日向坂46 佐々木久美、メンバーの涙が物語る愛されるキャプテン像 『ONE PIECE』ルフィをロールモデルにしたリーダーシップ

 なぜ佐々木久美は、このような愛されるキャプテンとなりえたのか。その答えを昨年11月8日の『パンサー向井のチャリで30分』(ニッポン放送)で久美が語っている。

 まずパーソナリティの向井慧が、日向坂46のドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』を見て、久美は他のグループであまり見たことのないキャプテンだと言及。他のグループのキャプテンはグイグイ先頭に立って引っ張っていくことが多い中、久美は楽しくメンバーに話かけ、それぞれを繋ぎ合わせる。久美が流動的に動いているから、知らない間にグループとして一個になっていると感想を述べた。それに対して久美が言ったのが、元々末っ子で、キャプテンっぽくはない性格だが、年長でみんなより社会経験もあるから、自分で意識を変えてやっているということ。彼女の中には、キャプテンの姿勢に切り替えるスイッチがあるらしい。

 また、理想のキャプテン像として漫画『ONE PIECE』の主人公 モンキー・D・ルフィを挙げ、普段はふざけたり、陽気で悪ガキのようなところがあるが、いざという時にめちゃくちゃ強くて、ルフィがいるなら大丈夫という風になる。そして、仲間を頼ることを絶対に忘れず、ルフィの「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある」という名台詞の通り、久美自身も1人では生きていけないからこそ、ルフィを目指そうと思ったことを明かしていた。

 『3年目のデビュー』にも映っているように、普段は仲間とふざけあっている久美だが、悩んでいるメンバーを見つけると明るく寄り添って「大丈夫だよ」と声をかける姿勢や、ライブ最後のMCでは真摯に気持ちを伝えてメンバーや観客を感動させるなど、大事な場面でキャプテンとしてきっちり締める。特に印象深いのが、とあるメンバーが謹慎になることをメンバーに謝罪した後、真剣な顔をして「ダンスの練習をしてるんだよ、毎日踊るんだよ」「約束だよ」と声をかけるシーンは、誰しもが戸惑いを見せる状況の中で、キャプテンらしい厳しさと、帰ってくる場所があるということを伝える優しさを感じ、久美がなぜキャプテンを担っているのかが理解できる。底抜けの楽観主義者だが、どのような困難にも臆さず立ち向かうルフィと、佐々木久美のキャプテンとしての姿勢は重なるものがあるように思う。

 末っ子の甘えん坊気質だが、率先してグループを引っ張ろうとするキャプテンシー。普段からメンバーに寄り添い、寄り添われる関係性を築いているからこそ、グループの強い団結力を生むことができる。個々のメンバーの人柄、責任感の強さももちろんあるが、彼女たちの話を聞くと、やはり久美の人間としての懐の深さがグループカラーに反映され、日向坂46が大きく発展したのだろう。

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