)・ドリンク代別 
※6歳以上有料/5歳以下入場不可

<チケット先行受付スケジュール>
・We are D.I先行抽選予約
申込み期間:3月4日(金)18:00~3月10日(木)23:00 
※最大3公演、各公演4枚までエントリー可能

・CLプレミアムPLUS抽選先行
申込み期間:3月11日(金)15:00~3月15日(火)23:00 
※最大1公演4枚までエントリー可能

・LDH official mobile先行抽選予約
申込み期間:3月11日(金)15:00~3月15日(火)23:00 
※最大1公演4枚までエントリー可能
<対象サイト>
・EXILE Channel プレミアム
・EXILE Channel 
・LDH mobile 
・EXILE mobile 
・EXILE TRIBE mobile 
・LDH Girls mobile  

・アルバム封入抽選先行
申込み期間:3月16日(水)15:00~3月21日(月)23:00 
※最大1公演4枚までエントリー可能

・ローソンチケット先行
申込み期間:3月23日(水)15:00〜3月27日(日)23:00 
※枚数規定:各公演4枚まで

・ticketbook先行
申込み期間:3月23日(水)15:00〜3月27日(日)23:00 
※枚数規定:各公演4枚まで

・一般先行:3月28日(月)

・一般発売:4月16日(土)

■リリース情報 
アルバム『Stay Wild And Young』
発売日:2022年3月16日(水)
初回限定盤 ¥3,850(税込)
通常盤 ¥2,750(税込)

<収録曲>
01 Stay Wild And Young
02 ON FIRE
03 Life Coaster
04 チョコレート
05 Summertime
06 ASOBOW
07 Girls Girls Girls
08 SEXY
09 TALK
10 Angels
11 Equal
12 Under The Stars feat. Lupe Fiasco

<初回限定盤DVD>
『LIVE SHOWCASE 2018 UNCHAINED』
M1 Intro
M2 Be a Beast
M3 MANZANA
M4 Unchained
M5 SWAY SWAY
M6 Camouflage U
M7 La Vida Loca
M8 NAKED
M9 XXX 【Guest: AK-69】
M10 Lullaby
M11 Acting Myself
M12 Never Say Goodbye 【Guest: EXILE SHOKICHI】
M13 Perfect Love
M14 Let Me Know
M15 Friday Night
M16 SWAY SWAY 【Guest:RIEHATA】
M17 履き潰したKICKS 
M18 Look Up In The Sky

■関連リンク
SWAY twitter:https://twitter.com/sway_official     
SWAY instagram:https://www.instagram.com/sway_ldh/  
SWAY HP: https://m.ldh-m.jp/artist/index/181 
DOBERMAN INFINITY HP : http://dobermaninfinity-ldh.jp/
SWAY UNIVERSAL MUSIC HP: https://www.universal-music.co.jp/sway-d/
SWAY Def Jam Recordings HP: https://www.defjamrecordings.jp/

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