ジャック・ハーロウ、リル・ナズ・Xとのコラボに続き新曲「Nail Tech」も好調 カニエ・ウェストから絶賛の声も

参照:https://charts.spotify.com/charts/view/regional-global-weekly/latest

 Spotifyの「トップ50(グローバル)」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。本連載では、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする。第23回となる今回は、2022年2月25日~2022年3月3日集計のチャートを見つつ、今最も熱いラッパーの一人であるJack Harlow(ジャック・ハーロウ)を紹介したい。

Elley Duhé(エリー・ドゥエ)、「MIDDLE OF THE NIGHT」が20位にランクイン

 今週のチャートは、先週と比べて大きな変動はなく、1位は先週に引き続きGlass Animalsの「Heat Waves」、2位はザ・キッド・ラロイの「STAY」、そして3位はImagine Dragonsの「Enemy」という結果となった。大きく変動したのは、Elley Duhé(エリー・ドゥエ)の「MIDDLE OF THE NIGHT」。同曲は先週から8ポイントアップし、20位にランクインした。

Glass Animals - Heat Waves (Official Video)
Elley Duhé - MIDDLE OF THE NIGHT (Official Video)

若手ラッパー ジャック・ハーロウのブレイクポイントは?

 ケンタッキー州出身の若手ラッパー、ジャック・ハーロウ。12歳のときにラップを始め、当時は音楽ゲーム『ギターヒーロー』のマイクでラップをレコーディングしていた。彼は友人と『Rippin’ and Rappin’』というCDを作り、中学校で販売していたそうだ。中学生時代にマイクを購入し、Mr. Harlow(ミスター・ハーロウ)名義で初のミックステープ『Extra Credit』を制作した(※1)。

 16歳のときに1st EP『The Handsome Harlow』をリリースし、高校に通いながら頻繁にライブ活動をしていた。また、高校時代にラッパーのヴィンス・ステイプルズのライブでオープニング・アクトを務め、その活動を本格化させた(※2)。高校を卒業し、ミックステープのリリースやツアーを行った後、彼は現代のヒップホップにおいて最も熱い場所であるアトランタに拠点を移す。

「The Handsome Harlow」

 当時、生計を立てるために、ジョージア州立大学のカフェテリアで働きはじめたジャック・ハーロウであるが、働いて1カ月で自身の音楽キャリアにとって非常に重要な出会いに恵まれる。彼はリル・ウージー・ヴァートなどを発掘した音楽プロデューサーのDJドラマと出会い、彼とドン・キャノンが運営するレーベル<Generation Now>、そして<Atlantic Records>と契約し、2018年にメジャーデビューを果たした(※3)。

 そんなジャック・ハーロウにとって、ブレイクアウトとなったのが2020年にリリースされた「WHATS POPPIN」。こちらの楽曲はTikTokでバイラルとなり、コール・ベネットがプロデュースしたMVは1.5億再生を超えている(※4)。同年にリル・ウェイン、ダ・ベイビー、トリー・レーンズが参加したリミックスバージョンもリリースし、2020年に最も話題になったラッパーの一人となった。

Jack Harlow - WHATS POPPIN (Directed by Cole Bennett)

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