高橋優、身体ひとつで届けた10年分の感謝と音楽 日本武道館弾き語りライブ“白高橋”を観て

 難しい世の中だけど、みなさんとまた会えた時に届けたいと思って書いた曲です――。おかえり、ここが君の帰るところ。ありがとう、今ここにいてくれて。「おかえり」のあまりにリアルな歌詞と、現実の感情が不意に交錯したのだろう。思わず感極まった涙声の表情が、頭上のスクリーンに大写しになる。励ますように包み込むように、今日一番の拍手がステージに降り注ぐ。歌い切り、メガネを外し、タオルで顔をぬぐうまで、温かい拍手は鳴りやまない。そして、ステージ四方でゆっくりと燃える炎に照らされながら歌う「少年であれ」。息を潜めて聴き入る観客と、ステージに高橋優との間には、確かに通じる思いがある。

「しっとりした曲、続きました。ここからアゲアゲのやつ、やりますか」

 ライブはラストスパート。再びエレクトリックギターを手にし、激しく突っ走る「one stroke」から「BE RIGHT」へ、強烈なロックチューンで一気に加速する。「心の中で歌ってくれ!」と叫ぶ言葉に、手拍子がさらに大きくなる。ステージが回転し、白いスモークが吹きあがり、テンションがぐんぐん上がる。「明日はきっといい日になる」「Piece」へと、明るさと激しさの中で空気がどんどん熱くなる。アコースティックでなおかつロック、これが高橋優の原点にして現在地。

「僕にとっての希望、光とは、“会う”ということ。みんなに会って、感じる気持ちをずっと大事に思っています」

 ラストチューンはやはりこの曲、「福笑い」。武道館でこの歌唄う、僕の全て。伸びやかなリズムと旋律に乗せ、歌詞を変えながら歌う笑顔と、手拍子というよりは体全体が楽器のように、大きく手を開いてリズムを送る観客。なんて美しい光景だろう。七色のライトが降り注ぐ。祝福の光が全員を包み込む。

「10周年の最後の曲として、そして15年、20年始まりの曲として。2日間で44曲目、この曲を贈ります」

 アンコール。「Beautiful」をしっとりと歌い切ったあと、エレクトリックギターを手にした高橋が、最後の1曲に選んだのは「リーマンズロック」だった。胸を張れ、意地を張れ、声を張れ、生きてゆけ。サラリーマンソングの形を取りながら、すべての困難と挫折を乗り越えて生き続ける者への応援歌。高橋優と、高橋優の歌と、その生き方に共感するすべての者へのアンセム。

「これが何かの記念じゃないです。ここからまた歩いていくんで、お互いに負けないでいこう」

 入って来た時と同じく、満面の笑顔、大きく手を振りながら、四方に深々とお辞儀をしながら、ステージを去る。エンドロールの代わりに、スクリーンに最新曲「HIGH FIVE」の最新MVが映し出される。そこには、前を見据えてしっかりと歩き続ける高橋優の姿がある。10周年のアニバーサリーは終わった。今日は、新たな始まりの第一日だ。

<ライブセットリスト プレイリスト>
2月8日(火) 黒橋優
takahashiyu.lnk.to/kuro_setlist

2月9日(水) 白橋優
takahashiyu.lnk.to/shiro_setlist
※一部未配信楽曲あり

高橋優「HIGH FIVE」MV
https://youtu.be/RU1aPbMHoL8
※2月25日(金)0時にプレミア公開

■リリース情報
配信限定シングル「HIGH FIVE」
配信日:2月25日(金)
1月20日(木)よりiTunesプレーオーダー予約受付中
https://itunes.apple.com/jp/album/high-five-single/1604607640?l=ja&ls=1&app=itune

高橋優 – HIGH FIVE(Lyric Video)
https://youtu.be/iD7CqykYXiE

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