ときのそら、確かなパフォーマンスで魅せた3年ぶり有観客ライブ カバー曲から垣間見える多彩なアイドル性

ときのそら、3年ぶり有観客ライブ

 人気VTuberグループ・ホロライブの全体ライブでセンターを務める顔役のひとりであり、デビュー5周年イヤーの今年も精力的な活動を続けている、ときのそら。彼女にとって約3年ぶりとなる有観客ライブ『ときのそらTheatrical Cover Live「Role:Play」』が開催された。

 このライブは、池袋HUMAXシネマズと109シネマズ大阪エキスポシティの東阪2会場、そして「オンライン配信」で同時に行われる多拠点開催のカバーライブ。昼公演と夜公演の2部制になっており、昨年11月に発売された全編カバー曲で構成された3rdアルバム『Re:Play』の楽曲を中心にしたステージを3拠点で同時に楽しむバーチャルタレントならではのライブとなった。今回はオンラインで視聴した昼公演の模様をレポートしたい。

 まずは映画のフィルムに過去の様々なライブの様子を投影したオープニングムービーが流れると、ときのそらがステージへと向かう様子が映りライブがスタート。「今日は来てくれてありがとうございます! 最後まで全力で盛り上がっていくよー!」と伝え、夜の映画館や劇場を思わせるようなネオンカラーのステージで、まずはアルバム『Re:Play』でカバーした楽曲を披露。1曲目の「太陽系デスコ」(ナユタン星人)では、背後のスクリーンに2018年に公開した同曲の「歌ってMMDで踊ってみた」の映像を表示。続く「HOT LIMIT」(T.M.Revolution)では火柱が上がり、お馴染みのマスコットキャラクター・あん肝も登場して盛り上げていく。「まっさらブルージーンズ」(℃-ute)では、歌詞の〈ブルージーンズ〉に連動して足を前後にステップする振り付けも披露。VTuberの黎明期から数々の大舞台で観客を魅了してきた、確かな歌唱力やダンスで一気に自分の世界に引き込んでいった。

 彼女のライブを観て感じるのは、ボカロ曲も原曲キーで歌える声域の広さを生かした歌声の魅力や、生歌と高いレベルで両立されたキレキレのダンスに加えて、ステージを隅々まで広く使うステージングの上手さや、観客を煽って盛り上げる様子の巧みさ。これらがすべて高いレベルにあるからこそ、アイドルとしての華が生まれているように感じられる。中でも序盤のハイライトとなったのは、『Re:Play』収録曲の中でも屈指のハイトーンボイスが印象的な「ロマンスの神様」(広瀬香美)。この楽曲ではステージを左右まで広く使ったり、ステージの段差に座って歌ったりしながら、華やかな雰囲気で会場を盛り上げていった。

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